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東洋羽毛スペシャリストインタビューご活 の有名人
の方に睡眠と健康、ライフスタイルについてお聞きしました。

災害、防災に関心が集まっている今、住まいと街の安全のためにできることを伺いました。

(取材:2011.5)

まずは、私たちがすぐにできる災害への備えについて、教えていただけますか。

地震調査研究推進本部国土交通省 ハザードマップポータルサイト そうですね、日頃から心掛けておきたいのは、住んでいる地域に関する情報収集です。今回の震災で、災害時の情報の重要性を再認識した方も多いでしょうね。ここで大切なのは、発信元が分からない情報を信じてはダメ、ということです。災害に備える情報では、国やその外郭団体、各自治体などの情報を見てください。この種の情報は非常に充実しています。

例えば、阪神・淡路大震災後、政府は地震に関する調査研究を地震調査研究推進本部事務局で一元化して公表していて、そのうち、地震の評価と題したページでは、地震活動に関する最新情報を見ることができます。

それから、一言に災害といっても、地形や地盤、発災の条件などによって被害の様相が異なることも知っておきたいですね。例えば、関東大震災では火災による被害が大きかった。阪神・淡路大震災では建物倒壊による圧死、そして今回はまだ全貌は明らかになっていませんが、津波被害が甚大だったようです。

こうした地域ごとに異なる自然災害の被害を想定した地図をハザードマップといいますが、この地図を自治体ごとに検索できるのが国土交通省作成のハザードマップポータルサイトです。ここでは日本地図からハザードマップを公表している自治体を災害の種類、地方、都道府県から選択して市区町村ごとに検索できます。ご自分が住む自治体については、ぜひ一度見ておきましょう。

また、これとは別に各都道府県も、被害の想定や避難経路などに関する情報をホームページに掲載しています。今日はその一例をお持ちしましたので、参考になるサイトとともにリストでご紹介しますね。
[PDF] 防災に役立つ主な情報サイト一覧 

災害に備えるためにはどのような方法があるのですか?私たちの日々の暮らしの中で何か、できることはありますか?

もちろん、あります。自然災害は発生を防ぐことは難しく、予知にも限界がありますから、まずは災害に強い街を作ることが大事です。具体的には建物に倒壊、火災発生などの危険がある地域を再開発する、延焼を防ぐ公園や緑地を作る、避難しやすいように道幅を広げるなどで、主に行政が行っています。

次は被害を軽減する街作りで、ここに私たち一人ひとりが参加する余地がたくさんあります。自分の住まいや生活の見直し、災害時にどうするかを家族で話合うなど、各人の被害軽減は社会全体の被害軽減になりますし、暮らし方で街の被害を減らす貢献もできます。

その一例が緑化。阪神・淡路大震災時には神戸市長田区の大黒公園の楠が延焼を食い止めてくれましたし、倒壊しかかる建物を庭木が支える写真もありました。庭木はもちろん、鉢植えやプランターですら、その内部の土に含まれた水分があなたや隣人を火から守ってくれる力になりうるのです。

事前準備にも関わらず、災害が起こってしまった場合には復興させる力も必要です。東京都などいくつかの自治体ではあらかじめ復興プランを作り、そこから現状の防災対策を見直すようなやり方も行われています。備えること、被害を軽減させる努力をすること、復興させることなど、防災は多面的に考える必要がありますね。

こうした、さまざまな防災対策を時系列ではなく、誰が主体になるかという観点で見た場合には「公助、共助、自助」という言い方があります。最初の「公助」は国や自治体が行う都市計画、防災対策などを指し、公が助けてくれる、やってくれるものと思えばよいでしょう。「自助」は自らを助ける、自分でできることは自分でやろう。そして、真ん中にある「共助」がこれからの災害対策では大事なのではないかと私は思っています。

共助、共に助け合うということですね。この力を強くするために私たちにできることはなんでしょう?

今、行われている寄付や節電なども「共助」のひとつの形ですが、災害は遠くで起きるものではなく、いずれ自分の足元でも起きる可能性があります。そう考えると、被災地支援はもちろん、自分たちの生活の中での助け合いを見直してみることも大事でしょう。

そのひとつが、隣近所とのコミュニケーションです。勤務先や外出先で帰宅困難となってしまった時、親族以外で自宅や学校で待っている子どもをケアしてくれるのはご近所の友人、知り合いでしょう。被災地でも不明者にまず気づいてくれたのはご近所の方だったというケースが多く報告されています。誰にも気づかれず、時間が過ぎていくのは、どれだけ怖いことでしょう。そう考えると、過剰にならない範囲でのご近所づきあいは、ある意味で「自分にとってのリスクマネジメント」でもあると思うんです。

実は今回の震災後、私自身、ご近所のお年寄りとのコミュニケーションを意識的に増やすようになりました。情報源の大半がテレビという場合、衝撃的な映像に強いショック、不安を感じている方もいらっしゃる様子。そんな方にちょっとお声をかけたり、笑顔で挨拶することは、将来の「共助」につながる、自分に今できることのひとつだろうと思います。

正確な情報を知り、各人ができる備えをし、助け合うことが防災につながるのですね。それ以外に日常生活で心がけたいことはありますか?

一人ひとりが健康であろうとする心がけは社会のためにも大事それはなんといっても自分の健康維持。家族でも、誰か一人が風邪をひくと、家族全員がダウンしてしまうことってありますね、社会でも同じことが起こります。一人ひとりが健康であろうとする心がけは社会のためにも大事です。それに体に痛みや不調を抱えていると、なかなか笑顔にはなれません。笑顔が、家族やご近所で不安や孤独を感じている誰かを幸せにすると思えば、笑顔はそれだけで大きな社会貢献です。睡眠や食事に気をつけられる状況にあるなら、自分と家族のために日々、良い眠りと食事を心がけてください。

自分でできる防災として緑化の例を挙げましたが、きれいな庭は延焼防止以外にも効果があります。花を眺めるために人の目が増えれば、不審者が入り込みにくく、防犯につながりますし、花をきっかけにご近所さんと話す機会が増えれば、災害時にも「あのお宅はどうなさったかしら?」ということにも。住まいや街の美化と防災、防犯、住み心地は実は根っこのところでつながっているんです。笑顔が返ってくる喜びのように、挨拶や街の美化も、いろんな人を経由していつか自分に戻ってくるもの。そう思うと、自然に無理なく、続けられるのではないでしょうか。

前回の紬とは雰囲気の違う、春らしい柔らかい色目の着物で登場の中川さん。聞けば闘病中の先輩から譲り受けた着物だそうで、「頑張っている先輩を想って、私も頑張りたいので」とおっしゃっていた言葉が印象的でした。色々な情報だけでなく、私たち一人一人が日頃からできることについてのアドバイスをどうも有難うございました。

【プロフィール】 住まい選びアドバイザー/中川寛子さん
住宅を中心とした編集業務、セミナーなどを通じて、住まいのあり方、買い方、街選びや暮らしについて提案を行う㈱東京情報堂代表、住まい選びアドバイザー。20代後半に難病を得たことから住まいと健康、美容の関係を個人的なテーマとしても考え続けている。

住まい選びアドバイザー/中川寛子さん