今回は“太もも集中メニュー”です。太ももの前側や外側の張りを引き締めて、内ももや裏ももをスッキリとシェイプ。さらに骨盤が正しい位置に整い、太もも痩せだけでなく、姿勢の改善も期待できます。ぜひ、毎日続けてみてください。
※ 周囲に障害物がなく、足元が安定した場所で行ってください。
私は、しなやかできれいな体をつくることが理想だと考えています。そのためには、ストレッチとトレーニングを組み合わせることがとても大切です。
鍛えるばかりだと筋肉が硬くなって、分かりやすく言うとボディビルダーのような感じになって、特に女性はガタイがよく見えてしまいます。
逆にストレッチばかりでは、体が柔らかくなるという利点はありますが、筋肉が足りていないと体のラインがきれいに見えません。体が柔らかい人は、例えば腰が反りやすかったりしますが、筋肉が使えていないと、骨をしならせている状態になります。すると骨を傷めてしまい、関節に痛みが出ることがあります。
ですから筋力としなやかさ両方大切です。鍛えたら必ずストレッチもするという組み合わせが、きれいなボディラインをつくる上では一番大事だと思っています。
太ももが太くなる原因は、もちろん食べ過ぎなどもありますが(笑)、まずは骨盤が前傾していること。すると反り腰のような姿勢になり、前ももにばかり力を入れて踏みしめている状態になります。また裏ももが使えていない状態にもなります。ヒールを履いた時や階段を上る時などは、裏ももを使って体を支えながらお腹を引き上げて歩きたいのですが、その筋力がなくて前のめりになって歩いてしまう。つまり裏ももは使われず、前ももにばかり負荷がかかり、前ももが張ってしまうのです。
加えて内股にもなりやすく、内股で歩いていると外側に力が入って、外ももが張ってしまいます。片足立ちも、体重をかけている方の外ももに力が入り、外ももが張る原因になります。
歩く時は、骨盤が前傾にならないように、上半身をしっかりと起こして20~30メートル先を見るようにしましょう。またご紹介しているエクササイズは、ももの前や横の張りをストレッチで伸ばして、筋力が不足しがちな裏ももを鍛える内容になっていますので、ぜひ取り入れてみてください。
一方、座って長時間パソコン作業などをしていると、鼠径部が詰まり、もも周りのお肉が横に押し出されます。続けていると、その状態が形状記憶のように固定されてしまいます。さらに立った時も、体の前側が伸びない状態になってしまいます。座る時も骨盤を立てることを意識しましょう。
足の筋力が低下すると血流を上へ促す力が衰え、下半身が冷えてセルライトができやすくなったり、 リンパも詰まったり。そこから脂肪太りやむくみに繋がってしまいます。ご紹介しているエクササイズは、太もも痩せだけでなく、ポッコリお腹・便秘・姿勢などの改善、またヒップアップ効果なども期待できますので、ぜひ続けていただきたいです。
回数などはあくまでも目安です。大切なのは、何を目的にどこを使っているのかを頭の中で理解して、そこを使うんだよという指令を筋肉に与えていくことです。それまであまり動かしていなかった筋肉を動かそうとする時、初めは頭からの指令がうまく伝達しないと思うんです。ですが指令を送り続けることで伝達経路を開かせて、スムーズに動かせるようになったり、使えているな、効いているなという感覚がよりわかってきたりします。まずはメニューのひとつでもいいので続けることが大切です。
運動経験のある方は、外ももの筋肉が発達していることが多く、「2.内もものエクササイズ」で外側の筋肉を使ってしまうと思います。なるべく内へ内へという意識を持ちましょう。それでも外ももに力が入ってしまう方は、まずは「3.外もものストレッチ」をはじめとするストレッチメニューをどんどんやって筋肉を伸ばしてほしいです。
