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睡眠博士のぐっすり眠りなサイエンス

 » 睡眠とうつ病の関係性とその対策について

ストレスが多い現代社会。心のケアは、家庭内はもちろん、学校や企業でも取り組むべき課題となっています。なかでも、時に命に関わることもある「うつ病」は、眠りと深い関係のある病とも言われています。今回は、うつ病と睡眠についてお話しましょう。

解説者プロフィール
ぐっすり睡眠博士こと 金子 勝明
東洋羽毛工業株式会社 営業企画課所属
睡眠健康指導士、睡眠環境・寝具指導士の資格を持ち、商品開発、営業企画、睡眠の研究など幅広く手掛けるなんでも系社員!睡眠講座の要請を受け、講師として全国各地を飛び回り、自身睡眠不足になりながらも、日夜睡眠の大切さを訴える。

うつ病とはどんな病気なのか?

世界保健機関(WHO)が定めた診断基準による、国内のうつ病の生涯有病率(調査時点までに診断基準を満たしたことがある人の割合)は7.5%。約15人に1人がうつ病を患ったことがある計算になります。思った以上の割合だと思いませんか?うつ病は決して珍しい病気ではないのです。
うつ病の原因は、残念ながらまだはっきりとは分かっていません。原因のひとつとして考えられているのが、脳内の神経伝達物質、セロトニンやノルアドレナリンの不足です。これらの物質は精神を安定させたり、やる気を起こさせたりするものであることから、減少すると無気力で憂うつな状態になってしまうのです。

ワガママ病ではありません!

近年、通称「新型うつ」と呼ばれるタイプのうつ病患者が、20代の若い世代を中心に増えているそうです。新型うつは、症状がこれまでのうつ病と異なったり、時には真逆であったりすることが特徴のようです。

うつ病の代表的な症状に、無気力・何もやる気が起きないということがありますが、新型うつの人は、好きなこと・興味のあることには元気に取り組める例えば、うつ病の代表的な症状に、無気力・何もやる気が起きないということがありますが、新型うつの人は、好きなこと・興味のあることには元気に取り組めるのです。職場でのストレスが原因の場合、仕事に行こうとすると呼吸困難やめまいなどが起こるのに、遊びなら出かけられる、といった具合です。そのため、ただのワガママではないかと、周囲に理解してもらえないケースも多いようです。 ひと口にうつ病と言っても、症状や状態は人それぞれであることを、周囲も認識することが大切ですね。

睡眠障害に悩むうつ病患者

規則正しい生活をしていたのに、1回の徹夜で生活リズムが崩れ、うつ病を発症してしまった人がいるそうです。反対に、治療中の人が偶然、徹夜になってしまったことがきっかけで症状が改善した例もあると言うから驚きです。それほど、睡眠とうつ病は深く関係しているんですね。

複数の症状を訴える患者ほど、うつも重症化する傾向がある実際、うつ病の人のほとんどが睡眠に何らかの悩みを抱えています。従来型のうつ病の場合、多くが不眠であるの対して、新型うつの場合は眠り過ぎる、いわゆる過眠になる人もいると言います。しかし個人差があり一概に、従来型=不眠、新型=過眠とは言えません。
また睡眠障害には、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡感の欠如、そして過眠など、いくつかの症状があります。複数の症状を訴える患者ほど、うつも重症化する傾向があるそうです。

早期発見が大切!

前述したように、約15人に1人がかかると言われるうつ病。ところがうつ病を患ったことがある人のうち、病院で受診した人は4人に1人。残り3/4の人たちは、悩みや症状を自覚しながら病院に行っていなかったのです。うつ病が広く知られるようになった現代でも、病院にかかることをためらう人が少なくないようです。

うつ病は、適切な治療を行えば回復できる病厚生労働省が「うつ病を疑うサイン」を挙げています。当てはまる症状が複数あり、それが2週間以上続いていたら、専門家に相談することをおすすめします。またご家族や友人など、身近な人が変化に気づいてあげることも、早期発見の近道です。
うつ病は、適切な治療を行えば回復できる病と言われていますので、少しでも気になる時は早めの対応を心掛けましょう。

  • 悲しい、憂うつな気分、沈んだ気分
  • 何事にも興味がわかず、楽しくない
  • 疲れやすく、元気がない(だるい)
  • 気力、意欲、集中力の低下を自覚する(おっくう、何もする気がしない)
  • 寝つきが悪くて、朝早く目がさめる
  • 食欲がなくなる
  • 人に会いたくなくなる
  • 夕方より朝方の方が気分、体調が悪い
  • 心配事が頭から離れず、考えが堂々めぐりする
  • 失敗や悲しみ、失望から立ち直れない
  • 自分を責め、自分は価値がないと感じる
  • 以前と比べて表情が暗く、元気がない
  • 体調不良の訴え(身体の痛みや倦怠感)が多くなる
  • 仕事や家事の能率が低下、ミスが増える
  • 周囲との交流を避けるようになる
  • 遅刻、早退、欠勤(欠席)が増加する
  • 趣味やスポーツ、外出をしなくなる
  • 飲酒量が増える など

引用元:厚生労働省地域におけるうつ対策検討会「うつ対策推進方策マニュアル 
- 都道府県・市町村職員のために -」

不眠からうつ病への移行を防ぐ!

元気な人でも睡眠不足になると、イライラして普段なら聞き流せるような些細なことが、気になってしまうことがあると思います。これは脳の扁桃体という部分が活発になっているから。ストレスに対する過剰な反応を防ぐためにも、十分な睡眠は欠かせません。

ストレッチやウォーキングなどを習慣にして、心身ともにゆるめる時間を持ってみては一方、緊張すると肩に力が入ることがあるように、心の状態は筋肉にも影響を及ぼします。そのため、心のバランスが崩れていると、体のバランスも崩れてくると言います。 心をリラックスさせるためには、体をリラックスさせることもカギになりそうですね。ストレッチやウォーキングなどを習慣にして、心身ともにゆるめる時間を持ってみてはいかがでしょうか。

[参考文献]
厚生労働省ホームページ・みんなのメンタルヘルス 
日本睡眠学会ホームページ 
・古賀良彦『睡眠と脳の科学』詳伝社、2014
・菅原洋平『ここぞというときに力が出せる睡眠の3鉄則』主婦と生活社、2014
・福西勇夫・福西朱美監修『新型うつを知る本』アスペクト、2013
・美野田啓二『見た目でわかる!うつになる人ならない人』青春出版社、2013
・神山 潤『子供の睡眠外来』中山書店、2011
・田中 匡『快眠と不眠のメカニズム』日刊工業新聞社、2007