今回は前回に続き、
美肌師の佐伯チズ先生のインタビューです。
前編では美の本質やお肌のお手入れについてお話しいただきましたが、後編ではチズ先生ご自身が実践されている健康法や今春から始められたwebのこと、今後のお仕事、夢などについて語っていただきました。(取材:2011.6)
「うなはたけ」の5つの要素がすべて整うと、ぷりぷり、艶々の、きれいなお肌になるのです。と同時に、健康的なお肌には健康な心も大事で、潤った心、なめらかな心、何を言われても大丈夫な弾力性のある整った心でいるためにも、飲んで体の中からきれいになってもらえるお茶を作りたいと思って開発したのが「うなはたけ茶」です。
どくだみ茶をベースに、美容にいいと言われるハトムギ、ローズヒップ、メイグル、ルイボスなどさまざまな素材を入れたブレンドティーです。
まず、「美肌茶房」というネーミングにしたのは、日本のお茶の良さをもっと再認識していただきたかったからなんです。お茶のカテキンの効用は色々言われていますが、それ以前に日本人の食生活に根づいたお茶の大切さ、そしてその役目など、他にもいいことがたくさんあるのよ、ってことを伝えたかったからです。
そして私が今までどういう意識で生きてきたか、どういう意識で仕事をしてきたかを、もっと多くのみなさんに知っていただきたい、という思いがあってこのwebマガジンを始めました。また、最近忘れられつつある、すばらしい日本の食の文化や知恵を見直してほしい、という思いもありました。
たとえば「きれいになりたかったら食べなさい」とか「きれいになりたかったら五感を磨くのよ」とか、そういったことをただ言うのではなく、なぜ食べなくてはいけないのか、なぜ五感を磨くことがいいのかを、より詳しく、私自身の言葉でお伝えしたかったんです。
睡眠時間は8時間、そして成長ホルモンの出る夜10時~2時のゴールデンタイムは寝ているのが理想だと聞きましたが、現実には無理です。忙しいと規則正しく睡眠時間を取ることもままなりません。でも、私はいつでも、どこでも寝られるんです。お医者様にもちょっとでいいから、時間が空いたときに寝なさいって言われました。4時間しか眠れなくても熟睡すればいい、とも言われましたよ。いくら8時間たっぷり寝ても、いい睡眠でなければ意味はないようです。時間よりも質ですね。
疲れていると帰宅後、ついうたた寝してしまって気がつくと深夜1時だった…なんてこともあります。でもそこから起きて、その日やらなくてはいけないことをやってから再び眠りますし、どうしても眠いときはもう、パッと寝ちゃう。だから、帰宅したら必ず最初にお化粧を落としてシャワーを浴びます。そうすれば、もしうたた寝しちゃっても「ああ、化粧落としてなかった~」なんて心配する必要ないでしょ?
実は私、枕フェチです(笑)。もう、こんなにどうするの?っていうくらい、枕はいろいろ使ってみました。いろいろ試してみましたが、首にしわを作らないためには、あまり高くない枕がいいんですね。
低い枕を使って、枕の横にはタオルケットを敷いています、横を向いたときのために。反対側にはウレタン枕を置いています。左右で高さが微妙に違うの。夏は暑いので綿のバスタオルにしています。
ベッドは畳の上に無圧のマットレスを敷いています。でも夏は暑いのでマットレスは外して畳の上で寝ています。人生で寝ている時間って、結構長いじゃないですか。だから寝具はきちんとしたものを揃えたほうがいいと思いますね。
私の子どもの頃は真綿の布団だったから、それは重かったんです。今は羽毛を使っていますが、これがとっても軽いの。こんなに軽いとは思いませんでした。掛けているというより、着ている感覚です。羽毛布団は一生モノだと聞いて、いいものを買おうと奮発したのですが、それが10年前。10年たっても全然大丈夫。
それに意外だったのが、羽毛布団は夏でも使えるんですね。空気がまんべんなく行きわたっている感じで、足先が冷えるような冷え症の人には本当におすすめだと思いますよ。あとストレスをためやすい人は上に重いものが乗っていないほうがいいと思うので、羽毛のような軽い布団にしたほうがいいと思います。
私は寝るときにはエアコンはつけません。肌が乾燥して良くないので、冬も暖房は入れません。そのかわり、肌に直接触れるものにはこだわりますね。夏は綿や麻、縮など。シーツだけでなく、枕カバーにもこだわります。パジャマもそう。肌に直接身につけるものは綿や麻、シルクなどの自然素材にしています。それだけで涼しさは全然違ってくるので。
暑くて寝苦しいときは、枕元に大きな洗面器を用意して、その中に保冷剤をふたつくらい入れます。そして水で濡らして絞ったタオルをその上にいくつか置いておきます。寝ているとき、汗をかいたらそこをそのタオルで冷やすと気持ち良くて、すぐにまた眠ることができます。寝苦しい夜に、ぜひやってみてくださいね。
主人が生きていた頃からの2人の夢が、引退後は山にロッジを建てて、そこへ住もうねというものでした。あと2年で70歳になるのですが、それを目安にサロンは若い人に引き継いで、私は温泉があって、平屋で、土間と囲炉裏があって、犬と猫とニワトリがいるロッジで生活をしたいなというのが今後の夢です。
そしてミニクーパーに乗って、全国にいる教え子のところをまわりたいのです。私はお蕎麦が大好物なので、全国を回りながらお蕎麦を食べて、それを紹介する本が出せたらいいですね。お蕎麦以外にも全国のおいしいものを食べ歩きしながら、それを紹介していけるといいですね。
取材のとき、先生のすぐ横に座らせていただいたのですが、そのお肌の透明感にびっくりしました。
オードリー・ヘップバーンにあこがれて以来、いっさい紫外線を浴びず、美しくいるために努力されてきた毎日のお手入れの賜物かと。「継続は力なり」といいますが、それを見せつけられた思いがしました。そういえばこのとき履いていらっしゃったパンプスは7センチヒール!すっとまっすぐに伸びた背筋、そしてあのかわいらしい笑顔。まさに「カッコかわいい」女性でした。
そうそう、先生は「嵐」の大ファンだそうで、嵐にハグしてもらうのがもうひとつの夢だそうです。「第二の森光子になるのよ!」とも。その心こそが、若さの秘訣だと、私は確信したのでした。
- 【プロフィール】 佐伯チズ/美肌師
- 1943年生まれ。2003年、外資系化粧品会社を定年退職後、「ひとりでも多くの女性をきれいにしてさしあげたい」という思いから、エステティックサロン「サロンドール マ・ボーテ」を開業。また美容理念と佐伯式美容理論を提供する場、「佐伯式美肌塾チャモロジースクール」を開設。2008年には念願の銀座にてオープン。著書も多数あり、これまで出版した書籍は累計400万部を突破。テレビでも「知りたがり!」(フジテレビ)、「ちちんぷいぷい」(毎日放送)、「チズ×マチャミのキレイの台所」(テレビ東京系列)、などでコメンテーターとして活躍中。
今年の4月には「全てのキレイになりたい人へ佐伯チズの美と食に関する想いと知恵」から Webマガジン『美肌茶房』が誕生しました。
佐伯チズオフィシャルサイトから御覧頂けます。