私のお客様は、20代から70代まで幅広いです。お若い方は、痩せたい、姿勢を整えたい、筋力をつけたい。30~40代の方は、体型が変わってきたのでお腹周りを痩せたい。もっと年齢が上がると、ご自分の足でいつまでも歩きたい、体力が落ちてきた、といったご相談が多いですね。
男性は体を柔らかくしたいという方が結構いらっしゃいます。ストレッチをやりたいけれど、ご自身ではうまくできないので習いたいと。またスポーツをやっていらっしゃる方が、パフォーマンス向上のために通われるケースは男女共にありますね。
運動を続けることで、特に高齢の方は、普段の生活が非常に楽になって、どんどん外に出られるようになって、いろいろなことに対して意欲が高くなっていく。一方で、体が動くようになったことで仕事もはかどるようになって、すごく仕事が楽しいとお話しされた方もいらっしゃいます。みなさん、体の変化とともに気持ちも前向きになりますね。
1. 前もも&裏もものストレッチ
四つ這いになります。肩の真下に手首を置きます。
右足を手と手の間に置き、ひざの真下にかかとを置きます。左足は後ろにずらして足の甲を寝かせます。目線は前、背骨を長く伸ばし、左の前ももをストレッチします。
できる方は両手を右ひざの上に置きましょう。 骨盤から上半身を起こし、お腹は上に引き上げて、骨盤を下に下げるようにして、左の前ももと付け根を伸ばします。
両手を床に下ろしましょう。
続けて、右ももとお腹をくっつけて、骨盤を前に倒してお尻を突き出すようにして後ろに引き、右のつま先を立てます。背筋を伸ばし、目線は前を向きます。右のひざ裏からもも裏のストレッチです。
ひざを少しずつ伸ばしていくことで負荷をかけていきます。右足の裏面をしっかりストレッチしていきましょう。
一連の動きを5回繰り返します。
反対側も同様に行います。
前ももと裏ももの大きな筋肉が硬くなると、太ももが太く見えてしまうので、ゆっくりと筋肉を伸ばして引き締めていきましょう。
また、前ももと裏ももの筋肉をほぐすことで骨盤の歪みやひざの歪みを改善する効果が期待できます。
2.内もものエクササイズ
仰向けに寝て目線は天井。
ひざを立てて、腰に手の平1枚分の隙間をつくります。腰が反り過ぎている人は、少しアーチを緩めましょう。腕は体側に伸ばして、手の平は床に。首を長く伸ばし肩と耳を遠ざけます。
両足を持ち上げて、股関節の上にひざがくる位置まで上げます。
そのまま足を少し開き、かかと同士をつけて、股関節・ひざ・つま先は外を向いています
大きく息を吸って、吐く息でかかとを斜め上に蹴り伸ばし、ひざを伸ばし内ももをギュッと閉めます。
吸ってひざを曲げて、股関節の上にひざが来るようにカエル足に戻ります。ひざを引き寄せすぎないようにしましょう。
この動きを10回繰り返します。
10回目は、足を伸ばした位置で5秒ほどキープ。
内ももをギュッと閉めて、腰が反らないようにお腹にも力を入れていきます。終わったら、足を曲げて両ひざを胸に引き寄せ、両手で抱えてひと呼吸します。
この動きは、内ももを鍛えて引き締め、内ももの間に隙間をつくるのに効果的です。
また、内ももを鍛えることで体の重心の位置が整い、重心の乱れによる外ももの筋肉への負荷を軽減して、外ももの横張りを防止する効果が期待できます。O脚の改善も期待でき、足のラインがきれいに整います。
3. 外もものストレッチ
仰向けに寝ます。両手は横に広げて、肩甲骨は床につけておきます。
右の足首を左ひざに置いて、背骨を長く伸ばしていきます。
吐く息で左ひざを右側に倒し、左体側の伸びを感じながらお腹、お尻周り、外ももにかけて伸ばします。右のお尻がズレないように注意。左のお尻は床から離れてOK。左の肩甲骨が浮きやすいので、床につけたまま、ゆっくり呼吸を繰り返します。
