今回は、ダイエットしたいけれど、なかなか始められないという方に、リビングで気軽に座ってできる全身エクササイズをご紹介します。気になる箇所だけ集中的に行うのもおススメですので、ぜひ続けてみてください。
※ 周囲に障害物がなく、足元が安定した場所で行ってください。
今回は、椅子に座ったまま行えるエクササイズをご紹介しています。ですが座りっぱなしの生活は、血行などの巡りが滞ってしまうので、本来は望ましくありません。血行が悪くなると代謝が落ちて、ダイエットや健康的な生活からは離れていってしまいます。姿勢も丸まって首が前に出たり、お腹の筋肉が緩んで働かない状態になり筋肉が衰えてしまったりと、さらに美姿勢からも遠ざかってしまいます。ですので座り続けることは、やはりリスクがあることを認識しておいていただきたいです。
エクササイズに座面が小さい椅子を使うと、「脇腹のひきしめ」は難易度が高くなります。またウエストシェイプの3つのメニューは、ソファーのような座面が低い椅子だと強度が増します。さらに負荷を大きくしたい場合、床に座って行う方法もありますが、椅子に座ることで骨盤が立ちやすくなるので椅子を使ったエクササイズはおすすめです。ご自分に合った椅子を選んで行ってみてください。
エクササイズは、例えば「30分やろう」と意気込むと、かえって大変なことに感じてしまいます。「まずは1分だけ」と時間を短くして始めてみると、案外もうちょっとやってみようかなという気になるものです(笑)。朝起きたらひとつやるとか、テレビを見ていてCMになったら何かやるとか。とにかくちょっとでも始めてみてください。
まずはご自身に必要なメニューを選んでみましょう。猫背など姿勢が気になっている方であれば、肩甲骨を動かすエクササイズを。下半身太りにお悩みの方であれば、股関節とお尻のストレッチがおすすめです。
体が緊張していると、ご自身が普段使っている筋肉ばかりが動きやすくなってしまうことがあります。リラックスしながら、ご自身が気持ちいいと感じる程度で無理なくやってください。それと、やみくもに取り組むのではなく、どこを動かしているのかをしっかり意識しながらやることも大切です。
昨年出産して、まだ子どもが夜泣きをしている時期なのですが、子どもが泣かずに朝を迎えた日は、本当に目覚めが良くて、その日一日がキラキラしているような感覚です(笑)。夜寝られたか寝られなかったかで、翌日のだるさが全然違います。改めて睡眠の大切さを痛感しています。それと、昼寝をうまくできた時は回復することも実感しています。その後の仕事のパフォーマンスなども違ってくるので、昼寝を上手に取り入れるのもいいと思いましたね。
ご紹介している「下腹の引き締め」は、お仕事の合間や新幹線の中などでも行いやすいと思います。あとは深呼吸もおすすめですね。マスク生活になって呼吸が浅くなっているケースがあります。呼吸が浅くなると、胸が縮んで姿勢も悪くなります。深呼吸自体が消費カロリーのアップを助け、運動効果もあるので、ぜひ一度丁寧に深呼吸をしてみてください。
エクササイズの時間を確保することも大事ですが、私はそれよりも日常生活で体を意識することを大切にしています。普段の生活では、仕事など外に気が向いていると思うのですが、それを内側の自分に向ける時間を持つ。スマホを見過ぎて首が前に出ていないかなとか、座っている時間が長くなってお腹の力が抜けていないかなとか。また歩くという行為だけでも美しい姿勢で行う、正しい筋肉を使っていく。そういった意識を持つことが、美しい体づくりには大切かなと思います。
普段の姿勢や行動によって、筋肉の衰えを生じてしまっているかもしれないということを意識していますし、みなさんにも意識していただきたいと思います。
基礎代謝アップ・二の腕・背中スッキリ
深呼吸ムーブ
基礎代謝を上げて、痩せやすい体をつくるエクササイズです。
椅子に浅く腰かけ、両手を前に伸ばします。
息を吸って、親指を外側に回しながら、脇を締めひじを引きます。軽く拳を握りましょう。
息を吐いて、親指を内側に返しながらひじを横から広げ前に伸ばしていきます。
腕を前に伸ばして、手の甲と甲を遠くでタッチします。肩甲骨周りをしっかりほぐしましょう。
骨盤も連動して動かしましょう。
