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骨盤底筋トレーニング ~尿もれ・ポッコリお腹・腰痛・姿勢の改善~ 理学療法士 半田瞳さん

今回は、尿もれやぽっこりお腹、腰痛、姿勢の改善に効果的な、骨盤底筋を鍛えるトレーニングをご紹介します。40代以降から女性ホルモンが減少して起こるトラブルや、更年期症状の予防・改善にもつながります。また、毎日継続することで効果が期待できますので、ぜひ続けてみてください。

骨盤底筋トレーニング 尿もれ・ポッコリお腹・腰痛・姿勢の改善 理学療法士 半田瞳さん

※ 周囲に障害物がなく、足元が安定した場所で行ってください。

骨盤底筋の3つの役割

骨盤底筋の3つの役割骨盤底筋の役割は、大きく分けて3つあります。1つ目は、尿や便の排泄をコントロールすること。2つ目は、体幹の安定性に関与している。3つ目は、性機能に関与していると言われています。

一般的に中高年になると筋肉量が落ちてきますが、特に女性はエストロゲンが減って筋肉がつくれなくなり筋力低下が起こってきます。尿道を締めるのも骨盤底筋ですし、尿道を支えているのも骨盤底筋なので、筋力が低下するとどちらも弱くなってしまいます。すると尿や便をコントロールできなくなって、咳やくしゃみをした時にちょっともれてしまうといったことになります。産後の方も、便やおならを我慢できないような症状が出ることがあります。

また体幹が不安定になるので、下腹が出たり、腰痛になることがあります。あとは性機能にも関与しているので、女性でしたら性交時の痛みなどの症状が出てきたりします。

40歳以降の男性も尿もれに注意

40歳以降の男性も尿もれに注意女性は骨盤底筋に穴が3つあって、尿道と膣と直腸につながっています。一方男性は、膣がないので穴が2つしかありません。そのため女性の方が、構造的に骨盤底筋が弱く、尿もれなども起こりやすいと言われています。とは言え、男性も骨盤底筋が弱くなると、尿もれなどになるケースがあります。

また男性は、尿道に前立腺というものが付いていて、だいたい40歳を過ぎてくると肥大してきて、おしっこが出にくいといった症状が出てくるんですね。

それで前立腺を小さくするとか、前立腺を取ってしまうという処置をすると、今度は尿もれの症状が出てきやすくなります。前立腺がんで前立腺を摘出してしまった方にも、多いかなと思います。 そうした男性も、骨盤底筋トレーニングで改善したという報告があるので、取り入れてみていただきたいです。

骨盤底筋を収縮できているかセルフチェック♪

骨盤底筋を収縮できているかセルフチェック 骨盤底筋を収縮する感覚が分からない方のために、セルフチェックの方法をご紹介します。会陰(女性は肛門と膣の間、男性は肛門と陰嚢根部の間)に指を当てて、おしっこを我慢するように力を入れてみてください。正しく収縮できていると、会陰が指から離れて骨盤の中に入っていくような感覚があります。反対に、指が押されている感覚になったら、それは力を入れる場所が違っています。まずはリラックスして、吐く息に合わせて行うことがコツです。

間違った収縮の仕方のまま骨盤底筋トレーニングをしても、意味がない上に骨盤がダメージを負ってしまう可能性があるので、トレーニングを始める前にチェック間違った収縮の仕方のまま骨盤底筋トレーニングをしても、意味がない上に、骨盤がダメージを負ってしまう可能性があるので、ご紹介しているトレーニングを始める前に、ぜひチェックしてみてください。

今回のメニューでは、最初に筋膜ケアを行っていますが、筋膜は筋肉の10倍もの感覚受容器が含まれていると報告されているんですね。なので、骨盤底筋の収縮が分かりにくい方などは、筋膜ケアをすることで骨盤底筋の収縮感覚が得られやすくなります。

正しく収縮させるためには、リラックスが大事

正しく収縮させるためには、リラックスが大事 トレーニングの前に、腹式呼吸をしていただくこともおすすめします。4秒で吸って、6秒で吐くぐらいの呼吸を1~2分行ってみてください。骨盤底筋は横隔膜と一緒に動くので、呼吸が浅くて早い状態で行っても、骨盤底筋がしっかり収縮できないんですね。なので落ち着いた呼吸で、横隔膜がしっかり動く状態で骨盤底筋を動かすと、より効果的に鍛えられます。ソフトに鼻呼吸を行うことで、筋肉の収縮力自体もアップすると言われているので、日常生活においても、ゆっくり呼吸をすることはおすすめです。

