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睡眠博士のぐっすり眠りなサイエンス

 » よく眠れる食べ物と寝つきにくくなる食べ物

厚生労働省が2012年に行った「国民健康・栄養調査」によると、「ここ1ヶ月間、睡眠で休養が十分にとれていない」と回答した成人は14.9%。6.7人に1人が眠りに満足できていないことがわかりました。
このコーナーでは、眠りの役割や睡眠が心身に与える影響などについて、睡眠博士こと東洋羽毛・金子がじっくり解説します。第1回は「睡眠」と「食」のお話です。

解説者プロフィール
ぐっすり睡眠博士こと 金子 勝明
東洋羽毛工業株式会社 営業企画課所属
睡眠健康指導士、睡眠環境・寝具指導士の資格を持ち、商品開発、営業企画、睡眠の研究など幅広く手掛けるなんでも系社員!睡眠講座の要請を受け、講師として全国各地を飛び回り、自身睡眠不足になりながらも、日夜睡眠の大切さを訴える。

眠りに欠かせないホルモンを作ろう!

眠りに欠かせないホルモンを作ろう眠りをコントロールし「睡眠ホルモン」とも呼ばれるメラトニンや、脳を鎮静化させるセロトニン。これらのホルモンの分泌は、心地よい眠りにとって欠かせません。ではいったいどうすれば、分泌を促進できるのでしょうか?

食の観点から見てみると、これらのホルモンの「原料」となるトリプトファンがカギです。しかしトリプトファンは体内で合成することができない必須アミノ酸なので、食事などで摂る必要があります。トリプトファンを多く含む、乳製品やナッツ類、大豆、肉類、魚類、卵などを適度に取り入れてみてください。トリプトファンからセロトニンが作られ、さらにセロトニンがメラトニンの分泌を促進して、眠りへとつながっていきます。

体温の上げ下げを促す食材

赤ちゃんは眠くなると手足がポカポカしてくると聞いたことはありませんか? 人は体温が下がると眠くなるのですが、手足から熱を発散させることで体温が下がっていくのです。もう少し詳しくお話しますと、手足のように薄いパーツは外気温の影響を受けやすいため、手足を流れた血液は冷やされます。冷えた血液が全身を巡り体温が下がるというわけです。

エビ、ホタテ、イカ、カニ、カジキマグロなどの魚介類に含まれるグリシンが手足の血流量を増やすそこで近年注目されているのが、脳に働きかけて手足の血流量を増やすというグリシン。エビ、ホタテ、イカ、カニ、カジキマグロなどの魚介類に多く含まれています。

もっと直接的に体温の上げ下げを活用するならカプサイシンです。唐辛子などに含まれる成分として知られていますね。カプサイシンは体温を上げるだけでなく、上げた体温を下げる効果もありますので、唐辛子を使ったキムチ鍋などは夕食にうってつけです。

睡眠におすすめの成分を多く含む食材
トリプトファン 乳製品、ナッツ類、大豆、肉類、魚類、卵 など
グリシン エビ、ホタテ、イカ、カニ、カジキマグロ など
カプサイシン 唐辛子、キムチ、豆板醤、ラー油、タバスコ、コチュジャン など

食事の時間を体が学習!?

眠りに効果的な食材だからと言って、そればかりを食べればよいというものではありません。また苦手な食べ物を無理に食べて、余計なストレスを抱えてしまっては元も子もありません。まずはバランスの良い食事を心掛けることが大切です。

食べる時間も重要なポイントです。寝る直前に物を食べると、消化のために胃腸が活発に動き、眠りの質を下げてしまいます。また、日々決まった時間に食事をしている人は、その時間になると空腹を感じるようになってくるそうです。つまり、毎日遅い時間に食事をしていると、次第にその時間に合わせて体が食べる準備を始め、覚醒状態になってしまうと言うのです。就寝する3~4時間前には食事を済ませるようにしましょう。

コーヒー、タバコはやっぱりNG!

コーヒーはNG!コーヒーやお茶などに含まれるカフェインに覚醒作用があることは、みなさんご存じだと思います。覚醒作用は、摂取後30分くらいで効き始め、4~5時間ほど続きます。そのメカニズムは、疲れてくると脳細胞に睡眠物質であるアデノシンが溜まり、睡眠中枢に「眠れ!」と伝達します。この伝達をカフェインはブロックしてしまうのです。

また、カフェインには血管拡張作用もあるため、内臓の血液循環が活発になり利尿作用を生じます。せっかく眠っても、トイレに行きたくなって目が覚めてしまい、満足な眠りが得られないことになりかねません。

タバコはNG!一方、昨今の禁煙ブームで肩身が狭くなっている喫煙者のみなさんに追い打ちをかけるようですが…眠りに関してもタバコはNG! カフェイン同様、ニコチンにも覚醒作用があるので夕食以降は控えた方がよいでしょう。

寝酒では寝れない!?

世界10ケ国で行った調査の結果、日本人は寝酒に頼る人の割合が高いことがわかりました(10ケ国の平均19.4%、日本人30.3%)。

確かにアルコールを飲むと寝つきはよくなりますが、睡眠後半においては、眠りが浅くなり中途覚醒が多くなることがわかっています。また寝酒を毎晩行うとアルコールに対して次第に耐性ができて酒量が増え、最悪の場合アルコール依存症になることも。

さらに、お酒を飲んで寝ると、普段いびきをかかない人でもいびきをかくことがありますね。これはアルコールの筋弛緩作用によるもの。のど周辺の筋肉が緩んで空気の通り道が狭くなり、いびきをかくようになります。気道が狭くなることは、睡眠時無呼吸症候群にもつながりますから注意が必要です。 習慣的な寝酒は、眠りを妨げ健康にも影響を及ぼしかねないことを覚えておいてください。

[参考文献]
・内山真『睡眠のはなし』中公新書、2014
・山本恵一『眠りの技法』サンクチュアリ出版、2014
・堀忠雄・白川修一郎監修、日本睡眠改善協議会編『基礎講座 睡眠改善学』ゆまに書房、2012
・宮崎総一郎『病気の原因は「眠り」にあった』実業之日本社、2012
・遠藤拓郎『4時間半熟睡法』フォレスト出版、2009
・遠藤拓郎『6分半で眠れる!快眠セラピーCDブック』フォレスト出版、2008
・田中匠『快眠と不眠のメカニズム』日刊工業新聞社、2007