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羽毛ふとん
工場見学ツアー

羽毛職人Tsubasa

vol. 2ふとんづくりを支える「職人」のスゴ技!

工場見学ツアーの2回目は、羽毛ふとんの側生地を作る「縫製」の工程を追いながら、そこに携わる「人」に注目していきましょう。東洋羽毛の職人は、「これぞスゴ技!」という技術を持った、優秀なプロフェッショナル集団なんですよ。

眼光鋭く裁断機を見つめる、そのワケは?

眼光鋭く裁断機を見つめる、そのワケは?側生地作りのスタートは、生地の裁断です。掛けふとん、敷きふとんなど、おふとんの種類によって使用する生地の長さが違いますから、長さと裁断枚数を注意深く裁断機にセットします。

ロール状の生地から、裁断機が必要な長さを引き出して、カッターで切り落としていくのですが、その際、同時に生地にキズや汚れが無いかチェックしていきます。と言っても、チェックするのは機械ではなく、何と人の目!生地の裏から光を当てることで、キズや汚れがシルエットになって浮かび上がり、表面はもちろん裏面にある不具合もチェックできる仕組みになっています。

ココがスゴ技!

生地のチェックにかけられる時間は、生地が引き出されてからカットされるまでの、ほんの数秒間だけ。わずかな不具合も見逃すまいと、眼光鋭く生地を見つめる職人の姿は、凄腕のスナイパーのようですよ!

ベテランでも1日3~4枚しか縫えない側生地

ベテランでも1日3~4枚しか縫えない側生地掛けふとんは、立体キルトといって、内部がマチ布でマス目状に仕切られています。

注目はマス目の交差点です。一般的な立体キルトは、十字にマチを縫い付けると、交差する部分が縫いつぶれてしまいますから、通常は交わる部分のマチ布を切ってしまうのです。しかしこの方法は、切れ目を通って羽毛がマス目を移動するという課題があります(図1)。

ベテランでも1日3~4枚しか縫えない側生地そこで東洋羽毛では、マチ布をマス目に沿って階段状に縫い付けていきます(図2)。機械では到底できない細かな作業なので、職人が1枚1枚、ミシンで縫い上げるのです。

この構造は、すでに特許が切れているので他社さんでも採用することができます。しかし私が知る限り、採用している会社はありません。なぜでしょう?構造が複雑で高度な縫製技術を要するあまり、対応できる職人がいないんです。優れた腕を持った職人を抱える東洋羽毛だからこそ、実現可能な構造なのです。

ココがスゴ技!

おふとんの表面を見ると、階段状に縫ったマス目の角と角がぶつかる部分の縫い目がぴたりと合っています。これぞ東洋羽毛が誇る職人技!指導員クラスの職人でも、掛けふとん用の側生地を縫い上げられる数は、1日にわずか3~4枚。羽毛の移動を防ぐ立体マチの縫製が、いかに複雑で手間のかかる作業か、お分かりいただけましたでしょうか。

羽毛をただ詰めればいいワケではありません!

側生地が完成したら、いよいよ羽毛の充填です。精製を終えた羽毛は大きなタンクに入れられ、そこからホースを伝って側生地に充填されていきます。空気の力で羽毛が押し出されてくるので、側生地がまるで風船のように膨らんでいきますよ。

立体キルトの掛けふとんは、マス目によって羽毛を詰める量が異なるので、マス目ごとに羽毛を計量しながら充填しているんです。どのマス目にどれくらいの羽毛を入れるかは、保温性を左右する重要なポイントです。充填する場所や量を間違えては大変ですから、気の抜けない作業の連続なんですね。
充填が終わったら、すぐさまホースの差し込み口を縫い合わせることも、忘れてはいけません。

おふとんをパタパタ叩く謎の職人!?

洗浄に必要な水は、25mプール2杯分!?肌掛け(夏掛け)ふとんなどマチのない薄手のおふとんは、マス目のない大きな袋状の側生地に、一枚分の羽毛量を充填します。マス目がないので当然羽毛が偏ってしまいます。そこで職人が、羽毛を手作業で均一にならしていくのです。次のマス目を縫い上げる工程で、場所によって羽毛の量に偏りが出ないための大切な作業です。

マス目の縫製も、もちろん職人の出番です。ダウンウエアをお持ちの方は、羽毛の吹き出しが気になった経験があると思います。羽毛はおもに縫い目から飛び出しますが、羽毛ふとんも同様です。そこで、縫い目から羽毛が吹き出さないように、生地の裏に「Tコートテープ」というフェルト製のテープを貼り、一緒に縫い込んでいきます。東洋羽毛独自のテープで、縫い目からの放熱を防ぐ役割もあります。

マス目を縫い上げる際、布の裏側に貼られているテープは見えません。しかもテープの幅は、わずか1cmほど。職人たちは、テープの厚みを頼りに、指先で位置を確認しながら縫い上げていくのです。テープの中心を縫い進めるスピーディな仕事ぶりは必見ですよ。

ココがスゴ技!

大きな台の上に広げたおふとんを、職人がパタパタとやさしく叩きながら、手の感触を頼りに、羽毛をまんべんなく広げていきます。もちろんこの時、側生地の中にある羽毛を直接見ることはできません。まさに職人の感覚と経験がものを言う、繊細な作業なんですよ。

これにて、ひとまず羽毛ふとんは完成です!“ひとまず”と書いたのには理由があるのですが…それは次回のお楽しみに!