今回は、年齢とともに下がってしまったバストを引き上げるエクササイズをご紹介します。骨盤周りの筋肉を緩めて姿勢を整え、胸の筋肉を鍛えることで、バストトップの位置を改善していきます。1週間程度続けていただくと、効果を実感していただけると思いますので、ぜひ続けてみてください。
※ 周囲に障害物がなく、足元が安定した場所で行ってください 。
バストが下がる原因は、加齢によって、胸の前にある大胸筋と小胸筋が弱まることと、猫背になるなど体の変形性が強まること、またバストを引き上げているクーパーじん帯が、年を重ねる中で切れてしまうことなどが挙げられます。
バストが下がってしまっている場合、むやみに鍛えるのはおすすめできません。そこで今回ご紹介するメニューは、過度な負荷をかけずに効果が期待できる、毎日でも続けていただける内容になっています。大事なのはコツコツ続けること。まずは3日間、次は1週間、さらに2週間と続けてみてください。1か月続けられたら、クセになると思います(笑)。多少の筋肉痛であれば、行って問題ないと思いますので、まずは続けることを優先していただきたいです。
行うタイミングは、朝がおすすめです。一日の始まりに姿勢を整えるという意味でも良いと思います。逆に、筋トレもありアドレナリンが出やすいので、夜寝る前に行うと寝つきが悪くなってしまう可能性があります。その点は注意してください。
そもそも、年を重ねるとなぜクーパーじん帯が切れてしまうかと言うと、バストが揺れる衝撃が原因なんです。例えば階段の上り下りなどでも、上下運動が起きてバストが揺れてしまいます。
日常生活はワイヤー入りのブラを着けるのがいいと思いますが、運動をする場合は動きが激しくなるので、通常のブラではバストの上側の揺れを抑えられません。バストの揺れを抑えられる設計のスポーツブラの着用は重要だと思います。
せっかく続けていたバストアップのトレーニングが、バスト周りの筋肉は鍛えられても、実はバストの揺れによりクーパーじん帯が切れてバスト自体が下がるということにつながることも。最近、リモートでのトレーニングが増えてきて、「寝巻きのままやってます」という方もいらっしゃいますが(笑)、トレーニングの効果を無駄にしないために、スポーツブラの着用にも目を向けてほしいですね。
食生活においては、ホルモンバランスを考えた方がいいと思います。ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロンという2つがありますが、このバランスを崩すと更年期障害などにつながり、さらに栄養不足も重なるとバスト位置も下がってしまうことがあります。子宮ホルモンのひとつ、プロゲステロンを活性化するためには、ビタミンB、D、K、ミネラル成分などをしっかり補給することも大切です。最近は低体温の女性が増えていて、そのような方はミネラル不足になりがちですので、積極的に摂ってほしいです。またバストは 女性ホルモンが関与しているので、ハリを出したい場合は、やはり大豆イソフラボンを摂ることが大切です。
プロテインを飲むのもいいですね。運動をしていない人でもプロテインを飲んでいいの?とご質問をいただきますが、むしろ飲まないとタンパク質が足りていない女性がとても多いです。私はよく、ソイプロテイン(大豆を原料にした植物性のプロテイン)を豆乳で割ったものを朝食に置き換えて飲んだりしています。このように、プロテインと大豆イソフラボンを意識して摂取されることをおすすめします。
最近はご自宅でのお仕事が増えて、姿勢が悪くなっている方が多いように感じます。 本来は腰の上に頭が乗っているのが正しい姿勢なのですが、頭が腰に乗っておらず、猫背で前傾姿勢になっている方がとても多いです。重心がぶれると、バストも垂れてきてしまうので、頭の位置がどこにあるのかを時々気にしてほしいですね。
やはり美しさにおいて一番重要なことは「健康」だと思います。では「健康」とは何か?それぞれに合ったバランスの良い食事、適度な運動、生活動作と呼ばれる基本の姿勢がどれだけ維持できているか、そしてこれらを考える時間=自分自身と向き合う時間を持てているか、一度考えてみてほしいですね。
私の考案したメソッド「美コア」が最終的に目指すのは、体温上昇です。食事・運動・生活の3本柱のバランスを整えて体温が上昇すると、免疫力も代謝もアップします。健康的に細く引き締まり、見た目も変わるとメンタルも変わる。生活の質も上がり、仕事やプライベートなど色々な面でモチベーションが上がってきます。実際、美コアのレッスンに通われているみなさんは、どんどん生き生きしてきています。そのような方がもっとたくさん増えるといいなと思っています。
