足の裏には、身体の各器官や臓器につながる「反射区」があります。この反射区をもみほぐすことによって、血流の促進や内臓機能の活性化が期待できるのです。リフレクソロジーと東洋医学のツボを組み合わせたオリジナルの足裏マッサージで、女性に多い、むくみや冷え、便秘などの悩みをケアしていきましょう。
足裏をもみほぐすことの一番のメリットは、お仕事などで1日緊張して交感神経が優位になっていた状態から、副交感神経に切り替わることによるリラックス効果だと思います。
また内臓の血流が良くなって、心をリラックスさせてくれるセロトニンが分泌されるので、睡眠の質が高まります。寝る前に行っていただけば疲れも取れやすくなると思います。全身の血流も促してくれるので、冷えにお悩みの方にも非常におすすめです。
足の裏には、リフレクソロジーで身体の各器官や臓器につながるとされる反射区だけでなく、東洋医学のツボもありますので、ほぐしたり刺激したりすることで、体全体を調整できる点も大きなメリットと言えるのではないでしょうか。
リフレクソロジーには、英国式やタイ式、台湾式など、いろいろな種類があります。どれもベースとなる考え方は一緒ですが、反射区の場所が少し違ったり、施術を行う足の順序が違ったりと、流派によって少しずつ内容が変わってきます。
例えば英国式は、主にリラクゼーションを目的としていて、指の腹を使ったイタ気持ちいいくらいの刺激で、施術中にウトウトと眠れてしまうようなイメージです。一方、タイ式や台湾式は、関節を使った施術が多く刺激が強めです。よくテレビ番組で痛そうな施術が紹介されていますが(笑)、あれはタイ式や台湾式が多いですね。
今回ご紹介しているメニューは、台湾式をベースに、東洋医学の鍼灸の知識なども織り交ぜて、行いやすさを考慮しました。プラスαとして、足首まわりのツボもご紹介しますので、ぜひ加えてみてください。どちらのツボも血流を促進するので、冷えやむくみにおすすめです。5秒ほど押しましょう。
【太谿(たいけい)】
内くるぶしの少し後ろのくぼんでいるところです。
【三陰交(さんいんこう)】
内くるぶしから指4本分上がったところの骨の際。触れると少し凹んでいるところです。
ご自身で足裏マッサージをされる場合、気持ちいいと思える強さで行いましょう。あまり刺激を強くしようとすると、かえって手や腕が疲れてしまいます。また、押しすぎによって、もみ返しではないですが、刺激が強すぎてしまうこともありますので、15分を目安に行ってみてください。
足裏マッサージの後は、常温のお水や白湯を飲んでいただくと非常にいいですね。翌日はデトックスが進んでいるので特に水分補給をおすすめします。
反対に血流が良くなる分、アルコールを飲むと酔いが早まってしまうことがありますので、足裏マッサージの前後は、アルコールは控えた方がいいでしょう。
ご家族の足裏をほぐして差し上げる場合は、ご自身も楽な姿勢で行えるといいですね。相手にうつぶせに寝てもらうと、自分の体重を乗せられるので、余計な力を使わずに行えます。手でもみほぐすのが難しければ、土踏まずを踏んであげるだけでも気持ちいいのでやってみてください。
季節の変わり目は、自律神経が乱れがちです。自律神経の乱れは、今回テーマに挙げた、むくみ、冷え、便秘、不眠などにつながります。これらの症状をケアいていくと、お肌の調子が整って顔色も良くなっていきますから、美容面でも非常に効果的です。
女性は、美容が整っていると気持ちもハッピーになっていきますよね。サロンにお越しのお客様も、冷えなどが改善されていくにつれて表情も明るくなって、それまで黒っぽいお洋服ばかりだったのが、ピンクなどの明るい色を選ばれるようになったりして。みなさん、お顔つきもお洋服も華やかになって、体と心はつながっているだと改めて感じます。
1日の終わりに足裏マッサージをすることで、ほんの数分でもホッとできる時間をもっていただくと、体も心も変わっていくのではないでしょうか。
足裏マッサージの準備として、足全体をほぐしておくとマッサージ効果がアップします。
1左足のかかとを右手で持ち、足の指の付け根のところを左手で持って内側、外側と交互に3回捻ります。
2次に、右手でL字の形を作って、左足の親指を握り、左手で足首を固定して、右手で内側と外側に3回ずつまわします。
右足も同じように行います。
足裏マッサージのポイント
足裏マッサージは基本的に左足から行います。 左足には心臓の反射区がありますので、左足からもみほぐすことによって、より血流が促進されます。
むくみには、腎臓、尿管、膀胱の反射区をもみほぐして、体内の血液や水分の巡りを高めます。利尿作用によってデトックス効果も期待できます。
左足から始めます。
腎臓の反射区は、人差し指と中指の間から土踏まずへ下がり、くぼんでいるところの少し下にあります。
膀胱の反射区は、かかとの上、内側のくぼみにあり、その2か所をつなぐように尿管の反射区があります。
この範囲を5か所に分け、2秒ずつもみほぐします。両手の親指でもみほぐしていきましょう。
