今回は、寝る前10分の腸活ヨガをご紹介します。腸内環境を整えて便秘を改善することで、免疫力を高める効果が期待できます。また腹式呼吸によって自律神経のバランスが整うことも、免疫力向上につながります。さらに、お肌のターンオーバーは睡眠中に活性化しますので、夜寝る前に体を整えることは美肌づくりにも効果的です。呼吸を意識しながらリラックスして行っていきましょう。
※ 周囲に障害物がなく、足元が安定した場所で行ってください。
腸内環境を整えることが免疫力アップにつながる理由は、免疫細胞の約7割が腸に存在していて、腸の働きが免疫細胞の働きに直結すると言われているからです。腸が働きやすいバランスの取れた環境を保つために、運動や食事、ストレスを溜めない体づくりが必要だと考えられています。
一方、便秘などで腸内環境のバランスが崩れると有害物質が生成されます。本来であれば、老廃物として体内を回って自然に排出されていくのですが、処理しきれない老廃物が表面に現れてきます。それが肌荒れです。ですから、腸内環境を整えることは、肌トラブルの予防になり、美肌を保つためには腸の働きを整える必要があると言えます。
普段、座りっぱなしで仕事をしている方や猫背の方は、姿勢が丸まってお腹が潰れた状態になっているかもしれません。すると内臓も働きにくい状態になってしまいますので、お腹を動かして伸ばしてあげることは、とても大切だと思います。
今回のメニューは、腹式呼吸を非常に意識しています。腹式呼吸は副交感神経を優位にする呼吸法です。副交感神経が優位になると、体がリラックスしてお腹が働きやすい状態になります。また、消化器官が活発になることで、消化吸収の促進や便秘の改善が期待できます。さらに、リラックス状態は睡眠準備が整った状態とも言えるので、入眠の助けにもなると思います。
緊張すると呼吸が浅くなるなど、ストレス状態は呼吸に現れます。逆に呼吸を深く行うことで、ストレス状態を軽減させる効果が期待できます。心臓の動きを自分で変えることができないように、自律神経は自分ではコントロールできないものですが、唯一呼吸だけは自分で意識して行うことができます。ぜひ呼吸を活用してほしいですね。私も眠れない時は、羊を数える代わりに(笑)腹式呼吸を繰り返すようにしています。
食生活も腸活には大切です。私はなるべく、加工食品ではなく、素材そのものを摂るように心がけています。例えばお野菜であれば、お野菜そのものの形が見えるものを食べるようにしています。そしてしっかり咀嚼する。噛む段階から、お腹に物を入れる準備をすることも、腸活のひとつだと思います。
また以前、専門医から、利尿作用がある飲み物は水分が尿として出てしまい、便に水分がいかず便が硬くなり、出にくくなってしまうと言われたことがあるんです。それ以来、便秘が気になる時は、緑茶やコーヒーなど利尿作用のある飲み物を控えるようにしています。
腸活ヨガのクラスを行っていると、レッスン中にお腹がゴロゴロ言う方や、途中でおトイレに行く方もいらっしゃいます。一方で、実は毎日お通じがないのに、それが当たり前になっていて便秘の自覚がない方もいらっしゃいます。そうした方は、腸活ヨガを通じてご自身の状態を知って、“便秘じゃない体”っていいかもと(笑)、後から気づかれることもありますね。
メニューを行う際、まずは体を温めましょう。腹巻をつけたり、お風呂で温まったり、室内を温めておくことも大切ですね。リラックスして体を緩ませやすい環境をつくりましょう。照明を少し落としたり、アロマがお好きな方であればお好みの香りを焚くのもいいですね。
反対に、食後すぐは避けてください。2~3時間空けられれば十分ですが、そこまでの時間が取れない場合は刺激を強くしすぎないこと。また、頑張りすぎてしまいがちなので、やりすぎにも注意です。
今回のメニューは、夜に行っていただくことを想定していますので、朝や日中に行う場合は、メニューの最後に、伸びをしたり体を軽くポンポン叩いたり、体を目覚めさせるような動作を加えてみてください。
もし腹式呼吸自体が、難しい、やりにくいと感じた方は、仰向けだとやりやすいと思います。その時は、お腹に手を当てて、手を押し返すように膨らませたり、凹ませたりすることを意識してみてください。まずは呼吸だけでもいいので、毎日続けていただければと思います。
1.腹式呼吸
まずは、手当てと腹式呼吸で副交感神経を優位にし、リラックスしやすい状態をつくりましょう。