1.ウォーミングアップ
呼吸に合わせたストレッチで体を緩めて、姿勢を改善していきましょう。
呼吸
ストレッチをするときの呼吸法です。
あぐらの体勢になります。
あぐらをかけない方は体育座りでも構いません。
坐骨をマットに均等に乗せて、背筋を伸ばして、少し後ろ重心です。
鼻から6秒かけて息を吸って、ゆっくりと口から8秒かけて吐きます。
これを3回繰り返します。
最後に、鼻から息を吸って、口から吐いて背中を丸めて脱力です。
背骨引き伸ばしストレッチ
背骨を頭頂から引っ張り、首から骨盤につながる背骨周りの筋肉を緩めて姿勢を整え、猫背を改善してバスト位置を引き上げます。
あぐらの体勢で、少し後ろ重心です。
左手を右の太ももに、右手は腰の後ろにつきます。鼻から息を吸って背筋を伸ばして、吐きながらねじります。視線は右の肩の先を覗きます。
息を吸って少し正面に戻り、もう一度吐いてさらにひねります。
吸う息で正面に戻り、吐いて力を抜きましょう。
反対も同じように行います。
骨盤周りストレッチ
骨盤周りの筋肉を緩めます。
あぐらの体勢から、左右のかかとが重ならないように一直線上に置きます。手は床に。
坐骨はなるべくマットに均等に置きます。
鼻から息を吸って、吐きながら前屈です。頭をできるだけ下に下げていきましょう。
腰周りから、前に出している足のお尻周りを伸ばします。
息を吸って、吐きながら上体を起こします。
足を前後入れ替えて、反対も同じように行います。
恥骨周りストレッチ
恥骨周りの筋肉を緩めます。
骨盤が歪んで恥骨が下がると、バストや顔の下垂につながりますのでしっかり緩めて、骨盤と恥骨を正しい位置に戻しましょう。
あぐらの体勢から、右足を横に伸ばし、つま先は天井に向けます。左足は、かかとをなるべく股の近くに置き、腰骨を立てましょう。
両手は後ろについて、上体も少し後ろに。
鼻から息を吸って、腰を大きく前に反らせて、おへそを前に突き出すようにします。
息を吐きながら背中を丸くして、骨盤を後ろに倒し、おへそを背中の方に押し込むようにして腰を落とします。
息を吸って背中を反らし、おへそを前へ。
吐きながら背中を丸く、腰を後ろへ。
3回繰り返しましょう。
反対も同じように行います。
小胸筋ストレッチ
大胸筋の下にある小胸筋を緩めて、巻き肩を改善してバスト位置を引き上げます。
四つ這いから右手を外側に広げ、左手は手の平をマットについて、右耳をマットにつけます。足は腰幅に広げ、足の甲は寝かせておきます。
鼻から息を吸って、吐きながら右胸をマットに落としていきます。
息を吸って、吐いてさらに深く胸を落とします。
3回繰り返しましょう。
左の手の平で床を押して四つ這いに戻り、反対も同じように行います。
首周り・僧帽筋ストレッチ
首周りと僧帽筋を緩めて、猫背を改善してバスト位置を引き上げます。
あぐらの体勢から、左手を右のこめかみに。右手は腰の後ろにつきます。
一度鼻から息を吸って、口から吐きながら、ゆっくりと首を真横に倒して、僧帽筋を伸ばしましょう。
右の肩を下げてさらに伸びを感じましょう。
続けて、手を後頭部に当てて、あごを引いて首の後ろを伸ばします。僧帽筋は背中側にも走行しています。首だけを落として、背中は丸くならないように。
最後は、おでこに手を当てて、あごを上げます。
そのまま頭が真下を経由するように回して、顔を正面に戻します。鼻から大きく息を吸って、吐きます。
反対も同じように行います。
2.トレーニング
バスト周りの筋肉を鍛えてバストアップしていきます。
大胸筋トレーニング
胸を支える土台となる大胸筋を鍛えてボリュームアップしていきましょう。
四つ這いになり、手はマット幅以上に広げて、手の平はパーで指先はなるべく正面に向けましょう。足は腰幅に広げて、足の甲は寝かせます。
ここから4秒で上体を下ろして、4秒で戻ります。
これを5回繰り返します。
鼻から息を吸って、吐きながら上体を下ろします。なるべくお尻をしっかり前にスライドするようにマットぎりぎりまで落として、鼻から吸って戻ります。
できる方は、ひじを曲げたまま、続けて行います。
背中は反り過ぎないように、ひじをしっかり外に開いて行いましょう。
最後は、四つ這いからお尻をかかとに下ろしてリラックス。腰から上体を持ち上げて正座の姿勢に。
小胸筋トレーニング
小胸筋はバストを引き上げる役割を持っていますので意識して鍛えましょう。
