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太極拳入門!Taichi(タイチ)でリラックス&ダイエット!- 楊名時太極拳師範 楊 玲奈さん

英語で「Taichi(タイチ)」と呼ばれ、ハリウッドセレブも注目の太極拳。そのゆっくりとした動きは、慢性的な体の疲れの緩和やダイエット効果も期待できます。また深い呼吸とともに丁寧な動作を行うことで、心と体のバランスを整えます。朝行えば活力をもたらし、夜行えば心身の緊張をリセットしてくれますので、ぜひ毎日続けてみましょう。

太極拳入門!Taichi(タイチ)でリラックス&ダイエット!

※ 周囲に障害物がなく、足元が安定した場所で行ってください。

太極拳は心・呼吸・体の調和を図る健康法

調心・調息・調身(心・呼吸・体の調和)を一番大切にするために「競わない・比べない」日本で広く知られている太極拳は、1956年に中国で制定された「24式太極拳」と呼ばれるものです。武術として発展してきた太極拳のさまざまな健康効果を、広くたくさんの人が役立てることができるように、選りすぐりの24の型にまとめられました。

私の祖父である楊名時がそれを日本で広めるにあたって、調心・調息・調身(心・呼吸・体の調和)を一番大切にするために「競わない・比べない」ということを掲げて始めたのが「楊名時太極拳」です。また、呼吸と心の調和を一層感じるために、ゆったりと動いていく、無理のない動きをしていくということも大切にしています。稽古の始まりに、心を落ち着ける「立禅(リツゼン)」、全身をほぐす「甩手(スワイショウ)」、気と体を養う「八段錦(ハチダンニシキ)」を行うことも特徴です。

心を落ち着かせる立禅【心を落ち着かせる立禅】
足を肩幅に開きます。ひざは少し緩めて、背骨をのびのびと整え、あごを少し引きます。呼吸は鼻から細く長く繰り返します。おへその下の丹田を意識して、気持ちが落ち着くまで行いましょう。

でんでん太鼓のように体に巻き付ける【心と体の緊張を和らげる甩手】
左右に大きく手を開いて、腰を回します。ひざをやわらかく使い、両腕はでんでん太鼓のように、ぶらんぶらんと体に巻き付けます。体がほぐれたと感じるまで20~30回繰り返していくといいでしょう。 動き終わりは急には止まらずに、波が静まるように少しずつ動きを小さくして、おさめていきます。おへその下の丹田を意識します。

武術が源の太極拳と、中国古来の養生法の八段錦

武術が源の太極拳と、中国古来の養生法の八段錦太極拳は、武術の伝統の中で磨かれてきたもので、古くからその健康効果も注目され発展してきました。太極拳は、一度動き始めたら、おさめの姿勢まで止まることなく動き続けていくことが特徴です。長く稽古をしていく中で、体と呼吸の連動というものが深まっていきます。

それとは別に、気功や養生法として民間に伝わってきた健康法に八段錦があります。第一段錦から第八段錦までのシンプルな8つの動きで、それぞれに健康効果があります。八段錦は足を運ばずに、その場でゆっくり呼吸しながら手や目の動きを加えていくことで、気持ちの安静と、呼吸と体の連動を意識できる健康法です。

太極拳と八段錦を2つの柱として稽古することによって、動と静の調和を図るとともに、心と体の健康を高めていくことが楊名時太極拳の目標です。

天地を押すように上下に開く【八段錦~第三段錦~】
内臓の働きを整える第三段錦は、ストレス性の不眠・不安感の緩和にもおすすめ。ゆっくり動きましょう。
まず、足を肩幅に開きます。両手は体側に下した状態から、手の平を前にして息を吸いながら肩の高さまで上げ、手の平を下向きにして息を吐きながらみぞおちのあたりまで下ろしていきます。
次に、息を吸いながら、左手は上に、ひじを伸ばしきらない程度で頭上に伸ばし、右手は下に、天地を押すように開いていきます。
上下左右のバランスを感じたら、吐く息に合わせて左手を横から下ろします。反対も同様に行います。