息を吸って、ひじを引きながら、骨盤を立てて胸を軽く開き、肩甲骨を寄せます。吐いて、ひじを横に広げながら骨盤を寝かせます。しっぽを丸めるようなイメージで恥骨を前に押し出し、肩甲骨を広げながら腕を前に伸ばし、手の甲をタッチします。
6回繰り返します。
肩甲骨周りの凝り固まった筋肉を動かしてほぐすことで、血行を促進し、代謝を上げて痩せやすい体をつくります。深呼吸とともに行うことで、さらに血行がよくなり代謝アップにつながります。
足の動きも付けていきましょう。
まず息を吸って、親指を外側に回しながら、ひじを引きます。吐いて、ひじを横から前に伸ばしながら、片足も一緒に伸ばして上げましょう。手の甲をタッチして足を下ろします。
左右交互に8回繰り返します。
内ももを引き締めて、肩の力は抜きましょう。
慣れてきたら上体もダイナミックに動かしましょう。
この動きは、猫背や巻き肩を改善して、美しい姿勢をつくります。
悪い姿勢は余計なところにお肉がつきやすくなるので、姿勢の改善はダイエットに効果的です。
深呼吸とともに行うことで、肩甲骨の可動域を広げ消費カロリーもアップします。
キラキラ腕回し
基礎代謝を上げて、二の腕を引き締めるエクササイズです。
椅子に浅く腰掛け、骨盤をしっかり立てて、あごを引きます。
手首を“キラキラ”と振りながら、腕を大きく回して、肩と肩甲骨をほぐします。
5回繰り返します。
腕を上げる時に息を吸って、下ろしながら吐きます。
腕の付け根からしぼるように手首もねじって、二の腕もしっかり意識しながら腕を回しましょう。
肩と肩甲骨周りの関節を絞るように動かして、血行を促進し老廃物を流します。
肩甲骨をゴリゴリ言わせて、肩こりもスッキリさせましょう。
グルグル腕回し
二の腕を引き締めるエクササイズです。
椅子に浅く腰掛け、骨盤をしっかり立てて、あごを引きます。
腕を真横より少し下で広げ、手の平で空気をプッシュ。手の平で円を描くように回します。
30回ほど繰り返します。
反対回しも同様に行います。
呼吸を短く切って、ハッハッハッと吐きます。
肩が上がらないように首を長く保ち、腕の重さを支えて腕を回すことで二の腕に負荷を掛けていきましょう。
この動きは、消費カロリーもアップしてダイエットに効果的です。
腕ふり有酸素運動
腕ふり有酸素運動で基礎代謝を上げて、背中を引き締めます。
椅子に浅く腰掛け、姿勢を正し、脇を締めて腕を大きく前後に振ります。ひじが背もたれにぶつからないように注意しましょう。
30秒程度行います。続けて、前回しです。
脇を締めつつ、ひじを顔に近づけるように大きく回します。腕ではなく、肩甲骨から動かす意識で行いましょう。
後ろ回しも同様に各15秒程度行いましょう。
前回し、後ろ回しをもう1セット繰り返します。
背中の筋肉をしっかり動かして引き締めていきましょう。
有酸素運動は疲れてきた時に効果がでてくるので、もう少し頑張りましょう。
この動きは、筋温をどんどん上げて、血行促進させ、代謝を上げていきます。
肩甲骨を動かすことで痩せやすい体質に改善します。
腕を大きく動かして背中周りもスッキリさせて、美しい後ろ姿をつくっていきましょう。
痩せ・ヒップアップ
お尻・股関節ストレッチ
足痩せとヒップアップのエクササイズです。
椅子に浅く腰かけ、足を肩幅くらいに開いて、片方の足首を反対のひざに乗せます。姿勢を正して軽く胸を張りましょう。
足の付け根から上体を前に倒します。
お尻と股関節をしっかりストレッチしましょう。
反対も同様に各30秒程度行います。
乗せている方のひざを床に近づけるように下に押し、お尻の筋肉の伸びを感じましょう。
背中が丸まるらないように。デコルテを前の人に見せるように、背筋を伸ばします。
この動きは、太ももの引き締め、ヒップアップにつながります。
お尻の筋肉が固まっていると、股関節が閉じやすく、外側の筋肉ばかりが鍛えられてしまいます。股関節お尻のストレッチで、外側ではなく内側の筋肉が使われ、美脚につながります。
内もも・お尻トレーニング
内ももとお尻を引き締めるトレーニングです。
さらに、椅子の先端にちょこんと座ります。
座面に手をつき上体を少し後ろに倒して、足を半歩前に出し、軽く開き、つま先は床につけたまま、かかとを浮かせ、ひざをできるだけ外側に開きます。30秒程度キープします。
