骨盤は日々の生活習慣や癖によって少しずつ歪んでしまいます。骨盤矯正エクササイズは、骨盤を正しい位置に戻し、キープすることで猫背や反り腰を改善して姿勢を整え、ぽっこりお腹や下半身太りを改善する効果も期待できます。週に1~2回このエクササイズで歪みをリセットして、美しいボディラインを保ちましょう。
※ 周囲に障害物がなく、足元が安定した場所で行ってください。
骨盤はいくつもの骨が組み合わさっています。その全体が前後や左右に傾いたり歪んだりすることに加えて、骨盤そのものも多少歪むことがあります。
骨盤が歪む主な原因は、椅子に座る時に足を組む、左右どちらからに体重をかけて立つ、バッグを片側の肩だけにかけるといった癖に関係しています。また骨盤はお尻の筋肉などに支えられているので、骨盤周辺の筋力が弱いと骨盤を支えられなくなって、傾いたり歪んだりします。妊娠出産などで身体が大きく変化することも原因として挙げられますね。
骨盤が歪むと、猫背や反り腰、X脚やO脚、さらに下腹が出てきてぽっこりお腹になってしまうなどボディラインが崩れます。また、血液やリンパの流れが悪くなり、代謝も悪くなり、冷えやむくみを感じるようになり、身体の内側の循環が悪く太りやすい身体になってしまいます。反対に歪みが整うと、これらの改善が期待できるんです。
骨盤の歪み・傾きをチェックする簡単な方法をご紹介しましょう。
骨盤の開きをチェック
長座になり、両足のつま先の角度をチェックしましょう。足の力を抜いた状態で、どちらかの足が開き過ぎていると、そちら側の骨盤が開いている可能性があります。
骨盤の左右の傾きをチェック
鏡の前にまっすぐに立ち、両手を腰骨に当てます。手の高さに左右差がないかチェックしましょう。
骨盤の回旋をチェック
まっすぐ立ち、立っている位置を覚えておきます。目を閉じて、その場で50回足踏みをします。終わった時に、最初の位置からどれくらい動いたかを確認しましょう。最初の位置よりも右に回っていたら右に、左に回っていたら左に、骨盤が回旋している可能性があります。また前に進んでいたら重心が前に、後ろに下がっていたら後ろ重心になっている可能性があります。
ご紹介しているエクササイズを行う場合、食後は1~2時間空けてください。血液やリンパの流れが良くなりますので、水分補給はしっかり行い体内の巡りを良くしておきましょう。エクササイズは正しいフォームで行うことが大切なので、注意点を守って行ってください。また、例えば左右に回旋してみた時に、右に回旋しにくいから、骨盤が左に回旋してるのかなといったことに気づくことも大切です。ご自分の体の状態を確認しながら、やってみていただきたいですね。
左右差を感じた場合、動きが悪い方は普段使えていない可能性が高いので、少し回数を多めにしてしっかり動かしてあげましょう。筋肉が硬く左右差がある場合は、エクササイズの前に硬い方を少し長くストレッチしてほぐすとより良いです。
全部のメニューを行うのが難しかったら、まずは「お尻歩き」がおすすめです。1日の歪みをリセットするイメージで、テレビを見ながらやっていただいたりするといいですね。
今回はヨガブロックを使ったエクササイズもご紹介しています。ブロックを足に挟むことで内転筋がほぐれ、連動して股関節もほぐれます。股関節の動きが良くなることで、骨盤の歪みの改善も期待できます。また内転筋の強化にもなります。普段からしっかり内転筋を使えると、骨盤が締まってお腹が引き上がり、ぽっこりお腹が改善したり、O脚・X脚が整い美脚につながったりします。
ブロックは、初心者の方は柔らかめがおすすめです。足に挟んで痛いと感じたら、バスタオルを使いましょう。バスタオルはできるだけギュッと硬く巻いて使ってください。
