今回は、ダイエットに効果的な全身ストレッチをご紹介します。ストレッチは、基礎代謝がアップして痩せやすい体づくりに効果的です。筋力アップや姿勢の改善も期待できますので、美しいボディラインを目指して、一緒に行っていきましょう。
※ 周囲に障害物がなく、足元が安定した場所で行ってください。
人は日常生活で、両手を持ち上げる肩の筋肉、ひじを曲げる力こぶの筋肉、手を寄せる胸の筋肉を使うことが多くなります。例えば、手を前に出して料理をしたり、腕を上げて洗濯物を干したり。すると胸や肩周りの筋肉が萎縮して肩幅が狭くなり、巻き肩になって、頭が前に出て猫背になってしまうんですね。
ご紹介している背中や胸の運動は、タオルを両手で横に引っ張りながら行うことで、縮みがちな肩周りの関節を広げながら、必要な筋肉を鍛えられます。タオルを横に広げるテンションがあるからこそ、背中などの筋肉が効果的に使われるんです。
後半の足を持ち上げる腹筋は、足を振り上げる反動でやらずに、しっかり腹筋を使って足を上げ下げすることが大切です。ひざ裏にタオルを挟むことで、足で勢いをつけづらくなります。一方、ひざの間にタオルを挟むと内またが引き締められて、より腹筋に効いてきます。タオルを使うことで、正しいやり方で運動できるようになるんです。
背中が丸く頭が前に出た状態で1日を始めると、頭を首と肩の筋肉が引っ張って支え続けるので、肩こり決定なんです(笑)。背中と胸筋の運動で正しい姿勢をつくってから、1日をスタートするといいですね。ただ、体が硬い方はお風呂で体を温めてからやるのが一番いいです。朝風呂に入ってタオルで体を拭いたついでにやる!夜もお風呂上りにやる!やっぱり生活習慣の中に混ぜることが大事です。
一方で、デスクワークや旅行の移動などで座りっぱなしだと、足がむくんでパンパンになりますよね。老廃物は、血液などより重いと言われていて下肢に溜まります。ふくらはぎが固いまま入浴しても、老廃物は下から上がりにくい。「3.もも裏とふくらはぎのストレッチ」を入浴前にやると、老廃物が浮力で上がりやすくなって、足のだるさが変わってきます。足腰の冷えやむくみが気になる方は、ぜひやっていただきたいです。
ふくらはぎを自分の手でほぐすと疲れちゃうし肩も凝りますよね。タオルをももとふくらはぎの間に挟んで座ると、タオルが手の代わりになってマッサージできます。簡単ですが非常に有効でおすすめです。
日常生活でキレイな姿勢を保つコツは、お腹を引っ張り上げることです。ただ、お腹を引っ張ってというと、腰を反っちゃう人が多いです。お腹をグーっと引っ張り上げた後に、あごを引きながら、かかとに体重を乗せると、一気に腹筋に力が入って正しい姿勢になります。立ち姿がキレイになるんです。
あと、座って手の平をお尻の下に入れてみてください。手に当たる骨が坐骨です。坐骨がまっすぐに立つ位置で、坐骨の真ん中に座るのがいいんですね。坐骨より前で座っていると腰が反ってしまい、坐骨より後ろだと猫背になってしまいます。
また骨盤が右や左に傾いていると、片方の坐骨だけ浮いている感じがします。それを調整するためのエクササイズとして、電車の揺れが非常に使えます(笑)。シートに座った時に、両ひざをくっつけて坐骨をしっかりと立たせた状態で、電車の揺れに耐えているといいコアトレーニングになりますよ。
私は運動畑の人間なので、本当は「運動が一番」と言いたいところですが、健康を考えるのであれば「運動して痩せる」じゃないんですよ。食事で痩せたものが戻らないようにするのが、運動と捉えた方がいいと思います。
痩せたいと思っても、いらないものを体に入れてしまうと、その消化に酵素を持っていかれてエネルギーを消費しづらくなります。食事がちゃんとしてないと、やっぱりキレイにはなれないし、痩せられない。どんなに運動しても疲れが抜けない。私自身、何で食を学ぼうと思ったかというと、運動だけじゃどうにもならないことを知ったからなんですよね。
ところが食を勉強してみて、最終的にはメンタルが一番先だと思ったんです(笑)。自分が何をしたいのか、何のためにそれをしているのかを見つけられないと、食も運動も頑張れない。運動以外でも、なんでこの仕事をしているのかとか、なんでこの子と仲がいいのかとか、自分の心が整理できていないと、身になるものもないし成長もないと思うんです。
