Q1 まだまだ暑い、今の時期にすぐに取り入れられるアイテムは?
A1 アラフォー世代におすすめなのはリネンを使ったアイテム
ここ数年、夏になると必ず登場するのがリネン系のアイテム。若い子には着こなしが難しいリネンの質感こそ、30代以上の大人の女性をよりエレガントに自分を見せることのできるアイテムです。軽やかで風通しも良く実用的です。
薄手のジャケットやオフホワイトのパンツなどを合わせると、見た目にもきちんと感が出て、オフィスやアフター5にも合います。今年のトレンド感を出したいなら、シフォンなどを合わせると、フワッとした質感が見た目にも軽くて涼やかな印象を与えます。これから買い足すなら、ぜひリネンを!
Q2 今年の秋冬のトレンドは何?
A2 キーワードは「クラシック」。1920年代風がトレンド
アイテム的に言うとペプラムというウエストから下がすそ広がりになったディテールのアイテムや、レース素材、ちょっとかわいい感じのチェック柄などが出ています。
アクセサリーは、春~夏はつけ襟が若い女性の間ではやっていましたが、その流れで秋冬はボリューム感のあるアクセサリーが出ています。それを襟元のつまったアイテムに重ねてつけたりするのが秋冬のトレンドです。
ベーシックカラーは黒。差し色として秋は少し淡いピンクやミントグリーン、初冬になってくるとボルドーや深めのグリーンが多いですね。今年のトレンドは全体的にどちらかというとちょっとシックというか、クラシカルな感じが多いので、アラフォーの方にも取り入れやすいのではないでしょうか。
取り入れるときには、自分が持っている服にそのカラーが合うかどうかもよく考えてみましょう。
たとえば手持ちのアイテムに黒が多い方はグリーンの服を合わせると、とても品良くまとまりますが、ベージュ系の服が多い方がグリーンのアイテムをプラスするのは難易度が高いかもしれません。そのへんは自分の持っている服とのコーディネートをよく考えてチョイスすることが大切になってきますね。
Vol.1 気になるアイテムを見つけたら、手持ちの服と合うかどうかコーディネートを考えてみて
アラフォーの方からよく聞く悩みとして、「ショップなどでボディが着てる服を気に入って買っても、違うコーディネートが思いつかない」と言われるんですね。そうなると、おしゃれがあまり楽しめないのかなあと思うんです。やっぱりいくつになってもおしゃれを楽しんで欲しいし、できればトレンド感も取り入れて欲しいし。
そこで提案ですが、気になるキーワード、例えば今年なら「レースが気になる」という方は、レースを取り入れたファッションが提案されている雑誌などをパラパラと眺めてみるといいと思います。なんとなく見ていると、お気に入りのコーディネートや参考になる着こなし方が提案してあったり、配色が勉強できるページがあったりするので、それを参考にしながら、今度は自分の手持ちのアイテムだったらどういうコーディネートができるかを考えてみます。
もし3パターンくらいコーディネートが思いつくようなら、そのアイテムは購入していいと思うんですね。
まず、想像してみる。イメージしてみる。それをしないと、いいなと思って買ったものの、全然着回せないとか、手持ちの服に合わなくて結局タグがついたまま、ということになりかねないので、ぜひ洋服を購入するときにそこを意識してみてください。
もうひとつ、レースのトップスが欲しいなと思ったら、たとえば友達とランチのときにはクロップドパンツを合わせよう…とか、子どもと公園に行くときにはボトムはデニムかな?とか、自分のライフスタイルの中で、そのアイテムの出番があるかどうかをシチュエーションから考えてみる、そのくせをつけると買い物に失敗しなくなる気がします。
Vol.2 流行を取り入れるなら、小物やアクセサリーを上手に利用して
小物で今年感を出すなら、アクセサリーはシンプルシックよりも、デコラティブなもの、つけ襟にかわるようなボリューム感のあるネックレスなどもおすすめです。
ストールならクラッシックな千鳥格子やチェックなどの柄ものを取り入れると、それをプラスするだけで今年風のおしゃれが楽しめると思います。
Vol.3 欠点を気にして隠すことばかり考えないで、自分のいいところを活かすおしゃれをして
素敵な格好をしているときは周りの人が「今日かわいいね」とか「似合ってるね」と言葉をかけてくれると思うんです。ですから、褒められたたときのファッションを覚えておくといいですよ。
誰でもアラフォーを過ぎる頃から、だんだんとたるみや体形の変化などが気になり始めると思います。でも自分のきれいな部分やアピールできる部分もきっとあると思うんです。
たとえば二の腕は気になるけど、手首や手は細くてきれいだとほめられるとか、腰まわりにはお肉がついてきたけど、膝から下は細くてきれいと言われるとか。
年齢的には若いときのような肌見せはできないけれど、部分部分で効果的に見せることはできると思います。
ファッション用語でよく「抜け感」という言葉を使いますが、全部を隠してしまうと重たくなってもったりした感じに見えてしまうけど、どこか1カ所、たとえばシャツを着たときなどはデコルテまわりを出してすっきりとみせるなど、抜けている部分をどこかに作ることですごく垢ぬけて見えたりするものです。
今年の秋冬はわりとコンシャスなシルエットのものが復活してきているのですが、ソフトコンシャスと呼ばれていて、ぴったりフィットしたものより、より体のラインをきれいに出してくれる、細めだけれど少しゆったりとしたデザインやシルエットのものが主流になっているので、チェックしてみるといいですよ。
Vol.4 コーディネートの最後のチェックは全体のバランスを見て
最後にチェックしたいのは、服の丈のバランスです。
チュニックやカーディガンなども一歩丈を間違うと隠すことが第一優先になってしまい、逆に太って見えてしまうこともあるので注意が必要です。できれば玄関先に全体が映る鏡を置いて、靴をはいた状態でトータルバランスを見られるといいですね。
また隠すことが優先になってしまって、チュニックの下にタートルネックを重ね、さらにボトムにはデニムをはいたりしている方もいますが、重ね過ぎももったりしてしまい、かえって太って見えます。
とくにデニムはバギーがはやったり、ストーンウオッシュがはやったり、スキニーが主流になったりと意外と時代に左右されるので、丈や素材、形に気をつけたほうがいいアイテムといえるかもしれません。
- 【プロフィール】 亀 恭子/スタイリスト
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短大卒業後、OL生活を経て女性ファッション誌『CanCam』でスタイリストとして鮮烈デビュー。ベーシックなスタイルにトレンドをうまく取り入れたスタイリングが好評。現在は『Ane-Can』に活動の場を移し、押切もえや蛯原友理など人気モデルのスタイリングも手掛け、モデルからの支持も高い。また自身も美人スタイリストとしてトークショーやテレビ、広告出演などで幅広く活躍中。
(取材:2012.8)