ネイルサロンに通うことが、美容院に行くのと同じくらい一般化した現代。華やかなジェルネイルを楽しむ女性が増えている一方で、職業柄、爪が伸ばせない、ジェルやカラーリングなんてもってのほか、という女性も多いものです。そこで爪そのものを美しく保つ方法や、爪をケアするメリットなどについてプロに伺いました。
爪は皮膚(表皮)が角質化したもので、爪の付け根の部分で作られています。爪の根元に白い半月の部分があると思いますが、そこはまだ水分を含んで柔らかい状態なんです。
伸びながら徐々に水分含有量が減っていって、硬い爪になっていくんです。柔らかい半月の部分にダメージが加わると、爪に横溝ができてしまうことがあります。
ケアをやり過ぎたり、甘皮処理の際に強く押し上げたりしても、横溝の原因になります。爪のケアは大切ですが、やり過ぎには注意してください。ちなみに、半月の大小によって爪の健康状態に違いがあるわけではありません。
一方、爪に縦すじが入ってしまうことがありますが、これは加齢や乾燥がおもな原因と言われています。残念ながらできてしまうと改善は難しいのですが、表面を磨いたりすることである程度、見た目を整えることができます。
ご紹介しているネイルケアを行う場合、頻度は2~3週間に1回くらいが目安ですが、爪の伸び方には個人差があり、また季節によっても変わります。冬は伸びるのが遅く、夏は早くなるんです。なので季節によっても調節してみてください。例えば、長さを整えるのは2週間に1回で、甘皮ケアは3週間に1回といった具合に、メニューによって頻度を変えていただくのもいいと思います。
足の爪をお手入れする場合、頻度は1カ月に1回程度で大丈夫です。爪の長さは、指先と揃えるか少し短い程度を目安にするといいでしょう。靴を履いた時に爪先が靴に当たってしまうと、剥離や亀裂の原因になりますので、特にヒールなどを履く機会が多い方は、少し短めに整えておくと負担が少なくなります。
手足に関わりなく、爪のダメージを予防するには保湿が一番です。キューティクルオイルは、こまめにつけるといいでしょう。またハンドクリームを塗る時は、指先をマッサージして血行を促しながら塗るのがおすすめです。
爪の形別 おすすめカットスタイル
縦長の方 | どんなカットスタイルも似合いますので、いろいろ挑戦してみてもよいでしょう。 |
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甘皮側が細く 先端に向かって 広がっている方 |
ラウンドまたはオーバルなど、丸く整えると女性らしく、ほっそりとした指先の印象に仕上がります。 |
横幅が広い方 | ラウンドで丸く整えると女性らしく自然な印象に仕上がりますが、ポイントまで先端を尖らせてしまうと、ストレスポイントに負担がかかりやすくなり、亀裂の原因になりますので、あまりおすすめできません。
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私が考える理想の爪とは、トラブルのない清潔感のある状態です。爪が美しいと指先の印象も変わります。またジェルネイルやカラーリングも、健康な爪に乗せた方が、持ちが良くなります。
爪の形は人それぞれですが、爪のピンクの部分の長さ(大きさ)はお手入れによって変えることができます。変化には個人差がありますが、ジェルやスカルプチュアなどを乗せてある程度の長さをキープし続けていると、それを支えようとして爪の裏側と指が接しているハイポニキウムと呼ばれる部分が伸びてきます。
私自身、ネイルケアを始めて爪が大きくなって、別人の手になったように感じています。お手入れによって爪を育てているという感じですが、そこまでの変化はやはりご自宅のケアだけでは難しいので、サロンでプロのケアもぜひ体験してみてください。
ネイルケアを始める前に、使用する道具をご紹介します。
どれも雑貨店や100円ショップなどで手軽に購入できますので、ぜひ揃えてみてください。
- ネイル専用のやすりをファイルと言います。今回は3種類のファイルを使います。
エメリーボード
爪の長さや形を整える時に使用するファイル。
目の粗さを表すグリット数は180~240グリットがおすすめです。バッファー
爪の表面の凹凸を整えるファイル。
目の粗さを表すグリット数は220、280グリットがおすすめです。シャイナー
凹凸を整えた後に爪の表面を磨くファイルです。
コットンスティックの作り方
甘皮のケアに使用するコットンスティックの作り方をご紹介します。コットンを2枚に裂きます。
少しちぎります。
それを2つにちぎって重ね、 もう一度ちぎって重ねます。
コットンの中心にウッドスティックの先端を当て、巻きつけて完成です。
爪の長さと形を整えていきましょう。