1.猫背改善 背筋エクササイズ
まずは背筋を鍛えるエクササイズです。
猫背を改善して美しい姿勢を保ち、肩こりも改善しましょう。
バスタオルを縦に半分、横に半分に折り、横長に巻いて準備します。
最初に、両手で下からタオルを肩幅くらいで掴み、手首を反らせ、ひじはまっすぐ伸ばします。
タオルを横に引っ張りながら、肩を後ろに引きます。
手首を反らせてタオルを横に引っ張ることで、ひじを曲げた時、背中の筋肉が内側に寄りやすくなります。
そして、ひじを曲げてグーっと肩甲骨を寄せて、戻します。
肩が前にある状態でひじを曲げると、力こぶの筋肉ばかり使ってしまうので、しっかり肩を後ろに引いてから、ひじを曲げ、肩甲骨の動きを意識して行いましょう。
片足を前に出して、タオルを引く時に体を前傾させると、肩を後ろに引きやすくなり、背中の筋肉も収縮しやすくなります。
息を吐きながらタオルを横に引っ張って、ひじを後ろに曲げ、ゆっくり戻します。
手首をしっかり反らして、タオルを横に引っ張り、肩を後ろに引いてから、ひじを曲げることで、美しい姿勢を保つ広背筋や菱形筋が鍛えられます。背中の引き締めにも効果的です。
これを5回程度繰り返しましょう。
足を入れ替えて同様に行います。
背中が丸くならないようにするための、背筋を鍛えるエクササイズです。
また、腕が前に来ることで頭が出て猫背になり、頭の重さが肩に乗って肩こりを引き起こすため、肩の位置が後ろに来る姿勢を保ち、肩こりも改善していきましょう。
2.巻き肩改善 胸筋ストレッチ
続けて、椅子に座った上半身のダイナミックストレッチで、さらに姿勢を改善しましょう。
背筋を伸ばして、椅子に浅く座り、肩幅より広めにタオルを掴みます。
両手を上げて、頭の後ろに手を持っていきます。
この時、胸・肩周りのストレッチを感じてください。
続けて、右のお尻を椅子の真ん中に、左足は後ろに伸ばします。
両腕は肩より後ろの位置を保ちます。
息を吸いながら、体の後ろにタオルを引っ張りながら手首は反らした状態で、ゆっくり体を右側に倒し、左胸、脇の下、体側を伸ばします。
左手と左足を遠くに離し、脇腹を伸ばすことを意識してください。
続けて、息を吐きながら、右斜め前に倒して、タオルを前遠くに引っ張り左側の背中を伸ばします。
そして、息を吸いながら戻して左側の胸を伸ばします。
呼吸を止めずに大きな呼吸で行ってください。
これを5回程度繰り返します。
反対側も同様に行います。
巻き肩で腕が前に来ている人は、胸の前の筋肉が硬いので、胸と前肩のストレッチが大事です。
胸を広げて巻き肩と猫背を予防・改善しましょう。
体を斜めに倒してキープすることで、脇腹の筋肉を使いウエストシェイプにもつながります。
3.もも裏とふくらはぎのストレッチ
次はもも裏とふくらはぎのストレッチです。
足のむくみを改善して美脚効果が期待できます。
バスタオルを縦に半分、さらに半分に折ってから、短い方を丸めていきます。
タオルをひざ裏に挟んで、正座の姿勢で踏みます。
踏んだ状態で体を横に揺らしてほぐしていきます。
片足30秒ずつ、ひざ裏・真ん中・足首の少し上の3か所に分けてほぐしていきます。
タオルの位置をふくらはぎの真ん中にずらして、同様に行います。
最後にふくらはぎの下側にずらして、行いましょう。
POINT
体重を後ろにかけた状態で横に揺れると、ほぐす力が強まり、よりマッサージ効果が高まります。
ご自身が心地いいと感じる強さで行ってみてください。
反対側も同様に行います。
もも裏やふくらはぎの筋肉が固まっていると、老廃物の流れが悪くなりむくみやすくなり、血流も滞って冷えにつながります。
また歩き方も悪くなり、腰痛などを引き起こす原因にもなります。
関節痛の予防や美脚づくりにも、足の筋肉の柔軟性は重要です。
体の巡りを促すこのストレッチは、お風呂に入る前に行っていただくのが特におすすめです。
4.胸と肩のストレッチ
次は、胸、前肩、力こぶの筋肉のストレッチと、背中のほぐしです。
上腕から肩、首、顔につながる筋肉がほぐれて、猫背の改善と顔のリフトアップにも効果的です。
丸めたタオルを後頭部から右肩甲骨の内側に沿って縦に入れて、仰向けに寝ます。
ひざは立てておきます。