日常生活でいえば、椅子に座っている時とかキッチンでお野菜を切っている時とか(笑)にも、骨盤底筋を締めたり緩めたりしていただくといいと思います。

その時は、2パターンやっていただきたいです。まずは1秒収縮させて1秒リラックスする早い収縮。それと5秒ぐらい持続的に収縮して、5秒休んで、また5秒収縮させるという、ゆっくり持続的な収縮。この2種類できたらよりいいかなと思います。

みなさん収縮しなきゃ!締めなきゃ!って頑張るんですが、実は緩んでないから締められないという人もいます。なので、しっかり収縮させたら、意識的にリラックスすることもとっても大事です。

実践!骨盤底筋トレーニング

筋膜ケア

まず、骨盤底部の筋膜につながる足の内側の筋膜をケアしていきます。
みなさんは、服の上からではなく肌に直接行ってください。

内側広筋の筋膜ケア 足を伸ばした時に、ひざの上の内側にポコッと出る筋肉が内側広筋最初に、内側広筋の筋膜ケアです。
椅子に座って、片足を伸ばします。
足を伸ばした時に、ひざの上の内側にポコッと出る筋肉が内側広筋です。
伸ばした足の足首を反対のひざの上に乗せて、ひじの先端ではなく、少し上の平たいところを内側広筋に当てます。圧を加えながら、上下、左右、斜め方向に動かしてみましょう。
特に動きが悪い方向や痛みを感じる方向を、1分程度動かしましょう。

内ももの筋膜ケア続けて、内ももの筋膜ケアです。
全体的に、ひじの平たいところで上下、斜め方向に動かしてみましょう。
痛いと感じたところを1分程度動かしましょう。

少し痛いくらいに、皮膚の奥をしっかり動かすことがポイントです。ただし、あざができるほど強くやらないように注意してください。

内くるぶしの少し上の筋膜のケア最後は、内くるぶしの少し上の筋膜のケアです。
骨の後ろ側のきわにひじの先端を当てて、上下や斜め方向に、圧を加えつつ動かしてみましょう。
1分程度行いましょう。

反対の足も同様に行います。

女性ホルモンが減少してくる40代以降の女性にとって、ぽっこりお腹や尿もれといったトラブルの原因のひとつに、筋膜の硬さが考えられます。足の内側の筋膜は骨盤底部の筋膜へとつながっているので、足をケアすることで、骨盤底部の筋膜のケアにもなります。

筋膜は層構造をしていて、層と層の間にはヒアルロン酸が潤滑油となって筋膜の動きを高めています。筋膜ケアによって固くなった筋膜を動かすことで、体内の水分が筋膜の層に集まり、ベタベタになったヒアルロン酸を圧と摩擦によってサラサラにすることができます。

筋膜の癒着をはがし、柔らかくすることで、尿もれやポッコリお腹の改善が期待できます。

トラブルの有無にかかわらず、筋膜の柔軟性を取り戻して整えることで、更年期に起こるトラブルの予防や改善にもつながります。

骨盤底筋トレーニング

筋膜がほぐれたら、続けて骨盤底筋を鍛えるトレーニングです。

骨盤底筋は、骨盤の底にあり、骨盤内の臓器を下から支えるハンモックのような筋肉です。
そして骨盤底筋は、体の深層にある横隔膜(胸部と腹部の間にあるドーム型の筋肉)、腹横筋(腹筋の一番内側の内臓を包むコルセットのような筋肉)、多裂筋(背骨に沿って付いている筋肉)とともに協調し合って動いています。この4つの筋肉をまとめて「インナーユニット」と呼びます。

今回は、横隔膜、腹横筋、多裂筋を使って効果的に骨盤底筋をトレーニングしていきましょう。

1.四つ這いお尻上下

まず、四つ這いでお尻を上下するトレーニングです。

四つ這いになり、つま先立ち。背中が反ったり丸まったりしないように真っ直ぐに伸ばします。四つ這いになり、つま先を立てます。
背中が反ったり丸まったりしないように真っ直ぐに伸ばします。

息を吸いながら、お尻を後方に引きます。息を吸いながら、お尻を後方に引きます。
お尻の一番下にある座骨という左右にある骨が開くようなイメージで行いましょう。
骨盤底筋が伸びてストレッチされます。

