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東洋羽毛スペシャリストインタビューご活 の有名人
の方に睡眠と健康、ライフスタイルについてお聞きしました。

ボーダー柄のシャツとおしゃれなメガネ、優しい語り口が印象的なフードスタイリストのマロンさん。

テレビの料理番組や雑誌・書籍、イベントでもたびたび見かけるそのユニークなお名前の由来は、若い頃、前髪がツンツン立っていて、まるで”イガ栗”みたいだったからとか。

おいしく、センスよく、楽しく料理を作るマロンさんの独自の美意識とこだわりは、料理以外のライフスタイルにも存分に発揮されています。料理から広がる表現者としての夢、人生を豊かに美しく過ごすヒントを語っていただきました。
(取材:2010.5)

昨年『マロンの弁当男子!』(PHP研究所)という料理本を出版されましたね。

フードスタイリスト マロンさん僕は子どもの頃からよく料理を作っていましたから、やっとこういう時代が来たのね、ちょっと遅かったんじゃな~い?という感じです(笑)。

本の中では、お弁当作りに役立つヒントを「マロン流 弁当男子のお約束5か条」として紹介しています。

休日の1時間でメインのおかず1週間分を作ってストックしておいて、忙しい朝は、マンネリにならないよう、ソースをかけたり、炒めたりして、アレンジする・・・。これなら誰でも手軽に始められるでしょ?

僕自身、子どもの頃から、おままごとや料理が大好き! 高校生の時にはオーブンレンジを買ってもらって、耐熱の大皿でグラタン料理なんかを作ってましたね。

その頃、僕が育った九州では「男子厨房に入るべからず」というので、親戚のオバチャンたちから「男の子は台所に入っちゃだめ」って言われたりしましたけど、両親や祖母は僕の作る料理を「おいしい、おいしい」って、いつも喜んで食べてくれました。

辻調理師専門学校をトップの成績で卒業し、日本初のフードスタイリストとして30年近く活躍してこられましたが・・・

高校時代から雑誌の料理グラビアをよく見ていたので、最初は雑誌の仕事がしたかったんですね。

それで撮影スタッフとして、料理研究家やシェフの方たちとお仕事をしているうちに、人の料理より、自分をプロデュースした、自分を表現したいと思うようになってきたんです(笑)。

料理を作って、お皿に盛り込んで、一つの世界を作りたい! オーバーに言えば宇宙・・・ね(笑)。”作る”だけでなく、”見せる”だけでもなく、シェフでも、シュフ(主婦)でも、職人でもない、自分にしか出来ないことをしたい、と。

料理は僕にとって、今でも”おままごと遊び”。 仕事とは思ってないかも・・・。「料理を作って、見てもらいたい、喜んでもらいたい」っていう気持ちです。料理を作る時、大事にしているのは「美味しい」という言葉、つまり「美しく味わう」っていうこと。

食べる相手を思って作る、誰かと食べたい・・・それって大切じゃないですか? 僕の残りの人生を好きな誰と食べるのか・・・すごく重要だと思うし。でも素敵な人と食べるのは週末だけでいいですね。毎日だと飽きちゃうし、ネタも尽きるもの(笑)。

料理を作る人へアドバイスをいただけますか。

『マロンの弁当男子!』にも書いたんですが、料理はイメージがとっても大事。

お弁当だったら、どんなイメージのお弁当にしたいのか、お弁当箱に詰める前にイメージを先行させるとスムーズにいきます。

例えば「南国リゾート風」とか「給料日前」とか・・・。テーマを明確に思い描くことが第一歩。だから僕は「イメージしなさい」って、しょっちゅう言ってるんです。

それから、料理は味覚、聴覚、視覚、嗅覚、触覚の五感すべてを使うじゃないですか。その五感をフルに使える状態にするためには、頭の中だけで考えるんじゃなくて、実際に料理を作らないと・・・。料理を作るプロセスを楽しみながら、いろんなことを感じて欲しいですね。

多忙なマロンさんのお薦めリフレッシュ法を教えてください。また、健康面で気を付けていることがありますか?

