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美容と睡眠
コラム

美容コンサルタント美羽Miu

vol. 33睡眠の質を落とす「NG生活習慣」とは?よく眠るための簡単セルフチェック

毎日を元気に過ごすためには、睡眠時間を確保することだけでなく、睡眠の質そのものを意識することも大切です。では、質の良い睡眠はどうすればキープできるのでしょうか?
睡眠の質向上のポイントは、「生活習慣(日常の行動)」と「睡眠環境(寝室や寝具など)」の2つに大きく分けられます。今回は、その2つのうち「生活習慣」に着目し、質の良い睡眠をとるためのポイントを解説します。

睡眠の質の低下による、心身への悪影響

睡眠の質の低下による、心身への悪影響 睡眠は、私たちの脳や身体を休め、癒やし、修復する役割を担っています。睡眠の質が落ちてしまうと、健康のための休息や必要な箇所の修復が充分に行われないほか、ホルモンの分泌状態も乱れ、心身に様々な悪影響が現れます。

たとえば、注意力や集中力の低下。睡眠不足で頭がボーッとする状態は誰しも経験があると思われますが、たとえ睡眠時間を充分確保していたとしても、睡眠の質がいちじるしく低下していた場合や睡眠の質低下が長期的に続いた場合、睡眠不足と同じような不調を感じることがあります。

仕事、家事、車の運転など、日常でこなしたい物事に集中できなくなったり、注意力が散漫になりミスをしてしまったり。また、疲労感や倦怠感、不安感、イライラなどを感じやすくなり、ストレスが溜まりやすくなってしまいます。

さらに、睡眠の質低下は健康にも悪影響を及ぼします。とくにリスクが高まるのが、生活習慣病です。睡眠の質が低いと自律神経やホルモンバランスが乱れ、前頭葉の働きが低下するため、高血圧や高血糖、過剰な食欲による肥満、といった状態に陥りやすくなります。これらはいずれも、動脈硬化、心疾患、脳梗塞などを招く要因となるため、睡眠の質の向上は健康のためにも必須の課題と言えるでしょう。



睡眠の質を低下させるNG習慣をセルフチェック

ここで改めて、具体的な生活習慣について振り返ってみましょう。睡眠の質を低下させてしまう原因は、なにげなく行っている生活習慣に隠れている場合が多いもの。以下の項目の中で、「自分にも当てはまる」と感じるものはありませんか?


就寝・起床の時刻が一定でない

「つい夜ふかししてしまう」「休日はいつもより起きる時間が遅い」など、就寝・起床する時刻が2時間以上ずれる日がある、という人は要注意です。夜ふかしや休日の寝溜めによって、日本に居ながらにして海外旅行で生じる時差ボケのような状態になる恐れがあります。これは「社会的時差ボケ」と呼ばれていて心身の不調を招きやすく、体内時計を乱れさせることから眠りの質も落としてしまいます。


寝る前にブルーライトを浴びている

寝る前にブルーライトを浴びている スマホやタブレット、ゲーム機、パソコンといったデジタル機器。暮らしを便利にしてくれるツールばかりですが、これらの画面から発する光には、覚醒を促すブルーライトが含まれています。就寝直前までパソコンで仕事をしていたり、寝床にスマホやゲームを持ち込んで使ったりすると、寝付きが悪くなり、睡眠の質も低下しやすくなります。


寝る直前にお酒を飲む

「お酒を飲むとよく眠れる」と感じる人もいるかもしれませんが、これは正しくありません。アルコールはたしかに眠気を誘う場合があるのですが、睡眠の質そのものをグッと低下させる性質を持っています。利尿効果も高いため、せっかく寝付けたとしても夜中に起きてしまったり、眠りが浅くて翌日ボーッとしてしまったりしますし、アルコール依存症のリスクも高まります。眠るためのお酒の習慣化は避けましょう。


毎晩お風呂でお湯に浸からない

入浴する際、「暑いから・寒いから」「忙しいから」といった理由で、シャワーだけで済ませることが多くなっていませんか? お風呂でお湯に浸かることは、睡眠の質を上げるために必須と言ってよいほど効果的です。次の章で適切な入浴方法を解説しますので、最近ぐっすり眠れない……という方はぜひ試してみてください。



睡眠の質をUPさせる生活習慣のポイント

睡眠の質をより良くするためには、どんな習慣を意識したら良いのでしょうか? すぐに実践できる、効果的なポイントを見ていきましょう。


体内時計を整えよう

夜は暖色系の暗めの照明の下で過ごそう 体内時計とは、人間が生きるために必要な様々な生体リズムをコントロールしている機能のこと。夜に自然と眠くなったり、夜中よりも日中の方が活発に動きやすかったりするのは、この体内時計の働きによるものです。 睡眠の質向上のためには、まずこの体内時計のリズムを正常に整える必要があります。具体的には、就寝・起床や食事のリズムを一定に保ち、規則正しい生活を心がけましょう。また、体内時計のサイクルは24時間より長いため、1日ごとに少しずつ後ろにずれていってしまう傾向があります。朝起きたらカーテンを開けて朝日を浴び、朝ごはんをしっかり食べることで、体内時計のズレを調整しましょう。


夜は暖色系の暗めの照明の下で過ごそう

夜に日中のような明るい光を浴びてしまうと、脳が昼と勘違いしてしまい、体内時計が遅れてしまいます。睡眠ホルモンと言われるメラトニンの分泌が抑えられ、眠気が来なくなり、睡眠の質も下がってしまいます。部屋の照明は暖色系の暗めにして過ごしましょう。 また、ゲーム機やスマホも明るい光を発しますので、これらをやめてリラックスできる習慣をつくりましょう。


お風呂でしっかりお湯に浸かろう

就寝の90〜30分前に、38℃~41℃のお湯に約10分間浸かって身体を温めましょう。こうすることで身体の深部体温が少し上昇し、寝付きがスムーズになる上に睡眠の質も良くなります。


【監修】東京ベイ・浦安市川医療センター CEO / 医師 神山 潤 先生

睡眠、特にレム睡眠を脳機能評価手段の一つとして捉える臨床的な試みに長年取り組む。
旭川医科大学、UCLAでは睡眠の基礎研究に従事。米国から帰国後、日本の子どもたちの睡眠事情の実態(遅寝遅起き)に衝撃を受け、社会的啓発活動を開始している。


【主な著書】
・朝起きられない人のねむり学 一日24時間の賢い使い方
・眠りは脳と心の栄養! 睡眠がよくわかる事典 早起き・早寝で元気になれる
・睡眠で人生が劇的に変わる生体時計活性法 (講談社+α新書)
他多数