今回は、サーキットトレーニングの<上級編>として、腹筋、背筋、大臀筋(だいでんきん)を中心としたお尻全体の筋肉を引き締めていきます。各種目の時間を短く、ほぼノンストップで行うことで、前回のサーキットトレーニングで脂肪燃焼ダイエットより強度がアップしています。慣れたらこれを2セット、3セットと連続で行うことで、さらに効果が期待できますよ!
自宅で10分!サーキットトレーニングで脂肪燃焼ダイエット
※ 周囲に障害物がなく、足元が安定した場所で行ってください 。
※ トレーニングの前後には、必ずウォーミングアップとクールダウンを行いましょう。
サーキットトレーニングは、筋力トレーニングと有酸素運動を短時間で効率よくできるのが一番の利点です。ひとつの部位を20~40秒鍛えたら、次は別の部位と、ノンストップで次々と部位をかえて鍛えていくことで、筋力と同時に持久力もアップできます。
今回は上級編なので、前回のメニューを2~3セット、余裕をもってできるようになった方におすすめです。お尻・背中・お腹にターゲットを絞り、筋肉への負荷を大きく、1種目20秒に短くした、全力を出し切る、しっかり“追い込める”メニューです。
トレーニングの前後には、必ずウォーミングアップとクールダウンを行ってください。前回のウォーミングアップ、クールダウンは必要最低限の内容なので、今回は強度が高まっている分、入念に行ってください。またクールダウン用に3つの部位のストレッチをご紹介します。
● クールダウン用の3つの部位のストレッチ
お尻
椅子に座って片足を反対のひざに乗せて、ゆっくり上体を前に倒してお尻周りを伸ばします。
背中
四つ這いで顔は上げずに、片腕を斜め前方へ伸ばします。お尻を後ろに引いて背中を伸ばします。反対も同様に。
お腹
うつぶせになって、ひじをついて上体を起こし、お腹を伸ばします。
今回は上級編なので、実施するペースは「きつい!追い込んだ!」とご自身で感じるくらいが目安です。全部のメニューをやり切れなかったら、時間は20秒を守って種目も減らさずに、負荷を軽減して調整してみてください。例えばワイドスクワットであれば、お尻の下げ方を少なめにするといった具合です。
またケガの予防のためには、正しいフォームで行うことが大切です。最初は、鏡などを見てしっかり正しいフォームづくりをしていただくといいと思います。止まっている時はきれいな姿勢を保てても、動き出すと崩れてしまうことがありますので、動いている時の姿勢もチェックしてみてください。すぐには直せなくても、意識することが大切です。
筋肉痛になった場合、その部分の筋肉がきちんと使えた証拠でもありますが、筋肉を休ませる必要があります。その際、完全なお休みではなく「アクティブレスト」といって、ウォーキングやストレッチなどの軽い運動で、身体をほぐしたり温めたりするのがおすすめです。血行が良くなって、老廃物を排出しやすくなり、疲れも取れやすくなります。
筋肉を休ませる理由は、もちろん回復させるためですが、休んでいる間に筋肉は成長していくんです。ですから休息を取らないと、その成長を妨げることにもなりますので、1~2日は休むようにしてください。その時に、良質な栄養と睡眠をとることで、トレーニングによって壊れた筋繊維に栄養がいきわたり、筋肉が成長していきます。
今年長男を出産しました。今までハードなトレーニングも行なってきたのですが、妊娠期間中はヨガやウォーキングなどを中心に行なっていました。身体が少しずつお産の準備に入っているという感覚があったんですね。
運動を続けてきたことで、身体の声を敏感に感じ取れるようになったので、自分の身体の感覚を大切にして過ごせたのは良かったなと思います。
それと体力があったせいか、回復がほかの人よりは早かったなと思います。出産は全治6か月くらいのダメージがあると言われていて、産後3週間は安静にと言われたのですが、その期間も思った以上に元気に過ごせましたね。今後は、赤ちゃんと一緒にエクササイズができるクラスを、自分で開けるようになるといいなと思っています。また自身のトレーニングも、身体の回復に合わせて強度アップしていきたいと思います。
【お尻】【背中】【お腹】の順に鍛え、最後に【リカバリー】として筋肉を緩める全身運動を入れた4種目をステージ1とします。これをステージ3まで行って1セットです。
1セット目はフォームを確認しながら少しゆっくり30秒、2セット目は1種目20秒ずつ、しっかり追い込んでいきましょう!
