今回のゲストは、韓国・李王朝の流れをくむ、ただ一人の李朝風水師、李家幽竹先生。
「風水とは、環境を整えて運を呼ぶ環境学」という考え方のもと、衣・食・住、行動全般にわたる分野でアドバイスを行い、”運”を呼び込む術を多くの方々に伝授していらっしゃいます。
そこで、来る2010年が素晴らしい一年となるようにとの願いを込めて、「My life, My sleeping」 読者の皆さまだけに、初心者でもカンタンに実践できる風水術を教えていただきました!(取材:2009.11)
風水と占いは、まったく異質のものですが、混同されている方が多いですね。占いは、「何年後の何月に出会いがある」とか、「来年は仕事が好転し、金運がアップする」といったように、文字通り未来を占うわけです。
いっぽう風水は、「自分の置かれている”環境”や”行動”が、自分の”運”をつくる」というふうに考えますから、幸運の訪れを待っているだけではなく、まずは「衣食住」といった環境を見直し、運を呼び込む状態を自らつくっていくための学問です。
つまり、環境と行動を変えさえすれば、運気は自分の力でカンタンにアップさせることができるんですよ。ではどのように、環境と行動を変えればよいのかということですが、そのためのマニュアルが風水だと思ってください。
たしかに風水には、方位や色、時期など、さまざまな要素が絡み合っています。
だけど、すべてをいっぺんにマスターし、生活に取り入れるのは大変ですよね。それに、いくら運気がアップするからといって、自分の趣味に合わない家具を置くなんて気が進みませんし、ましてや家の間取りを変えることなんてできないでしょう?
そうではなく、風水のマニュアルの中から自分に合ったものをセレクトして、まずは行動してみることが大切なのです。たとえば、いらなくなった物を捨てるとか、玄関のお掃除をするとか、5分でできることから始めてみるだけでも運気は変わってきます。むしろ、一度にすべてのことを取り入れようとするよりも、小さなことをひとつひとつ積み重ねていった方が、運気が上昇するスピードが速いんですよ。
何かひとつ行動を起こすことで、確実に変化が訪れます。そこで得たパワーが、また次の行動を起こす原動力になるのです。
もっとも手軽で効果的なのは、家の中に眠っているいらない物を処分することです。
風水では、生きている人の住居を”陽宅(ようたく)”、亡くなった人が住む住居(お墓)を”陰宅(いんたく)”と呼ぶのですが、家の中に活用されていない物、つまり生きていないものがたくさん眠っていると、”陰宅”として見なされてしまいます。
運気を呼び込むためには、家の中を活性化させ、陰宅から陽宅に変えなければなりません。
私の場合、2年間袖を通していない洋服はリサイクルに出すようにしていますし、雑貨や小物の場合は、流行に合わなくなったら処分するようにしています。「もったいない……」と思ってなかなか捨てられない方も多いと思いますが、本当に必要なものかどうかはご自身が一番分かっているはず。たいていの場合、2年間使用していなければ、今後も使用することはないんじゃないかしら……。
すべていっぺんに処分しなくてもかまいませんから、クローゼットや下駄箱など、ひとつ場所を決めて使っていない物を捨てることから始めてみましょう。きっと、運気が変わってくるはずですよ。
一生懸命になりすぎないことですね。「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」と、義務感にとらわれて風水を取り入れたところで、負担になるだけで運気は上昇しません。無理をせずに、自分にできることから少しずつ始めることが大切です。
なかには、まるで修行をしているようにストイックに取り組んでしまう方もいらっしゃいますが、それはかえって逆効果。風水は、環境や行動を良くすることで運気を呼び込むわけですから、心にゆとりを持ち、楽しみながら実践することが運気アップのポイントです。こまめなお掃除も最初は面倒かもしれませんが、運気がアップするにつれて楽しみになります。
風水を始めて数ヶ月経つころには、金運や健康運といった個別な運だけでなく、全体の運気が底上げされていくでしょう。
- 【プロフィール】 李朝風水師/李家幽竹(りのいえゆうちく)さん
- 女性らしい独自のセンスで展開する風水論は幅広い層の女性から支持されており、テレビ・雑誌を中心に、鑑定・講演・セミナー等でも活躍中。主な著書:『運がよくなる仕事風水』『幸せを呼ぶインテリア風水』(光文社知恵の森文庫)、『2010年 李家幽竹の開運風水』(世界文化社)