足を前に伸ばして、腰幅に広げます。
肩関節の真下にひじを置きます。
あごを引いておへそを見ます。
そのまま胸を大きく広げて、一度お尻を持ち上げます。
鼻から息を吸いながら4秒でお尻をマットぎりぎりまで下ろして、吐きながら4秒で上げます。
これを5回繰り返します。
最後は、ゆっくりお尻をついて力を抜きましょう。
3.クールダウン
鍛えた筋肉を緩めていきましょう。
小胸筋ストレッチ
肩が横にキレイに伸びるので、その分バスト位置も上がります。
あぐら、または体育座りになり、両手を大きく広げて腰の後ろにつき、胸を開いて頭を後ろに倒していきます。
鼻から息を吸って、口から吐きながら、胸を開くようにおへそを天井に引き上げます。頭はしっかり後ろへ倒します。
これを3回繰り返します。
最後に、吸う息でゆっくりと顔を正面に戻し、吐きながら背中を緩めます。
大胸筋ストレッチ
胸が開き、デコルテやバストラインをきれいに保ちます。
あぐらの体勢で、両手を後ろで組みます。
鼻から息を吸って、胸を大きく開くように肩甲骨を寄せて、吐きながら、ゆっくりと胸を天井に向けて上を見ます。あごを斜め上に引き上げましょう。
これを3回繰り返します。
余裕がある方は、両手を上に持ち上げるとさらに効果的です。
最後に、吸う息で正面に戻り、吐きながら手をほどいてリラックス。
背骨引き伸ばしストレッチ
背筋を伸ばし、正しい姿勢を保ちます。
あぐらの体勢で、少し後ろ重心です。
左手を右の太ももに、右手は腰の後ろにつきます。鼻から息を吸って背筋を伸ばして、吐きながらねじります。視線は右の肩の先を覗きます。
息を吸って少し正面に戻り、もう一度吐いてさらにひねります。
吸う息で正面に戻り、吐いて力を抜きましょう。
反対も同じように行います。
恥骨周りストレッチ
バストアップだけでなくフェイスラインも引き上がり、小顔効果も期待できます。
右足を広げて、右手で右足の親指をつかみます。難しい方は、すね辺りでも構いません。
左手は腰に添えるか後ろにつきます。
左足は、かかとを股の近くに。
背筋を伸ばして、正面を見ます。
きつい方は、ひざが曲がっても構いません。
骨盤を正面に向けることを意識しましょう。
鼻から息を吸って、吐きながら骨盤から体を横に落としていきます。頭から下りないように。またお尻が上がらないように、坐骨はマットに均等に置きましょう。
吸って戻って、吐いて倒します。
3回繰り返します。
吸う息で上体を戻し、吐いて力を抜きましょう。
反対も同じように行います。
首周り・僧帽筋ストレッチ
胸が開きやすくなり、バストアップにつながります。
あぐらの体勢から、左手を右のこめかみに。右手は腰の後ろにつきます。
一度鼻から息を吸って、口から吐きながら、ゆっくりと首を真横に倒して、僧帽筋を伸ばしましょう。
右の肩を下げてさらに伸びを感じましょう。
続けて、手を後頭部に当てて、あごを引いて首の後ろを伸ばします。僧帽筋は背中側にも走行しています。首だけを落として、背中は丸くならないように。
最後は、おでこに手を当てて、あごを上げます。
そのまま頭が真下を経由するように回して、顔を正面に戻します。鼻から大きく息を吸って、吐きます。
反対も同じように行います。
最後に。
手首を振って、胸の前で合掌。
今日整えた体と心に感謝をして。
鼻から息を吸って、口から吐いて。
息を吸って、両手を上に。吐いて脱力。
これを3回繰り返します。
- 山口 絵里加さん プロフィール
スポーツトレーナーとしてアスリートのボディメンテナンスからキャリアをスタートしたのち、運動・食事・睡眠の質や姿勢も含めた生活習慣を整え、体幹(コア)を鍛えながら体温上昇と代謝アップを目指すオリジナルメソッド「美コア」を考案。生活習慣改善で一ヶ月-10キロを実現するダイエットスペシャリストとして、数多くのアスリートやモデル、芸能人からも支持され、女性誌、テレビ出演の他、著者も多数、トレーニング動画を配信するYouTubeチャンネル登録者数は15万人を超える。
現在は、東京・麻布十番にある『美コア東京スタジオ』を基点に活動し、美コアを全国に広め、トレーナーも養成。
『美コア東京スタジオ』公式ホームページ Instagram
‐免責事項‐
ご紹介しているメニューにつきましては、効果を保証するものではありません。
また実施する際は、ご自身で体調管理のうえ、無理をせず行ってください。
ケガ・体調不良などにつきましては、当コンテンツ制作者は一切の責任を負いかねます。
※周囲に障害物がなく、足元が安定した場所で行ってください 。