エクササイズと併せて日常生活でも、ふと立っている時などに重心の位置を気にしてみてください。片足に重心が乗りすぎているなど、ご自身の立ち方の癖に気づいたら、お腹を引き上げ、両足均等に体重をかけて立つことを意識しましょう。歩く時も、お腹を引き上げてキレイな姿勢を意識できると良いですね。
以前フラエクササイズをご紹介しましたが、フラは左右対称に骨盤周りの筋肉を柔らかく動かすので、骨盤周りの筋肉が良くほぐれ骨盤矯正につながります。フラエクササイズのセミナーでは、ご紹介しているようなメニューを前半に行って、後半はフラのステップをやるケースがよくあります。今回のメニューと一緒にフラのステップを取り入れていただくのもいいですね!踊りがお好きな方でしたら特に、楽しく骨盤を整えることができ体幹も鍛えられておすすめです(笑)。
骨盤矯正のレッスンに通われている方からは、姿勢が良くなった、腰痛・肩こりが楽になった、むくみが気にならなくなったというお声を多くいただきます。ご年配の方で歩くのが速くなったという方もいらっしゃいます。股関節の動きが良くなり体幹も鍛えられて、歩幅が広がって歩くのが楽になるんですね。身体が変わると、みなさんハマるので(笑)、ぜひ続けてご自身の身体の変化を感じていただきたいですね。
1.ウォーミングアップ
ウォーミングアップも兼ねた、骨盤の歪み改善エクササイズです。
前後、左右、回旋の3つの動きで全身を緩め骨盤を整えていきましょう。
①前後
まずは前後に動かすエクササイズです。
足は肩幅より広めに開き、ひじを曲げて手を前に伸ばし、手の平は天井に向けて準備します。
息を吸いながら、ひじを後ろに引いて肩甲骨を寄せていきます。胸をしっかり開きましょう。
吐く息で、ひざを緩めながら、手の甲と甲を前で合わせるようにして、肩甲骨を開いてきます。
この動きを、20回行いましょう。
★肩甲骨と骨盤は連動して動くので、肩甲骨周りをほぐすことで骨盤周りの筋肉も緩み、骨盤の歪みを整えやすくなります。
★骨盤を前後に動かすことで、反り腰などで骨盤が前傾してしまっている方や、猫背などで骨盤が後傾してしまっている方も、骨盤を正しい位置に戻すことが期待できます。
②左右
次は左右に動かすエクササイズです。
足は肩幅に開き、右手を上げます。
息を吐きながら、ひじとひざを近づけるように、上体は横に倒し、足はひざを外に開くように持ち上げます。
この動きを15回行いましょう。
左側も同様に行います。
★脇腹のお肉をつぶすように行うことで、骨盤周りの筋肉がよくほぐれます。
★上体は顔ごと倒すことで背骨と骨盤をしっかりほぐすことができます。
★ひざをしっかりと外に開いて股関節の可動域を広げましょう。
★左右のストレッチで、背骨をほぐして正しい位置に戻すことで、骨盤の左右の高さを揃えていきます。
③ 回旋
続けて回施のエクササイズです。
足は骨盤幅に開き、足先はハの字で親指を内側に入れます。両手は胸の前でクロスします。
お尻を締め、骨盤を立て、お腹は引き上げた状態で、息を吐きながら、上体を右に回旋します。
顔は正面のまま、息を吐きながら左に回旋します。正面に背中を見せるように思いっきりねじりましょう。
テンポを上げて、左右交互に40回行いましょう。
● ひざが痛い方は、ひざと足先は正面に向けたままで行いましょう。
● 右回旋の時は右足の親指、左回旋の時は左足の親指が浮きやすいので、床から離れないように気をつけましょう。
● 腹筋が使えていないとお尻が後ろに出てきて反り腰のような姿勢になってしまいますので、下腹部から上体を引き上げて、お尻を締めて、骨盤を立てて行いましょう。
