今回は、浴衣シリーズの第3弾!半幅帯を使った、簡単で大人っぽい帯の結び方を2つご紹介します。リバーシブルの帯で結ぶと、さらにおしゃれ度が上がる結び方です。時間もかからず簡単な結び方なのに、出来上がりは華やかでおすすめです。ぜひお試しください。
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[vol.1]浴衣の着付け! [vol.2]半幅帯「花文庫」
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[vol.3]半幅帯「リボン返し」 [vol.4]兵児帯「金魚草」
※ 周囲に障害物がなく、足元が安定した場所で行ってください。
今回の帯結びは、緩みにくくするというテーマで考えてみました。それが「体から引き離しながら締める」という方法です。これは意外とやっていない方が多いので、ぜひマスターしていただきたいですね。
帯を人に締めてもらうと、加減が分からずに締めすぎてしまうこともあるかもしれません。締める力加減を自分で調整できることも、自分で結ぶメリットですね。
2つ目のパタパタ結びは、帯締めを使うことでさらに胴回りを固定しています。帯締めを締める時も、やはり体から引き離して締めてみてください。リバーシブルの帯の方がやはり華やかさが出ます。また仕上げに、帯の前を折り返したり帯締めを加えたりしていますが、他にもドライフラワーなどの小さなお花を帯に挿すのも可愛いです。
帯締めは、夏用のものだと透け感があり涼しげな印象になります。ですが夏物でなくても、普段使いのものを自由に締めていいと思います。幅の細い三分紐であれば、季節を問わずお使いいただけ、帯留めを付けて使うのでアクセントになっていいですね。
大人の浴衣の着こなしは3つのポイントがあります。
1つ目は丈の長さです。くるぶしより上にすると、足が短く見えたり、子どもっぽく見えたりします。
2つ目は襟元。襟元を詰めて着ると、暑そうと思われるかもしれませんが、逆にすっきり見えます。だらしなく見えないように、のどのくぼみで襟を合わせて着ましょう。
最後は衣紋をしっかり抜くことです。うなじは女性の色気を出すところです。ここを開けないと男性の着方になり、また子どもっぽくなってしまいます。前の襟元をきっちり詰めて着るからこそ、後ろが開いていると涼しげな印象になります。大人の女性らしさを意識して着てほしいですね。
男性は荷物を少なめにするのがおすすめです。
例えば、長財布ではなく帯に挟めるぐらいの小さなお財布にするとすっきりまとまります。扇子を持つと一気に雰囲気が出てさらにおすすめです。男性の浴衣は、毎年あまり大きく色柄が変化しません。その分、1枚あれば長く着ていただけるので、キレイに保管して長く楽しんでいただきたいですね。
花火大会だけでなくステキな庭園を、ご家族やお友達と浴衣で歩くだけでも楽しいですし、インスタ映えもすると思いますよ(笑)。
生徒さんの中にも、娘さんと一緒に着物でディナーができてすごく楽しかったとか、それまでは洋服で行っていた花見に、着物で行ってみたら違う楽しさがあったとか。洋服を着ている時とは違うご自分を楽しまれていると感じます。普段はパンツスタイルが多い方も、和服になると自然と所作も変わってきます。もしかすると、しゃべり方も変わってくるかもしれません。笑う時も「ガハハ!」ではなくなったりして(笑)。
女性は小さい頃から変身願望があると思うんです。テレビアニメでも主人公の女の子が変身するものが、少なからずありますよね。着物はそれを叶えてくれるツールだと思います。 年齢に合った変身をすることで、いつもの自分とは違う自分に会えて、ときめきます。私は、女性がときめくことが今とても大事だと思っています。毎日、仕事・家事・子育てと同じことの繰り返しになりがちですし、感性は年齢とともに衰えていくそうです。着物を着ることで自分自身の五感が刺激されて、 感性が育つのではないかと思っています。
私自身は、もともと祖母と母の着物を目にする機会が多く、母は私の卒業式などには着物で来てくれた思い出があります。それで子どもの卒園式の時に、母のように着物でお祝いに華を添えてみたいと思ったのが、着付けを始めたきっかけです。 お祝いの席は案外限られているので、せっかくの機会に着物という選択肢を加えていただきたいですね。
また年齢とともに体型の変化を気にされる方は少なくないですが、一番体型をカバーできるのは着物ではないでしょうか。長く使える着物をひとつ手元に持っておけば、体型カバーになる服装として着たい時にいつでも着られますし、新たな楽しみになるのではないかと思います。
実家にお婆さまやお母さまの着物が眠っている方も結構いらっしゃると思います。着物の場合は、大きく背格好が違わなければ十分に着られるので、そうしたものもぜひ活用していただきたいです。
着物は難しいとか高いとか太って見えるとか、 マイナスのイメージを持たれやすいのですが、そういった思い込みを払拭しながら、着物の楽しみを伝えていけたらいいなと思っています。
半幅帯
「オリジナル帯結び」
まずは、オリジナルの帯結びをご紹介します。