お風呂にゆったり浸かること。 とくに朝はまず20分くらいお風呂に入って、頭の中の整理をするんです。それをやることによって1日が変わります。仕事のいいアイディアが浮かぶのもこの時間ですし・・・。いつも人に囲まれているので、逆にひとりでいる時間を大切にして、楽しんでます。

お風呂では朝はシトラス系、夜はミルク系の香りを使うことが多いですね。入浴剤もオイルタイプ、ミルクタイプ、ソルトの3つが基本で、たまに「日本の名湯」みたいなものも・・・。 「今日は疲れていて、オイル系はきつ過ぎるからやめておこう」とか、その時々の気分で変えるのがお薦め。「面倒だからいつもと同じ入浴剤でいいや」っていうのはダメよ!(笑)。

それから、眠る時には枕が高過ぎないよう気を付けています。 いいホテルのふわふわした新品みたいなタオルの肌触りが好きなので、ホテルに泊まる時にはバスタオルを枕にすることもあります。若い時から羽毛ふとんやウォーターベッドを試していますが、どこでも寝られますし、寝つきもいいの(笑)。

食生活では、水をたくさん飲みますね。 おいしいお水が大好き! とくに夏場は発泡性のものを冷蔵庫に入れておいてよく飲みます。お酒も大好きなんですが、合間に水を飲みながらお酒を飲むと、お酒がよりおいしくなるし、あまり回らない。でもよくお酒の飲み過ぎでダウンしたこともありましたね(笑)・・・。そんな時にも水分をたくさん取りますね。

あと、ハーブティーも好きです。 ティーバッグでもいいのでローズヒップやレモングラス、ミント系などをよく飲みます。

ほかには、歩く時に意識して早足で歩くようにしていますね。タクシーにもよく乗りますが、歩く時はすっごく速い。付いて来られない人が結構います(笑)。

お仕事以外での楽しみは何ですか?

歌です!
「マロンが歌えば、料理も踊る」。
これは、作曲家の三枝成彰さんが団長で、政財界の方や文化人などが参加している六本木男声合唱団倶楽部のパンフレットに、亡くなられたコピーライターの眞木準さんが書いてくださった僕の紹介文。素敵でしょ? これぞマロン!(笑)。

先日もマエストロの小林研一郎さんにお遊びで歌のプライベートレッスンをしていただきました。歌のレパートリーは演歌からシャンソンまで! オーケストラをバックに、料理を作って歌うとか(笑)・・・。大好きな料理と歌がひとつに融合するようなことをするのが夢です。歌でも自己表現をしてみたいですね。

50歳になって今が一番楽しいかも(笑)・・・。

若い時は背伸びをして無駄遣いも贅沢も随分しましたけど、今はいい意味で力が抜けて、素直になれる自分がいますね。

「マロンは引き出しをいっぱい持ってるね」ってよく言われますけど、引き出しをいっぱい持っていても整理しておかないと必要なものがパッと出てこないじゃない? 今までは引き出しに入れっ放しだったけど、これからは引き出しを整理していきたい。生きているといろいろなものが降りかかってくるし、めんどうなことがいっぱい。これをどうスッキリさせるか、ですね。

60歳になった時に”ピンクのカーディガンが似合うマロンちゃん”でいたいですね。もちろんカーディガンの下には洗いざらしの色褪せたボーダーよ!(笑)

『一皿一笑』。出会いの数だけおいしさがあり、笑顔の数だけ料理がある・・・いい言葉でしょ、僕が造ったの、と言ってにっこり微笑んだマロンさん。場をなごませるユーモアあふれる語らいからは、しなやかな知性と、人との出会いを大切にする誠実さがあふれ出ていました。

【プロフィール】 フードスタイリスト / マロンさん
1959年長崎県生まれ、佐賀県育ち。大阪あべの辻調理師専門学校卒業後、料理研究家、インテリアスタイリストのアシスタントを経て、1983年、日本のフードスタイリスト第1号として独立。料理を通したさまざまな活動を行っているほか、その個性的なライフスタイルで幅広い年齢層からの支持を受けている。

著書は『マロンのお弁当コーディネート』(高橋書店)、『飛田和緒&マロンのボルドーワイン×料理BOOK』(共著、オレンジページ)、『パスタでごはん』(西東社)など多数。本名、板井典夫。