★この動きは、骨盤の開きの左右差を整えることができます。また、骨盤がねじれてしまっている方は、正しい位置に戻すことが期待できます。
★下腹部を締めながら行うので、骨盤が締まり、ぽっこりお腹の改善にもつながります。
40回終わった時に、普段骨盤が開いている方は、足先が外に開いてしまいます。また右の骨盤が開いている方は右足先だけが外に開き、左の骨盤が開いている方は左足先が開いてしまいます。足先が開かないためにも、足の親指が床から離れないように気をつけて行いましょう。
2.エクササイズ
ここからはメインパートです。
骨盤の歪みを整えながら、骨盤を正しい位置に保つための筋肉を鍛えていきましょう。
① 骨盤を整えるエクササイズ
まずは、骨盤を前後左右に動かすエクササイズです。
足は腰幅に開き、両手を腰におきます。ひざと足先は正面に向けましょう。
ひざを緩め、上体は引き上げて、キープします。
息を吐きながら、骨盤を前に動かします。
息を吸いながら、骨盤を後ろに動かします。
この動きを20回繰り返しましょう。
● 上体は美しい姿勢をキープして、骨盤だけを動かしましょう。
続けて左右です。
上体は引き上げキープしたまま、息を吐きながら、骨盤を右にスライドさせます。
左も同様に行いましょう。
この動きを20回繰り返しましょう。
★上体をキープすることで、体幹が鍛えられ、インナーマッスルにも効いてきます。
次は骨盤を回して整えます。
上体は引き上げキープしたまま、ひざと足先は正面で、骨盤を、前、右、後ろ、左と回していきます。20回まわしましょう。
前
右
後ろ
左
反対も同様に20回行います。
★骨盤が開いている方は、エクササイズ中に足先が外に開いていきやすいので、ひざと足先は正面をキープすることを意識して行いましょう。
★ひざと足先を正面でキープして行うことで内転筋が鍛えられます。
★この動きは、骨盤を正しい位置に保つために必要な骨盤底筋や腹筋全体を鍛えます。
★骨盤の前傾・後傾や骨盤の左右差を改善し、骨盤を正しい位置に戻すことが期待できます。
② ブロックスクワット
次はヨガブロックを使ったブロックスクワットです。 ブロックがない方は、バスタオル2枚をしっかり巻いて代用しましょう。
ブロックをサドルの位置に挟んでスクワットです。
ブロックを自転車のサドルの位置にセットして、足を閉じます。
息を吸いながらひざを緩めます。ブロックは、つぶすようにしっかり挟んでおきましょう。
息を吐きながらお尻を後ろから押されるような感じで、お尻を締めながら、骨盤を前に出していきます。
この動きを20回繰り返しましょう。
★骨盤底筋や内転筋を鍛えます。
★大殿筋にも効くのでヒップアップも期待できます。
★またこの動きは、反り腰の改善にも役立ちます。
ブロックをひざ上に挟んでスクワットです。
ブロックをひざの少し上で挟みます。足幅はこぶし1つ分くらい開けておきます。
胸を張り、息を吸いながら、お尻を後ろに突き出していきます。
息を吐きながら、元の位置に戻ってきましょう。
さらに息を吸いながら、お腹を引き上げ、かかとを上げて、吐きながら下ろします。ブロックをしっかり挟み、足の親指が床から離れないように気をつけましょう。
この動きを20回繰り返しましょう。
● お尻を後ろに引いた時、足先よりひざが前に出るとひざに負担がかかりますので、足先より前に出ないようにお尻をしっかり後ろに引きます。
● 背中が丸くならないように、胸をはって背中を伸ばした状態でお尻を後ろに引くようにしましょう。
★このエクササイズは、骨盤底筋や内転筋を鍛えることに加えて、体の軸も整い、正しい重心の位置を取り戻すことができ、猫背などの姿勢改善にもつながります。
③ お尻歩きエクササイズ
最後はお尻歩きのエクササイズです。