アシンメトリーに仕上げることでモダンな印象になり、初心者の方にもおすすめです。
必要な道具
浴衣を着て、ベルト付きの帯板をお持ちの場合はここで取り付け、左脇に置いておきます。
帯の手先を半分に折り、輪を外にして左肩に掛けます。 帯板にかかるくらいの長さにします。
体の中央で、帯を帯板にクリップで留め、三角に広げます。
帯を体に2周巻きます。1周ずつしっかり締めましょう。
左脇から斜めに折り上げます。
中央のクリップを外し、手先を引き出して、どちらも輪が下になるように重ねます。
帯の上あたりでひと結びします。
★締める時は体から引き離しながら締めることが緩みにくくなるポイントです。
結び目が緩まないように手先を上からねじり右脇にクリップで留めておきます。
次に、タレの根本をしっかり開いて左右に羽根をつくっていきます。
左から大きい羽根、小さい羽根をつくります。
もう一度、左に小さい羽根を段違いにつくり、余ったタレは、右に垂らしておきます。
羽根全体に横2本ダーツを取っていきます。折り目が山・谷・山になります。
右脇に留めた手先のクリップを外し、手先で羽根の中央を上からくるむように締めていきます。
もう一度繰り返し、残った手先は垂らしておきます。
垂らした手先を裏にして開き、タレの余りと色が中表になる状態で合わせていきます。
合わせた2枚の帯の長さは揃っていなくても大丈夫です。
この2枚の帯に輪ゴムを通し、根元をしっかり留めます。
2枚の帯を開き、同じ向きに下ろしたら全体を整えます。
帯が崩れないように右袖を上げ、帯板と一緒に帯を右に回し、帯板が体の正面まで来たら一旦止めます。
今度は帯だけを回し、結び目を背中の中心に揃えます。★帯は左に回すと衿が崩れてしまうので必ず右に回しましょう。
★帯板がベルト付きでない場合、ここで2枚の帯の内側に差し込みます。
帯の前を少し折り返してアクセントをつけたら完成です。
半幅帯
「パタパタ結び&帯締めアレンジ」
次は、簡単でボリュームのあるパタパタ結びと帯締めのアレンジをご紹介します。
帯が緩みにくくなるポイントがいくつかありますのでぜひマスターしてください。
必要な道具
浴衣を着て、ベルト付きの帯板をお持ちの場合はここで取り付け、左脇に置いておきます。
帯の手先を半分に折り、輪を外にして左の肩に合わせます。
衿元と体の中央の帯板の2か所をクリップで留めておきます。
タレを三角に広げたら、体に巻いていきます。
帯を体に2周巻きます。1周ずつしっかり締めましょう。
左脇から斜めに折り上げます。
2か所のクリップを外し、手先を引き出して、どちらも輪が下になるように重ねます。
帯の上あたりでひと結びします。
★締める時は体から引き離しながら締めることが緩みにくくなるポイントです。
さらに結び目を固定するため手先をもう一度結び目にくぐらせます。
結び目が緩まないように手先を上からねじり右脇にクリップで留めておきます。
タレの根元を開き上下に羽根をつくっていきます。
帯の長さによって、つくれる羽根の数が変わってきますが、長めの帯なら5つくらいの羽根がつくれると思います。
羽根を結び目の下から通します。
右脇に留めた手先のクリップを外し、手先を開いて羽根のひとつにします。
引き出した羽根を下ろし、左右に広げて、全体を整えます。
帯締めを一番下にある羽根の輪の中に通し、背中で仮結びをしておきます。
★帯締めを使うことで帯結びが崩れにくく安定する効果があります。
帯が崩れないように右袖を上げ、帯板と一緒に帯を右に回し、帯板が体の正面まで来たら一旦止めます。
今度は帯だけを回し、結び目を背中の中心に揃えます。 ★帯は左に回すと衿が崩れてしまうので必ず右に回しましょう。
★帯板がベルト付きでない場合、ここで帯と帯の間に差し込みます。
帯締めを結び直します。左手の帯締めを上に重ねてひと結びし、しっかり締めます。
上の帯締めで輪をつくり、もう片方の帯締めの上で緩まないように押さえます。
下の帯締めを真上に持ち上げ、そのまま輪に通します。
両手で一気に引っ張ると緩むので、片方ずつ左右に引きながら締めます。
余った帯締めは、波型になるように上下交互に挟み込んだら完成です。
- 松本怜奈さん プロフィール
- きものカルチャー研究所認定 浦安教室。一級着付け講師・きものコンサルタント・着こなし一級、きものコーディネーター一級。一般企業に勤務し、女性管理職と2児の母として過ごす傍ら、祖母や母から譲り受けた着物を見ながら、「子どもの卒入学式に着物を着て出席したい」と強い思いが募り、きものカルチャー研究所個人着物教室へ通学。着物の知識や奥深さ、美しさに魅了され、15年勤めた会社を退職し「浦安教室」を開校。現在は少人数制の教室での指導や出張着付けだけでなく、着物モデルとしても活躍中。
「きもの和ルツ」ホームページ
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また実施する際は、ご自身で体調管理のうえ、無理をせず行ってください。
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