息を吐きながら、骨盤底筋を収縮させつつ元の姿勢に戻します。息を吐きながら、骨盤底筋を収縮させつつ元の姿勢に戻します。
骨盤底筋を収縮させるときは、おしっこを我慢するような感じ、または、お尻の穴を締める感じで行います。

この動きを10回程度行いましょう。

骨盤底筋を緩めて収縮させる動きを繰り返すことで骨盤底筋のトレーニングになります。

呼吸で横隔膜を動かすことで、骨盤底筋が動かしやすくなり、背中を真っすぐに伸ばして多裂筋を意識することでも骨盤底筋が動かしやすくなります。

ポッコリお腹の原因に、腹横筋の弱さが挙げられます。
骨盤底筋は腹横筋と連動して働くので、腹横筋の強化のためにも骨盤底筋の働きを良くすることはとても重要です。

2.四つ這いひざ上げ

次に、四つ這いでひざ上げトレーニングです。

四つ這いになり、ひじをついて、つま先を立てます。
一度息を吸って、吐きながら骨盤底筋を収縮させます。四つ這いになり、ひじをついて、つま先を立てます。
一度息を吸って、吐きながら骨盤底筋を収縮させます。

収縮できたら、両ひざを2センチ程度持ち上げます。
一度息を吸って、吐きながら骨盤底筋を収縮させます。収縮できたら、両ひざを2センチ程度持ち上げます。
3秒程度キープしたら、ひざを下ろします。

これを3~5回程度行います。
無理のない範囲で行いましょう。

この動きは、インナーユニットを鍛えて、ぽっこりお腹や反り腰の改善などが期待できます。

また、ひじをついた四つ這いの姿勢は、骨盤の位置がお腹より高くなり、骨盤底部に臓器の重みがかからないため、骨盤底筋が収縮しやすくなります。さらに、ひざを持ち上げることで、体幹に負荷が加わり、インナーマッスルも鍛えられます。

3.ひざ伸ばしブリッジ

最後に、ひざ伸ばしブリッジトレーニングです。
このトレーニングはバスタオルを使って行います。

仰向けになり両ひざを立て、バスタオルやクッションなどを挟みます仰向けになり、両ひざを立てて、丸めたバスタオルやクッションなどを挟みます。

一度息を吸って、吐きながら尾骨を1~2センチ程度持ち上げて、骨盤底筋を収縮一度息を吸って、吐きながら尾骨を1~2センチ程度持ち上げて、骨盤底筋を収縮させます。
尾骨を少しだけ持ち上げることで骨盤が安定して、骨盤底筋が動きやすくなります。
息を吸いながら、元の姿勢に戻します。

これを5回程度行いましょう。

余裕がある方は片足を伸ばして、さらに骨盤底筋を鍛えていきます。

息を吸って、吐きながら尾骨を1~2センチ程度持ち上げて、骨盤底筋を収縮させたら、そこから片足を伸ばしましょう息を吸って、吐きながら尾骨を1~2センチ程度持ち上げて、骨盤底筋を収縮させたら、そこから片足を伸ばしましょう。
息を吸いながら、足を下ろします。

一度息を吸って、吐きながら尾骨を1~2センチ程度持ち上げて、骨盤底筋を収縮させます続けて、尾骨は持ち上げたまま、息を吐きながら、反対の足を伸ばします。
骨盤底筋は収縮し続けます。
吸いながら、足を下ろします。

左右交互に5回ずつ行います。

ひざを伸ばし体幹に負荷をかけて、インナーユニットを鍛えることで、尿もれやぽっこりお腹、腰痛の改善につなげていきましょう。

骨盤底筋トレーニングは毎日継続することで効果が期待できますので、ぜひ続けてみてください。

半田瞳さん半田瞳さん プロフィール
理学療法士、保健医療学博士、筋膜マニピュレーション®認定 スペシャリスト、尿失禁ケアセラピスト。筋膜調整サロン トリガー所属。
尿失禁と筋膜の研究を専門とする。世界で初めて骨盤底筋群の機能から尿失禁のリスクを割り出す基準値を導き出し、骨盤底筋トレーニング「きゅきゅっと体操®」考案。筋膜マニピュレーション®のスペシャリストとして認定され、筋膜を用いた尿失禁治療を展開している。
筋膜調整サロン トリガー HP

‐免責事項‐
ご紹介しているメニューにつきましては、効果を保証するものではありません。
また実施する際は、ご自身で体調管理のうえ、無理をせず行ってください。
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