吸う息がきたら、ゆっくりと足を戻していきます。
反対も同様に行います。
吸う息でゆっくりと足を戻して、足を開放していきます。手も楽な位置に下ろして、ひと呼吸しましょう。
ツイストをすることが目的ではないので、お腹からお尻、外ももにかけての伸びを意識して行うことが大切です。
外もものストレッチを行うことで、股関節を正しい位置に戻して、骨盤の前傾を元に戻してくれます。股関節と骨盤が正しい位置に戻ると、外側に逃げていたお肉がキュッと締まり、太もも痩せにつながっていきます。
4. 裏もものエクササイズ
うつ伏せになります。足を腰幅程度に開いて真っ直ぐに伸ばし、かかとをやや内側に向けます。両手は重ねてその上におでこを置きます。
両ひざを90度に曲げて、足首を絡めます。 恥骨は床につけて、お腹に力を入れて腰が反らないように注意しましょう。
両ももを床から少し持ち上げていきます。お腹にきゅっと力を入れて、肩の力は抜いて、腰を反らさないように、裏ももを意識します。
一度大きく息を吸います。吐く息がきたら、さらに持ち上げていきます。吸う息で、ももが床に着かない位置まで下ろします。
この動きを10回繰り返したら、一度足を下ろし、足を組み替えて反対も同様に行います。
終わったら足を下ろして、少しブラブラと揺らして緩めていきます。
顔の横に手をついて、お尻を持ち上げてそのまま正座に。両手を前について、おでこをマットにつけ、やさしく背中を丸めましょう。
この動きは、お尻とももの境目辺りをしっかり意識しながら両ひざを引き上げることで引き締め効果が期待できます。ひざが曲がり過ぎると効果が出ないので、ひざの角度は90度で行っていきましょう。
特に骨盤が前傾の方は、裏ももの筋肉が使われにくく、お尻が垂れてしまいますので、この動きで、裏ももを引き締めて、ヒップアップにつなげていきましょう。
5. 裏もものストレッチ
最後は、クールダウンを兼ねた裏もものストレッチです。
長座で座り、背骨を伸ばして、骨盤を立てます。
骨盤が丸まってしまう方は、ひざを軽く曲げておきます。つま先は天井に向けておきます。吐く息がきたら、お腹をももにくっつけるようにしながら前屈。両手を前に、足裏を持てる方は足裏を掴んで、裏ももの伸びを感じましょう。
できる方は、かかとを前に蹴り伸ばしていくように、ひざも少しずつ伸ばして、前屈を深めていきましょう。足の裏面をしっかりストレッチします。
吸う息で頭が最後になるようにゆっくりと起き上がりましょう。
前屈が難しい方は、フェイスタオルを足裏にかけて行っていただいても構いません。
呼吸を繰り返して、足の裏面をしっかりストレッチしていきます。
裏もものエクササイズで緊張した筋肉をほぐし、ゆっくり伸ばして引き締めていきます。
- 岡村真奈美さん プロフィール
ヨガ&ピラティスインストラクター。
スポーツトレーナーを目指し大学で健康スポーツについて学ぶ中、ヨガに出会いヨガインストラクターを目指す。大学卒業後、ヨガ養成スクール兼美容メーカーに就職し、ヨガ講師・エステティシャンとして美容・健康の知識を身につける。現在はフリーランスとして都内を中心にヨガ・ピラティス・サップヨガ・ボディメイクエクササイズのグループやパーソナルレッスン行いながらストレッチ・セラピストとしても活動。2022年4月、東京・浜松町に完全予約制のプライベートサロン「NATURAL SALON nalu(ナル)」をオープンした。
NATURAL SALON nalu 公式ホームページ
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また実施する際は、ご自身で体調管理のうえ、無理をせず行ってください。
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