呼吸を止めずに、丸くゆっくり動き続ける

気持ちを安静にしてゆったり取り組めるかがポイント太極拳は呼吸と心と体が落ち着いていることが大切です。緊張感があると、うまく息もできないですし、安定して立つこともできないので、いかに自分が気持ちを安静にしてゆったり取り組めるかがポイントになります。

まずは安定して立つこと。安定して立つと呼吸も自然と続いていきます。それと息を止めないこと。息を止めないためには力を緩めることです。そしてすべての動きがギクシャクではなく、円を描くように丸くゆったりとしたものになるように。初めての方には動きが難しいかもしれませんが、頭の中にしっかり動きが入っていなくても大丈夫です。右足はこうで左足はこっちでと、あまり細かい型にこだわらずに、まぁるい無理のない動きと呼吸を続けていくイメージを持って、リラックスして行ってみてください。

太極拳の動きを覚えるのは少し大変かもしれませんが、立禅と甩手は、朝晩や仕事の合間にも簡単にできることなので、ちょっと緊張したなと思った時など、気付いた時にいつでもやってみてほしいですね。それと続けることが大事なので、定点観測ではないですけど(笑)、同じことを毎日続けることで自分の変化を捉えたり、自分の心身の状態に気付いたりできると思います。

太極拳は何歳でも始められ長く続けられる

太極拳は何歳でも始められ長く続けられる教室にいらっしゃる方は、男女関係なく年齢層も幅広いですね。最近は、仕事が忙しくて疲れてしまってリラックスしたいという方も多いです。太極拳をすると気持ちが緩むのがいいと、運動をするというより心を落ち着けるために取り入れているんですね。それはとても良いことだと思っています。

親御さんにすすめられて太極拳を始める30~40代の方も結構多いですね。太極拳のいいところは何歳からでも始められることです。なので反対に子世代の方が始めてみて、これなら親にもすすめられるかもと、病気をされたり運動が苦手だったりする親御さんを誘っていらっしゃることもあります。

太極拳は手の動きだけでも、胸や背中を大きく動かしていけるので、立つのが難しい方は椅子に座って取り組まれることもあります。若い方でも今日はしんどいと思ったら、座って緊張をほぐしたり、病床の方はベッドの上で行っていただいてもいいんです。

太極拳は長く続けられる点も大きな魅力です。これは私の感想ですが、太極拳を続けている方は高齢の方でも、趣味などを楽しむのが上手ですね。趣味を楽しむ元気を保つために、太極拳に取り組まれているという感じです。

周囲と響き合い変化を感じながら自分らしく

周囲と響き合い変化を感じながら自分らしく太極拳で大事なことのひとつに「内外相合」という言葉があります。自分と、自然や環境、他者といった周囲が響き合って、無理のない状態を目指していくということです。自分も周りの状況も日々変化しているから、太極拳に完成形はないんです。

ですから何度やっても新しいし、これだというゴールがないからずっと面白い。10代には10代の、30代には30代の、70代には70代の太極拳がある。その人らしくあればいいんです。毎回同じ太極拳をやっていても、今起こっていること、今感じていること、常にその変化を感じて、その違いを楽しみながらやっていくことが大事だと思っています。

例えば競技スポーツでは、強く、高く、速くといったひとつの軸に向かって進んでいて、それが深まったり高まったりするほど評価が高まっていきます。ですが太極拳をしていくことによって、実は軸や評価の方向性はひとつじゃなくて、「この人にはこんな良いところがある」、「この人はこれでいいんだ」と、それぞれの人の良いところが見えてくるようになって、それも太極拳の魅力だなと感じています。

楊 玲奈さん プロフィール
楊名時太極拳師範。日本に太極拳を広めた祖父・楊名時、母、楊慧のもと、幼い頃から太極拳に親しんで育つ。太極拳の楽しさを世界に伝えるため、自身のクラスやメディアを通じて精力的に活動中。また、太極拳がもたらす心身の健康効果について研究を行っている。日本呼吸ケアリハビリテーション学会会員。 「はじめての太極拳入門」(西東社)、「6つの動きだけで若返る健康太極拳」(講談社)などで太極拳実技を担当。 公式ホームページ: http://reina-yo.com/

楊 玲奈

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また実施する際は、ご自身で体調管理のうえ、無理をせず行ってください。
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