寝不足感があったり、また特に寒さが増す季節は、朝おふとんから出るのが辛いですね。ですが1日を快適に過ごすためにも、朝はすっきりと目覚めたいものです。そこで血行を促し、凝り固まった身体をほぐして、頭と身体を目覚めさせるストレッチをご紹介。おふとんの上でできる簡単なストレッチで、毎朝を元気にスタートさせましょう。
ヨガの世界で呼吸は、ヨガ用語で「プラーナ」、東洋思想では「気」と言う生命エネルギーをもっとも直接的に動かすものと言われています。呼吸をすることで、気のエネルギーを体内に取り入れて巡らせ、また気を巡らせることで、心身が浄化されると考えられています。
呼吸法にもいろいろありますが、伝統的な東洋の思想では、心と身体は「ひとつながりのもの」として考えられています。禅に調身・調息・調心という言葉がありますが、ヨガでも同様に調身と言って、最初に身体をほぐしていきます。
例えば、パソコンに長時間向かっていると、猫背になって胸が縮まり、呼吸もしづらくなってしまいます。ヨガには胸を開くポーズが多いんです。胸を開くことで、たくさんの空気を取り込めるようになります。まずはその状態を作ってから、今度は呼吸を整えていきます。これが調息。そして最後は、呼吸をコントロールすることで心を整える調心という流れになっています。
朝、身体を動かすとその日1日を心地よく過ごせるというメリットがあります。寝起きの頭をすっきりさせて活力を呼び込むと、仕事もはかどってくると思います。ただし、目覚めてすぐは動きづらいものです。また体調は日によって変わるものですから、その日の調子に合わせてご自分が心地好いと思う範囲で動いてみてください。
寒い季節ほど、朝は身体を動かした方がいいんです。夏はもともと身体が緩みやすいのでゆったり動いて、冬はむしろよりストレッチの回数を増やすなど、積極的に身体をほぐしてほしいです。動き始めは、身体や部屋を暖かくして行っていただくのがおすすめです。
毎朝続けることで、だんだんと自分の体調の変化に気付けるようになります。「未病」という、病気になる前の疲れなどを感じ取れるようなってくるんです。忙しいとつい健康がおろそかになりがちですが、自分の身体と向き合う時間を持つことは非常に大切です。
私は以前、日曜日に朝ヨガのレッスンをしていたんです。休日にわざわざ早起きをして、みなさんすごく眠いと思うんですけど(笑)。でも終わった後の表情は、すごく爽快でキラキラしているんです。良いエネルギーが溢れているというか。参加者の方からも、朝に身体を動かすと、その後の予定もサクサクと進んで気持ちいいという感想をよく聞きました。
私自身は、肩こりになりやすいので、朝は肩まわりを動かして胸を開くポーズを取り入れるようにしています。ですがメニューを決めているわけではなく、その日の身体の声を聞いて、動かしたいように動かすという感じですね。
30代を迎えた時、この先、身体は下降していくだけだと思っていたのが、ヨガを続けていくうちに、どんどん身体が柔らかくなって、体型も変わって。周囲からも若返ったねと言われました。ヨガは「始めた年齢で年が止まる」と言われているんです(笑)。みなさんにも、ぜひ朝のメニューを続けていただいて、元気で幸せになっていただきたいと思います。
仰向けの状態で、片手を胸、片手をお腹に置きます。
息を鼻から吸って、鼻から吐きます。
呼吸とともに、胸やお腹が上下するのを感じながら、朝の新鮮な空気をとりいれ、いらないものを吐き出すように。
吸ったとき細胞が元気になるようなイメージを持ち、吐くとき身体中のバランスが整うのを感じながら、深く呼吸を繰り返しましょう。
呼吸の目安は2回です。
心地よいと思う回数で調整しても結構です。
胸の前で手を組み、手の平を返しながら頭の上にグーッと伸ばしゆっくり2回呼吸します。
お腹の中心から手先、足先が上下に伸びていくようなイメージで、凝り固まった身体をじっくりほぐしていきます。
一旦、膝を立ててから、両膝を左右に開いて、股関節を緩めていきます。
足は開ける範囲で構いませんので、そのままゆっくり2回呼吸を繰り返します。
両脚を揃えて足先を伸ばします。
手の平を下向きにしてお尻の下に。
両肘を背中の下に入れるようにして肩甲骨を寄せます。
口を閉じて鼻から1回息を吐いて、吸いながら、肘で床を押すように、胸を天井に向けて釣り上げます。
釣り上がったら首を返し、頭頂をマットに着きます。
開いた胸にゆったりと深い呼吸を2回繰り返しましょう。
頭を戻す時は、アゴを胸に近づけ、後頭部をスライドさせながら降ろしていきます。
★首に負担がかかるので、首は横に動かさないように、無理をせずにできる範囲で行いましょう。
肘に8割、頭に2割ぐらいの配分で体重をかけます。
★このストレッチは、血流がアップして頭に酸素が送られるので、頭をすっきりさせてくれます。また口を閉じることで、首の前側が気持ちよく伸びて、顔のむくみのケアにもおすすめです。
仰向けから両膝を胸の前で抱えます。
息を吐きながら、上半身を起こして、おでこを膝に近づけます。
そのまま、ゆっくりと2回呼吸を繰り返します。
腰から背骨の伸びを感じましょう。
元の姿勢に戻します。
おふとんの方は、上体を起こしてあぐらになります。
ベッドの方は、ベッドのふちに腰かけましょう。
手を後ろで組み、息を吸いながら肘を伸ばして胸を開きます。
ゆっくりと2回呼吸します。
そのまま前屈をしながら、腕を上に伸ばしていきます。
ゆっくりと2回呼吸します。
元の姿勢に戻ります。
★胸を開いてストレッチするとともに、肩まわりの緊張をほぐしていきましょう。
ゆっくり立ち上がります。
ベッドの方は、ベッドから降りて行ってください。
胸の前で手を組み、息を吸いながら手の平を上に向けて伸ばします。
息を吸って、吐きながら肩甲骨を寄せて下げます。
もう一度息を吸って、吐きながら身体を右に倒し、左の体側の伸びを感じます。
そのまま2回呼吸したら、息を吸いながら戻します。
吐きながら身体を左に倒し、右の体側を伸ばします。
そのまま2回呼吸したら、息を吸いながら戻します。
元の姿勢に戻ります。
- 清水鮎美さん プロフィール
- フリーヨガインストラクター、バリニーズマッサージセラピスト、Odakayoga認定講師。
カフェで長年勤務している中、肩こり・運動不足解消のため、ホットヨガをはじめる。私生活で理想に向かって努力するも、自分の足りない部分ばかりに目が向いていたが、ヨガを通じて自分の心や身体を観察し、ありのままの自分を受け入れることの大切さを学ぶ。続けるうちに肩こりが改善していき、それ以上に心がスッキリするヨガに魅了され、多くの人にヨガを届けるべく、インストラクターになる。現在は、スタジオやイベントでのヨガクラスを中心に活躍中。
ホームページ:http://shimizuayumi.com/
‐免責事項‐
ご紹介しているメニューにつきましては、効果を保証するものではありません。
また実施する際は、ご自身で体調管理のうえ、無理をせず行ってください。
ケガ・体調不良などにつきましては、当コンテンツ制作者は一切の責任を負いかねます。