ひざを床に近づけ続け、かかとを前に押し出したままキープです。
内ももやお尻に効いていることを感じましょう。
この動きは、キュッとしまったお尻と太もものスキマをつくります。
前ももの張りが気になる方は、この内もものトレーニングで張りの改善も期待できます。
開いたひざを床に近づけ続けた状態をキープします。
そのまま、かかとを上に持ち上げて下ろします。一度ひざを閉じて開き、反対のかかとを持ち上げて下ろします。
左右交互に3回繰り返します。
フォームをしっかりと意識して普段使われにくい、内ももとお尻の筋肉を鍛えましょう。
股関節もしっかり動かすことで、余計な筋肉の発達がなくなりスリムな美脚も期待できます。
できる方は、内ももとお尻のトレーニングは2セット程度行うとさらに効果的です。
ウエストシェイプ
下腹の引き締め
下腹を引き締めるエクササイズです。
椅子に浅く腰掛け、両手で座面をつかみます。 足を軽く開き、姿勢を正して、骨盤を真っすぐ立てます。
そのまま、片足を持ち上げ、下腹を意識しながら上下させます。30回ほど繰り返します。
反対も同様に行います。
この動きは、下腹部の足を持ち上げる筋肉が鍛えられ、運動能力の向上や基礎代謝のアップにもつながります。
また、骨盤を正しい位置に戻し、美しい姿勢を保つ効果も期待できます。
お腹全体の引き締め
お腹全体を引き締めるエクササイズです。
椅子に浅く腰掛け、両手で座面をつかみます。
そのまま、両ひざを持ち上げます。
息を吸って、前方にゆっくり足を伸ばします。お腹全体の筋肉が使えている感覚が大切です。
息を吐きながら、ひざを曲げて胸に引き寄せます。
10回繰り返します。
動きは小さくても効いていることを感じられればOKです。
このエクササイズで筋肉量が増えると消費エネルギーもアップしてダイエット効果が期待できます。
脇腹の引き締め
脇腹を引き締めて、くびれをつくるエクササイズです。
椅子に浅く腰掛け、両手で座面をつかみます。
足を閉じ、そのまま軽く浮かせます。
ひざを正面に向けたまま、息を吐いて、つま先をゆっくり横にスイングし、お尻を転がします。息を吸って下ろします。
続けて、反対にスイング。吐いてつま先を上げ、吸って下ろします。
左右5往復繰り返します。
つま先を上げた側の骨盤と肩を近づけ、脇腹に負荷をかけていきます。
この動きは、お腹の縦ラインづくりも期待できます。
呼吸も同時に行うことで効果が上がります。
むくみ改善
体側ストレッチ
体側ストレッチでクールダウンしながら、むくみを改善していきましょう。
椅子に浅く腰掛け、骨盤を立てて、腕を上げて手首をつかみ、片足を一歩横に出します。
息を吐いて、手首を引っ張りながら上体を横に倒します。斜め前にも倒していきましょう。息を吸いながら戻ります。
反対も同様に行います。
体側のストレッチで筋肉をリラックスさせていきましょう。
最後は真上にも伸ばしましょう。
深呼吸をしながら、ゆっくり伸ばします。
もう一度、吸って伸びて、吐いてリラックス。
使った筋肉を伸ばして、疲労物質の流れを促します。
副交感神経を優位に立たせ、リラックスしていきます。
- 奥津菜々子さん プロフィール
フィットネスインストラクター。 桐朋学園芸術短期大学芸術科演劇専攻で学んだ後、舞台や映画で俳優として10年活動。その後、ダンス経験を活かしフリーランスのフィットネスインストラクターに。都内スポーツクラブなどでの、エアロビクスや筋コンディショニングなど幅広いレッスンの経験を持つ。幼い頃から運動が大好きだったが、怪我や故障で苦しむことも多かったため、どのエクササイズも安全かつ正しい姿勢で効果を十分に得られるよう、筋強化や柔軟性などボディバランスを整えることも重点を置いた丁寧な指導を心がけている。
Instagram:@okutsu_nanako
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ご紹介しているメニューにつきましては、効果を保証するものではありません。
また実施する際は、ご自身で体調管理のうえ、無理をせず行ってください。
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