今回は、どんな爪の形にも似合う、ラウンド型に整えていきます。
この時、爪切りを使うと、カットの衝撃で二枚爪などの原因になることがありますので、エメリーボードで少しずつ削りながら整えます。ただし、長い爪を短くしたい場合は、爪切りである程度カットしておきましょう。
- 1まず、エメリーボードの持ち方は、親指、人差し指、中指の3本でエメリーボードの端を持ちます。
★手の中にピンポン玉が1個入るくらいのイメージで、軽く持つのがポイントです。
- 2整える側の手はグーにして、爪の先端から整えていきます。
エメリーボードを爪に垂直に添え、45度くらいの角度で爪に当てます。角度をキープしながら一定方向にゆっくり動かして削っていきましょう。★爪を削る際に、強く押して削ったり、往復して削ったりしてしまうと爪に負担がかかり、爪の層が崩れ二枚爪の原因にもなりますので注意しましょう。
- 3サイドは、エメリーボードを爪と平行に添えます。
先端を整えた時と同じ角度で爪に当てて、一定方向に削っていき、サイドラインをストレートに整えます。★エメリーボードを爪に斜めに添えてしまうと、ストレスポイントという最も負荷のかかりやすい部分を傷つけてしまうことがあります。亀裂などを防ぐためにも、爪と平行に添えることがポイントです。
- 4サイドから先端までを、角が残らないようにつなげていきます。
- 5反対側も同様に整えます。
サイドラインをストレートに、そしてサイドから先端までを角が残らないようにつなげていきます。
甘皮(キューティクル)ケアは、爪の形を美しく見せるだけでなく、爪の育成を促し、爪の乾燥を防いで、健康的な爪へと変えてくれますので、マッサージも併せて行いましょう。
- 1少量のキューティクルクリームを甘皮に塗ります。
キューティクルクリームには、保湿効果と甘皮をやわらかくする効果がありますので、甘皮と爪のサイドをマッサージするように伸ばします。
- 2爪の周りのツボ3か所を押していきましょう。
爪の両サイドと生え際を上下から挟んで軽く押します。
- 3ぬるま湯を入れたボウルを用意します。
指先を3~5分つけて、爪の周りの皮膚を柔らかくし、手についた水分を軽く拭き取ります。
- 4少し湿らせたコットンスティックで、甘皮をサイドから軽く押し上げていきます。甘皮は非常にデリケートな部分ですので、優しく行いましょう。
- 5反対側の手の親指にガーゼを巻きます。
ガーゼの真ん中に親指を当て、周りの部分を内側にねじり、手の中におさめます。
- 6ガーゼを少し湿らせ、処理している爪の裏側を中心からストレスポイントに向かってぬぐい、爪の裏側の汚れを取り除きます。
★強くぬぐい過ぎて、指から爪が持ち上がらないように注意しましょう。
- 7甘皮のサイドからコーナーに向かってぬぐっていき、ルースキューティクルという甘皮の周りに付いている白い薄皮を取り除きます。
★甘皮には、ばい菌などから爪を守る役割があります。取り過ぎると炎症などの原因になり、甘皮周りを傷つけてしまうことがありますので、一般の方がニッパーを使っての甘皮の処理はあまりおすすめできません。
爪表面の凹凸をなめらかにし、自然な光沢のある美しい爪に仕上げていきましょう。
- 1バッファーとシャイナーの持ち方を確認しましょう。
親指と中指でもち、人差し指を上から添えます。
- 2まず、バッファーで爪の丸みに合わせて、甘皮の周りから爪の先に向かって、少しずつ移動させながら動かしていきます。
- 3続いて、シャイナーで爪の表面全体を磨いていきます。
- 4仕上げに、キューティクルオイルを甘皮に塗り、よく馴染ませ保湿したら完成です。
★キューティクルオイルは浸透力が高く、爪の乾燥やささくれを防いで、美しい爪にしてくれます。特に、爪の乾燥が気になる方は、こまめに塗るようにしてみてください。
- 小山カオルさん プロフィール
- JNA本部認定講師、マスターエデュケーター。
TOKYO NAIL EXPO2012 全日本ネイリスト選手権 プロフェッショナル部門 グランドチャンピオン、ASIAネイルフェスティバル2013「ASIA CUP チャンピオン」など、数々の大会で入賞を果たす。現在はネイリストとして雑誌等でも活躍する一方、ネイリストスクールの講師として後進の指導にも当たっている。
「NSJネイルアカデミー」ホームページ:http://www.nsjnail.com/
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ご紹介しているメニューにつきましては、効果を保証するものではありません。
また実施する際は、ご自身で体調管理のうえ、無理をせず行ってください。
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