いつも元気な印象の原日出子さんですが、40代後半からは、”更年期”に悩まされたといいます。そんなとき、元気を取り戻すキッカケとなったのが、家族みんなの温かい”心づかい”でした。
それ以後、家族に心配をかけないために、ますます健康・美容に気をつけるようになった、という原さん。
後編では、そんな原さんの「美しさの秘密」や「睡眠へのこだわり」についてお聞きしました。(取材:2009.5)
- — 原さんは以前、更年期で悩まれたことがあるそうですね…。
- 今はずいぶん良くなりましたけど、更年期が始まった2~3年前が一番ひどかったんです。
体じゅう、どこを触っても氷のように冷たくて、夜も、体が温まるまではなかなか寝付けませんでした。突然、すごい倦怠感が襲ってきて、起き上がるとクラクラしましたし、動悸もひどかったですね。お友だちに話したら、「日出子ちゃん、それは更年期ね。誰でも通る道なのよ」と励まされました。
でも、それまでは病気ひとつしたことがなかったから、自分がそんな状態になったことがショックで、ウツみたいになってしまいました。精神的に弱ると、それが顔にも出てくるのね。鏡を見たら、顔の筋肉が下がって、笑顔を作ろうとしても口角が上がらない…。もう本当に情けなくて、毎日泣きたい気分でした。
でも、「いつまでも、このままじゃダメだ」と思って、先輩方の話を聞いたり、自分で本を読んで勉強したりして、サプリメントや漢方など、症状の改善に良いといわれるものは、すべて試したんです。
- — どんな方法が、症状の改善に効果的でしたか?
- サプリメントは今も続けていますし、漢方も良かったと思います。でも一番大きな支えとなったのは、やはり家族の支えですね。
症状がひどいときは、朝、子どもたちを学校に送り出してから、夜になるまでずっと眠りっぱなしだったんです。私が起き上がろうとすると、「ママは疲れているんだから、ゆっくり休んで」といって、長女が代わりに夕飯の支度をしてくれることもありました。
主人は主人で、「なんでも手伝うよ」といって、ゴミ出しをしてくれたり、洗い物を片付けてくれたりと、仕事の合間をぬって家事をしてくれました。
そんな家族を見ていると、「私、いつまでもこんなグズグズしてられない、元気を出さなくちゃ!」と、パワーがわいてきたんです。きっとあのとき、家族に知らん顔されていたら、今も立ち直れていなかっただろうな…。
- — 健康の秘訣は、”ご家族の愛情”なんですね。そのほかに、健康や美容のために気をつけていることはありますか?
- やはり、”食事”と”睡眠”です。
食事は、私が家にいるときはかならず作りますし、旬の食材をつかってバランス良く食べるようにしています。子育てをし始めてから”自然療法”に興味をもって、いろいろと本を読んで勉強しているの。以前、ストレスで顔に湿疹ができたことがあったんですが、そのときは”ビワの葉”を煎じた汁が良いと聞き、手作りしたこともありました。あとは、里芋をすって湿布にしたり、こんにゃくで患部を温めてみたり…。そういう自然のものが好きですね。
“睡眠”に関しては、とにかく少しでも時間があれば、すぐに仮眠をとります。一瞬で深い眠りに落ちますから、「寝ること」が私の特技かもしれません(笑)。
その代わり、”寝具”には気をつかっていますよ。今は、結婚祝いにいただいた羽毛ふとんで寝ています。15年経ちますけど、今でもふわふわ。やはり、品質の良いものは違いますね。
とくに主人は寝付けないことが多いので、枕やベッドにもこだわっています。寝具は一生ものですし、睡眠は健康の基本ですから、良いものを選びたいですね。
- — 最後になりましたが、今後チャレンジしてみたいお仕事はなんですか?
- 舞台にチャレンジしたいんです。でも、舞台は地方公演があるから、長期で家を留守にするでしょ。だから、子どもたちが一人前になるまで、あと10年くらいは難しいかな、と思っています。
だからこそ、いつまでも元気で若々しくいなくっちゃ。子どもたちが巣立ったら、トライしたい仕事がたくさんありますからね!
- 【プロフィール】 女優・原日出子さん
- 1959年、東京都生まれ。’81年、NHKの『本日も晴天なり』のヒロインに抜擢され、一躍、国民的女優に。以後、テレビドラマや映画などで幅広く活躍。’94年に再婚した俳優の渡辺裕之さんとは、“おしどり夫婦”として知られており、2001年にはパートナー・オブ・ザ・イヤーを受賞。現在は、一男二女(25歳・15歳・13歳)の母。