これを2回繰り返します。
★ゴリゴリするところは、老廃物が溜まっているところと言われていますので、念入りに行いましょう。
右足にも同じように行います。
冷えには、左足の心臓の反射区を刺激して、血液循環を促します。
また、右足の同じ場所には、肝臓の反射区があります。肝臓には基礎代謝における重要な役割があり、内臓機能を高めることで、代謝も上がり、血流も高まっていきます。
左足から始めます。
1心臓の反射区は、左足中央の右上辺り、薬指と小指の間のくぼんでいるところです。
ここを上中下3か所に分けて2秒ずつもみほぐします。
これを2回繰り返します。
2続けて、冷えに関係するツボを押していきます。
足の甲の親指と人差し指の骨の付け根の間にある太衝(たいしょう)というツボを5秒押します。
次に、足の指の間にある八風(はっぷう)というツボを、親指と人差し指でつまむように、それぞれ5秒押します。
右足も同じように行います。
便秘には、胃、膵臓、十二指腸の反射区をもみほぐすことで、機能を回復させ、消化力を高め、小腸や大腸の負担が減っていきます。
今回は右足から始めます。
★大腸の反射区は、実際の大腸の配置と対応していて、右足から始まって左足につながっているので、大腸の働きと同じように右足からほぐしていくことがポイントです。
1親指の付け根のふくらみのすぐ下にある胃の反射区を、内側と外側の2つのラインに分けます。それぞれ上中下3か所に分けて、2秒ずつもみほぐします。
これを2回繰り返しましょう。
★指の関節を使ってほぐす方法
足裏マッサージをする時に、より効果的なほぐし方として、関節を使う方法もあります。
利き手の人差し指を反対の手の親指にひっかけ、人差し指の第2関節を使ってほぐしていきます。
★摩擦による指の負担が減るよう、関節にクリームをぬって行いましょう。
2次に、膵臓と十二指腸の反射区も、もみほぐします。
十二指腸の反射区は、胃の反射区から下に触っていき、ゴリゴリとした骨があるところです。
膵臓の反射区は、十二指腸と重なるように、胃と十二指腸の間にあります。
胃から膵臓と十二指腸の反射区も含めた範囲を4か所に分け、上から2秒ずつもみほぐします。
これを2回繰り返します。
3続けて、足裏中央の少し下から、かかとの上までの範囲に当たる小腸の反射区を上中下3か所に分け、2秒ずつもみほぐします。
これを2回繰り返します。
4最後に、先程の小腸の反射区を囲むようにある大腸の反射区をL字型に5か所に分け、下から時計まわりに2秒ずつもみほぐします。
これを2回繰り返します。
左足は①~③を同じように行います。
最後に、大腸の反射区をコの字型に7か所に分け、上から時計まわりに2秒ずつもみほぐします。
これを2回繰り返します。
不眠には、頭部や脳の反射区がある親指をもみほぐすことで、頭の緊張がほぐれ、一日活動していた脳をリラックスさせる効果が期待できます。さらに、僧帽筋の反射区をもみほぐして、上半身の筋肉を緩めることで、胸が開きやすくなり深い呼吸になってリラックスします。
左足から始めます。
1大脳の反射区は、足の親指の第一関節の上全体で、その中心に脳下垂体の反射区があります。
ここは右手親指の関節を使う方法で下から上へ3回もみほぐします。
★摩擦による指の負担が減るよう、関節にクリームをぬって行いましょう。
2次に、僧帽筋の反射区は、足の人差し指から小指までの指の付け根の関節が動く部分です。
ここを上下に分け、6か所を2秒ずつもみほぐします。
これを2回繰り返します。
3さらに、不眠に関係するツボも押していきます。
土踏まずのやや上の中央、足の指を曲げた時にくぼむところにある湧泉(ゆうせん)のツボを5秒押します。このツボは、自律神経の働きを整えます。
4次に、眠りのツボといわれる失眠(しつみん)のツボを5秒押します。失眠のツボは、かかとの中央にあります。
右足も同じように行います。
- 逸見 愛さん プロフィール
- 鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師。病を患った友人が薬の副作用に悩んでいたことをきっかけに医療の道を志す。自分に何かできることがないかと考え、手足のマッサージで身体を癒す「リフレクソロジー」を学び始める。鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師の免許取得後は、鍼灸整骨院に5年間勤務。現在は、健康で内側から輝くような美しさを引き出すサポートを目指し、人気サロン「麻布ハリーク」の麻布十番店店長として活躍中。
「美容鍼灸サロン 麻布ハリーク」ホームページ:http://harieq.com/
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また実施する際は、ご自身で体調管理のうえ、無理をせず行ってください。
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