羽毛ふとんのパイオニア 東洋羽毛工業が提供する睡眠情報サイト
  • 東洋羽毛公式SNS|X(旧Twitter)
  • 東洋羽毛公式SNS|Instagram
  • 東洋羽毛公式チャンネル|youtube
美容と睡眠
コラム

美容コンサルタント美羽Miu

vol. 43交替制勤務(シフトワーク)でも健康を守る睡眠マネジメント法

出勤時間が日によって変動する「交替制勤務(シフトワーク)では、睡眠時間が不規則になり、心身に不調が起こりやすくなります。交替制勤務で健康を維持するために大切なのは、睡眠をマネジメントすることです。
この記事では、交替制勤務の方の睡眠マネジメント法を、分かりやすく解説します。

交替制勤務の睡眠はなぜ難しい?

交替制勤務の睡眠はなぜ難しい? 交替制勤務は、勤務時間が日によって変わるため、就寝時間や起床時間が一定になりません。「眠りたいのになかなか寝付けない」「ぐっすり眠れず、よく途中で目が覚める」といった悩みを抱える方も多いでしょう。

私たちの身体は、基本的に「日中は元気に活動し、夜間に睡眠をとる」ようにできています。「概日リズムサーカディアンリズム)」と呼ばれるこのリズムは、約1日周期でコントロールされているのですが、交替制勤務ではどうしても、このリズムが乱れてしまいます。

たとえば、夜勤後に日中に寝ようとしても、深い睡眠をとりにくくなります。また夜勤中で、何かに取り組んでいるときは大丈夫でも、落ち着いている時間帯に強い眠気が起こりやすくなります。

ここで大切にしたいのは、完璧な睡眠を目指すのではなく、睡眠の質を「より良く」保つ工夫をすること。「睡眠時間」を意識しすぎると、長く眠っているのに起きてからもぼーっとしたり身体がだるかったりしてしまうこともあります。生活リズムをできる範囲で整えて、睡眠の質を高めていきましょう。


少しの工夫で変わる!睡眠の質を高める方法

少しの工夫で変わる!睡眠の質を高める方法 まずは、夜にしっかり睡眠をとることが大切です。夜勤明けの日中に就寝する場合、カーテンを開けて部屋を明るくし、長く寝すぎないようにしましょう。日中に寝すぎてしまうと夜に眠れなくなってしまいます。

そして、夜はベッドに入る数時間前にはスマホやテレビの視聴を控え、落ち着いた気持ちで眠れるように工夫しましょう。軽いストレッチや読書など、自分がリラックスできる方法を取り入れるのもおすすめです。

仕事中の眠気が強い場合は、仮眠を取り入れてみてください。厚生労働省が発表した『健康づくりのための睡眠ガイド2023』(2024年2月公開)によれば、夜勤中の0~4時に開始する20~50分間の仮眠は眠気や仕事の効率を改善させることがわかっています。


できることから始めよう!無理なく続ける睡眠習慣

できることから始めよう!無理なく続ける睡眠習慣 睡眠には、「起きる時間」と「寝る時間」をできるだけずらさないことが有効であり、これは体内時計が一定のリズムで睡眠と覚醒をコントロールしているためです。しかし、交替制勤務では「毎日決まった時間に寝るのは無理」と感じる方も多いでしょう。

そこで大切になるのは、「できる範囲で」リズムを整えること。たとえば、夜勤・日勤で就寝時間や起床時間が異なる場合も、「寝る時間と起きる時間のズレを最小限にする」ことを意識するだけで、身体への負担を減らせます。

また、休日に「寝溜め」をすると、体内時計が再びズレてしまい、次の勤務日が余計につらくなります。理想的なのは、休日の寝坊を2時間以内に抑えること。どうしても眠気が強い場合は、起床時間を遅らせるのではなく、15〜20分の仮眠をとるほうがおすすめです。仮眠前にコーヒーを飲むと、ちょうど目覚める頃にカフェインの覚醒効果が現れ、すっきりと目覚められます(カフェインは摂取後しばらくの間体内に残るため、寝る6時間程度前からは摂取を控えましょう)。


仕事や生活に支障が出る場合は、早めに医療機関へ

交替制勤務において、完全に一定の睡眠スケジュールを維持するのは不可能です。しかし、「リズムのズレを最小限にする」という意識を持つことで、より快適な睡眠を手に入れることができます。

ただし、どれだけ工夫をしても、交替制勤務が睡眠の質や心身の健康に及ぼす影響を完全に避けることはできません。交代制勤務は人によって向き不向きがあり、朝型の人より夜型の人のほうが適応しやすいと言われています。

生活リズムの乱れは、深刻な睡眠障害につながるおそれもあります。日中の強い眠気や集中力の低下が続き、仕事や生活に支障が出ている際は、早めに医療機関を受診しましょう。




【監修】東京ベイ・浦安市川医療センター CEO / 医師 神山 潤 先生

睡眠、特にレム睡眠を脳機能評価手段の一つとして捉える臨床的な試みに長年取り組む。
旭川医科大学、UCLAでは睡眠の基礎研究に従事。米国から帰国後、日本の子どもたちの睡眠事情の実態(遅寝遅起き)に衝撃を受け、社会的啓発活動を開始している。


【主な著書】
・朝起きられない人のねむり学 一日24時間の賢い使い方
・眠りは脳と心の栄養! 睡眠がよくわかる事典 早起き・早寝で元気になれる
・睡眠で人生が劇的に変わる生体時計活性法 (講談社+α新書)
他多数