タオルを入れている方の腕を斜め上に伸ばし、顔は伸ばした腕と反対に向けてタオルから下ろします。前肩や力こぶの筋肉の伸びを感じましょう。
タオルの高さを利用することで、普段伸ばしにくい、脇の下と力こぶの筋肉をストレッチします。
腕をゆっくり上げたり、下げたりしながら、しっかりと胸、肩、力こぶ周りの筋肉を伸ばします。
30秒程度繰り返します。
呼吸は大きくゆったり行っていきましょう。
続けて、両手は頭の後ろで組んで肩を床から離し、お尻を持ち上げたら、体を縦に揺らして肩甲骨の内側をほぐしていきます。
背中の表面の筋肉が柔らかく緩むと奥の筋肉もだんだん動きやすくなってきますので、優しくほぐしていきましょう。
30秒程度繰り返します。
反対も同様に行います。
力こぶの筋肉は、肩と首と顔につながっています。背中の筋肉も顔につながっています。
このストレッチを続けることで、顔のリフトアップも期待できます。
片側が終わった後に、口角の上がり方が左右で違っていると思いますので、ぜひチェックしてみてください。
胸周りと背中の筋肉が緩み、呼吸をした時に酸素が入りやすくなって深い呼吸ができるようになります。
呼吸が深まると緊張もほぐれるので、リフレッシュにもおすすめです。
5.下腹スッキリ 腹筋エクササイズ
最後は下腹を鍛える2つのエクササイズです。
ポッコリお腹を改善して姿勢の改善にもつながります。
腰に痛みがある方でも安全に行っていただけます。
仰向けに寝て、丸めたタオルをひざ裏に挟んだ状態で、ひざを持ち上げます。
両手はお尻の横に置いておきます。
そこからひざを胸に寄せて尾てい骨を床から離して止めましょう。ゆっくり戻します。
息を吐いてお尻を上げて、吸って戻します。
この腹筋は、腹直筋の下部に効いてきます。
これを10回程度繰り返します。
これを30回繰り返せるようになると、しっかり変化を感じられるくらいに腹筋がついてくると思います。
POINT上体を持ち上げる腹筋は、お腹の上側・みぞおちの辺りの筋肉を鍛えますが、下側のポッコリお腹には、あまり効果がありません。
気になるポッコリお腹は下半身を持ち上げるエクササイズでシェイプアップしましょう。
続けて、2つ目のエクササイズです。
バスタオルをひざにしっかり挟んで足を持ち上げます。
両手はお尻の横に置きます。
大きく息を吸いながら、ゆっくり足を下げて、つま先で床をタッチします。
下腹の筋肉は内ももを使うことによって、より使われやすくなりますので、しっかりタオルを挟みながら動かしてきましょう。
ゆっくり息を吐きながら、足を持ち上げ、さらに、尾てい骨が床から浮くところまでしっかりお尻を持ち上げてキープします。
ゆっくり丁寧に戻してつま先を床にタッチしましょう。
これを10回程度繰り返します。
NG
姿勢
下腹の筋肉が緩んでお腹が伸びると反り腰にもなりやすいので、骨盤をまっすぐに立たせて良い姿勢を保つためには、下腹部の腹筋を鍛えることが効果的です。
NG
姿勢
腹筋がなく間延びして骨盤が後傾したスウェイバックという姿勢になっている方も、この腹筋を鍛えるエクササイズで美しい姿勢を保つことができます。
年齢を重ねると、みぞおちから恥骨までの距離が伸びて、内臓が下に落ち、ポッコリお腹になるパターンが多いです。そこで、おへそと恥骨の距離を縮める下腹部の腹筋を鍛えるエクササイズが大事になってきます。
- 田中 咲百合 さん プロフィール
健康運動指導士、健康経営エキスパートアドバイザー、野菜ソムリエプロ、メンタルヘルスケアマネジメントラインケア2種3種。(株)ルメラキア代表。食事、メンタル、運動指導など、トータルで指導を行う健康教育のスペシャリスト。ワタナベエンターテイメントカレッジにて、ボディメイク、セルフプロデュース講師として7000人の指導に携わった経歴を持つ。健康指導専門家として、各地での講演・セミナー、テレビ出演など、多方面で活躍している。
著書『体型と体調がみるみる良くなる魔法の2分間!美トレ』(三笠書房/2022) ルメラキア 公式HP
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また実施する際は、ご自身で体調管理のうえ、無理をせず行ってください。
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