あぐらになります。
片手をおへその上、片手を背中に軽く当てます。
鼻からゆっくり息を吸って、4カウントを目安に、お腹と背中を膨らませます。
鼻から息を吐いて、お腹を凹ませます。
何度か繰り返しましょう。
肩や体に力が入らいないようにゆったりと呼吸し、お腹と背中が、膨らんだり凹んだりしていることを手の平で感じましょう。腹式呼吸でお腹を大きく動かして、腸をマッサージするように呼吸をします。
呼吸を深くすることで副交感神経が優位になり、リラックスしていきます。
この後のメニューも、この呼吸法で行ってきましょう。
2.お腹を刺激する前屈
次は、前屈をしながらお腹を刺激していきます。
長座になり、ひざを立てて、両手をグーかパーにして下腹部に当て、ももとの間に挟みます。
一度息を吸って背筋を伸ばして、ゆっくり息を吐きながら前屈しましょう。
そのまま深く3呼吸します。
鼻から息を吸って、お腹で手を押し返すようなイメージで、大きくお腹を膨らませます。
鼻から息を吐いて、お腹を凹ませて、手とお腹の間に隙間をつくります。
背中に力が入らないようにリラックスして行いましょう。
お腹を意識的に動かすことで、腸内環境を整えます。
腹式呼吸が内臓を刺激して、腸の活動を促進させます。また血液とリンパの流れも良くなり、免疫力アップにつながります。
3.ねじりのポーズ
次は、便秘の改善につながる、ねじりのポーズです。
長座になり、左ひざを立てて足先は右足の外側に置き、右手でひざを抱え、左手は体の後ろにつきます。
一度息を吸って背筋を伸ばして、吐きながら真後ろを見るように体をねじります。
そのまま深く3呼吸します。
鼻から息を吸って、お腹と背中を大きく膨らませます。
鼻から息を吐いて、お腹を凹ませ、細くしていきましょう。
反対側も同様に行います。
伸ばしている足のひざが曲がってしまっても大丈夫です。背中が丸まらないように行いましょう。
腸内環境を整えることで、お肌のターンオーバーを促進し、肌トラブルを防いで、美肌づくりにも効果的です。
4.三日月のねじりのポーズ
次は、ねじりを深めて、さらに腸を刺激していきましょう。
ひざ立ちの姿勢から、左足を一歩前に出し、両手は頭の後ろで組みます。
一度息を吸って背筋を伸ばして、吐きながら左から真後ろを見るように体をねじります。
そのまま深く3呼吸します。
鼻から息を吸って、お腹と背中を大きく膨らませます。
鼻から息を吐いて、お腹を凹ませ、細くしていきましょう。
反対も同様に行います。
肩や顔に力が入らないように注意しましょう。
この動きは、腸だけでなく全身の血液とリンパの流れをよくして体を温め、体温を上げることで免疫力アップにつながります。
5.体の前面のストレッチ
次は、お腹を伸ばして腸が働きやすい環境づくりを目指します。
正座になり、両手を後ろにつきます。肩の下に手首がくるか、少し後ろでも大丈夫です。
お腹を持ち上げて、体の前側をしっかり伸ばします。
そのまま深く3呼吸します。
息を吸って、お腹を大きく膨らませます。
息を吐いて、お腹をしっかり凹ませます。
お腹の動きを意識して、呼吸を繰り返しましょう。
呼吸が終わったら、ゆっくりお尻を下ろします。
腸内環境が整うと代謝が上がりやすくなり、冷え、むくみの改善や、痩せやすい体づくりにもつながります。
6.ガス抜きのポーズ
最後は、ガス抜きのポーズです。
仰向けになり、ひざを抱えます。
手の位置は、ももでも大丈夫です。
そのまま深く3呼吸します。
息を吸って、力を緩めてお腹を膨らませます。お腹が膨らんだ分だけ、足が遠くにいく感覚を意識してください。
息を吐いて、お腹を凹ませます。お腹が凹んだ分だけ、足をお腹に引き寄せます。
お腹の動きに注目して行いましょう。
呼吸が終わったら、ゆっくり足を下ろして、リラックスします。
深い呼吸で自律神経のバランスを整えます。
- 小野田貴代さん プロフィール
ヨガインストラクター、ベビーマッサージインストラクター、ラジオパーソナリティー。学生時代にヨガに出会い、ヨガインストラクター養成講師を経て現在はオンラインを中心に活動。誰もが取り組みやすい、日常に活かすヨガを幅広く伝えている。CM等のメディア監修や健康コラム執筆、 FMラジオパーソナリティーとしても活動。初心者から自分のペースで楽しめる「たかヨガ」もYouTubeで配信中。
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