※今回はダンベルの代わりに、2リットルのペットボトルを2本使用しますが、きつい方はなくても大丈夫です。
ステージ1
お尻ワイドスクワット
足を肩幅よりも1.5倍大きく開きます。ひざとつま先は斜め45℃程度外側に向けます。
ペットボトル1本を胸の前にセットして、ゆっくりお尻を真下に下げ、ゆっくり戻します。お尻を下げる目安は、ももと床が平行になるくらいです。
★つま先とひざは同じ方向に向けながら、お尻を下げます。ひざが内側に入らないようにしましょう。
★背筋を伸ばして胸を張って行いましょう。
背中ベントオーバーローイング
-
両手にペットボトルを持ち、足を腰幅程度に開いて立ちます。つま先とひざを正面に向けましょう。
- お尻を引いて股関節から上半身を折り曲げます。少しひざを曲げます。
手は肩の真下に伸ばして、この位置からひじを引いて、戻します。ひじが開かないように脇を閉めて、身体に沿わせるように両ひじを引きます。
この動きを繰り返します。
★胸を張って猫背にならないように姿勢をキープします。
★首や肩周りが力み過ぎないように注意しましょう。
★戻す動きは丁寧に。
お腹バイシクル
仰向けの状態になり、両ひざを立て、両手を頭の後ろに軽く添えます。
両足を上げたら、上半身を持ち上げ、対角のひじとひざを近づけて、反対の足は遠くに伸ばします。
ひじとひざを入れ替えて交互に繰り返します。
★首や肩周りに力が入らないように注意します。
★慣れてきたら、自転車を漕ぐように足全体を大きく動かしましょう。
リカバリーオープンバウンス
両足を開いて軽く左右に弾みます。
呼吸を整えながら、使った筋肉を一度緩めていきます。
★できるだけ足の動きは止めずに、上昇した心拍数を落とし過ぎないようにしましょう。
ステージ2
お尻クロスバックランジ
両手にペットボトルを持ち、足を肩幅程度に開いて立ちます。
片足をもう片方の足の後ろにクロスして、ひざを曲げ、腰を落とします。
戻して、反対側も同様に行います。
この動きを繰り返します。
★上体が前後や左右に傾かないように、腰をまっすぐ下に落とし、戻します。
★前側の足が床と平行になるくらい、ひざを曲げていきましょう。
背中コブラ
うつ伏せの状態になり、両足を揃えてまっすぐ伸ばします。両手は身体の横に置きましょう。
両手は外側に開き、上半身を持ち上げて、肩甲骨を寄せてゆっくり戻します。
この動きを繰り返します。
★アゴを引いて首を長く保ちましょう。
★背中のゆるやかなカーブを意識して、腰をそらし過ぎないように注意します。
お腹プランクウォーク
両手を肩の真下について、両足を揃えて伸ばします。頭からかかとまでを一直線に伸ばします。
この位置から、右ひじ~左ひじの順番でひじを床についたら、右手~左手の順番で手をつきます。
この動きを繰り返します。
★お尻の位置が、落ちたり上がりすぎないように気をつけます。
★身体の中心の軸を意識して行います。
★きつい方は、ひざをついて行いましょう。
リカバリーオープンクローズ
軽く弾みながら、片足ずつ右左に開き、片足ずつ閉じていきましょう。
ステージ3
お尻ジャンプスクワット
-
足を肩幅に開いたら、つま先・ひざを正面に向けます。
- お尻を後方に引きながら腰を下げて、両腕も下に下ろします。
両手を上げながら、反動を使って一気に真上にジャンプ。着地したらすぐにジャンプを繰り返します。
★ひざがつま先よりも前に出ないように。
★着地の足音が大きくならないように、やさしく着地をします。
★きつい方は、ジャンプを小さくしましょう。
背中スイミング
うつ伏せの状態になり、手足を伸ばして肩幅程度に開きます。
軽く手足を浮かせたら、さらに対角の手足を持ち上げます。
戻して反対を持ち上げます。
この動きを止めずに繰り返します。
★身体の中心軸を意識して、上半身がぐらつかないように、手足をコントロールしながら動かしましょう。
お腹ボートシットアップ
-
座った状態でペットボトル1本を胸の前にセットします。 上半身を軽く後ろに傾け、両足をマットから離します。
- さらに上半身を深く傾け、両足はできるだけ遠くに伸ばしましょう。
上半身と足を引き寄せるように元のポジションに戻します。
この動きを繰り返します。
★伸ばした足が床につかないように。きつい方は、ついていただいて結構です。
★首を長くキープして、また呼吸が止まらないようにしましょう。
リカバリーイージージャンピングジャック
両足を開いて閉じて、パーグーと弾んでいきます。リラックスしながら、この動きを繰り返します。
★きつい方は、ステージ1または2のリカバリーを行いましょう。
- 田中いずみさん プロフィール
- ACSM(アメリカスポーツ医学会認定運動生理学士)、NASM-PES(パフォーマンスエンハンスメントスペシャリスト)、NIKEマスタートレーナー、Radicalfitnessジャパンマスタートレーナー。
エアロビクス、格闘技、トレーニングやコンディショニングなどフィットネス全般の指導に従事し、機能的な身体づくり、楽しく効果的な指導を得意とする。また、インストラクターの育成、エクササイズ開発、フィットネスクラブやイベント等で幅広く活躍。また、パーソナルトレーナーとしても活動している。過去にはNHK-BS2「ドゥ!エアロビック」にもレギュラー出演した。
公式ブログ
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ご紹介しているメニューにつきましては、効果を保証するものではありません。
また実施する際は、ご自身で体調管理のうえ、無理をせず行ってください。
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