まずはあぐらの姿勢でお尻歩きです。
右足前のあぐらの姿勢になります。お尻のお肉を外に出して、二つの坐骨を床に突き刺すように座りましょう。
右のかかと、左のかかと、おへそが一直線になっていること確認して、右のお尻から持ち上げていきます。
元の位置に戻したら、左のお尻を持ち上げていきます。
これを左右交互に40回行いましょう。
足を組みかえて行います。
左足前のあぐらの姿勢になります。
左のお尻から持ち上げていきます。
元に位置に戻したら、右のお尻を持ち上げていきます。
同様に40回行いましょう。
★お尻を交互に持ち上げてお尻歩きをすることで、骨盤を正しい位置に整える効果が期待できます。
★左右差がある方は、できるだけ左右差がなくなるように、バランスよく、お尻を持ち上げていきましょう。
★この動きは、腹筋、インナーマッスル、股関節周りの筋肉も鍛えられます。
★また、股関節の可動域の左右差を整えることで、骨盤の歪みを整える効果も期待できます。
続けて、長座でのお尻歩きです。
長座になります。お尻のお肉を外に出して、二つの坐骨を床に突き刺すように座りましょう。お腹を引き上げ、骨盤を立てておきます。
腕を振り、肩甲骨をしっかり動かしながら、お尻を交互に持ち上げ前に進みます。
前に10歩進んだら、後ろに10歩戻ります。
これを5セット繰り返しましょう。
★骨盤周りの筋肉を左右交互に動かすことで、歪んでいる骨盤を正しい位置に整える効果が期待できます。
★インナーマッスルも鍛えられ、お腹が引き締まり、腸が正しい位置に戻ることで、便秘解消にも効果的です。
★骨盤内の血液やリンパの流れも良くなりますので、冷えやむくみの改善も期待できます。
3.クールダウン
では最後に、骨盤周りのストレッチで使った筋肉をほぐしましょう。
足の裏と裏を合わせます。
ひざを上下にパタパタします。
パタパタしながら、股関節周り、内転筋、骨盤周りの筋肉を緩めましょう。
★パタパタした時の左右差も確認してみましょう。骨盤が整い、左右のバランスも良くなっていると思います。
次は足を少し前に出して、息を吸って、背中を伸ばします。
息を吐きながら、おへそをのぞきこむようにして、肩甲骨と骨盤周りをストレッチします。
もう1度繰り返しましょう。
両ひざを立てます。
息を吐きながら、足を左右にパタパタと倒します。
パタパタしながら、骨盤周りの筋肉をストレッチしましょう。
左右差も確認しながら何度か繰り返してみましょう。
★股関節の中からほぐれていくイメージで動きましょう。
- 岩坂 美緒さん プロフィール
- MIO-STYLE主宰ボディメイク&フラインストラクター、JADP認定リンパケアセラピスト
幼少よりバレーボールに励み、引退後は芝居やダンス等で舞台に出演。 その後、インストラクターの仕事に魅了され、インストラクター業に転向。2007年より大手スポーツジムに7年在籍した後、中央区立総合スポーツセンターや久が原スポーツクラブなどでもインストラクターとして活動。月間100本以上のレッスン(フラやエクササイズなど様々な種類のレッスン)
を毎月担当した経験も経て、2012年に「MIO-STYLE」の主宰としてレッスンを開始。フラクラス(フラアウアナ、親子フラ、フラエクササイズ)、ボディメイククラス(エクササイズやストレッチ)やパーソナルトレーニングなど行っている。
「MIO-STYLE」ホームページ
‐免責事項‐
ご紹介しているメニューにつきましては、効果を保証するものではありません。
また実施する際は、ご自身で体調管理のうえ、無理をせず行ってください。
ケガ・体調不良などにつきましては、当コンテンツ制作者は一切の責任を負いかねます。