睡眠中は成長ホルモンが分泌され肌の再生力が活発になります。 今回は、むくみや老廃物を流すリンパドレナージュとアロマオイルを使ったリフトアップや疲れ目解消マッサージをご紹介! 心地よいフェイスケアで、良質な睡眠と美しさを手に入れましょう。
肌は約28日で生まれ変わる(ターンオーバー)のですが、ストレスや食生活の乱れ、乾燥などによってこのサイクルは乱れてしまいます。ターンオーバーを整えるには、成長ホルモンが出る「肌のゴールデンタイム」(夜10時から2時)に質のよい睡眠をとり新陳代謝を促すことが大切です。
リンパドレナージュは、副交感神経を優位にしてリラックス状態にしてくれるので、就寝前に行うと安眠につながります。特に顔に行うと、コラーゲンとエラスチンが増えアンチエイジングにもなるんです。またマッサージで血流を改善させると新陳代謝が活発になりハリや潤いが生まれます。
動画では、リンパドレナージュとアロマオイル(精油)を使ったマッサージを組み合わせてご紹介していますので、ぜひご覧ください。
リンパとは、静脈が回収しきれなかった老廃物や水分を回収する”お掃除屋さん”です。肌の3ミリ下の真皮層にあるリンパ管で回収し、首や脇の下、そけい部(足の付け根)などにあるリンパ節(小さいゴミ箱)に運ばれると、マクロファージという免疫が老廃物を食べてくれます。
そして最後は、鎖骨のくぼみにあるリンパ節(大きいゴミ箱)で静脈と合流し、腎臓でろ過され排出されます。この回収を手で行うのがリンパドレナージュです。
つまりリンパは「マッサージ」ではなく、「ドレナージュ」という流す施術でなければいけないんです。圧をかけて筋肉を刺激するマッサージと違い、”つかんだ皮膚をそっと横にずらす”イメージで、やさしく行うのがポイントです。
動画でご紹介したフェイスケアを正しく行ってもらうために、顔の「走行」について少しお話します。
まず顔のリンパドレナージュは、耳の前や裏、首筋、鎖骨のくぼみにあるリンパ節に向かってリンパを流していきます(図1)。一方リフトアップマッサージは、側頭筋からつながる咬筋、頬を引き上げている大・小頬骨筋などを刺激します(図2)。顔のたるみケアは頬骨と顎ラインの間が重要で、頬骨より上までマッサージしてしまうと、むしろ目の周囲にシワやたるみが出てしまいます。目の周りはツボを刺激することで、疲れやむくみを解消しましょう(図2)。
リンパドレナージュは素手で行いますが、マッサージはオイルを使いましょう。中でもアロマオイル(精油)は、成分が皮膚から血液中に浸透するだけでなく、空気中に蒸発して鼻から入りダイレクトに脳に届いて、ホルモンバランスや自律神経の調整、免疫力を高める働きに作用します。快眠のためには、鎮静作用のある成分を含むラベンダーやパルマローザがおすすめです。
しかし精油は希釈などを行う必要があり、慣れないとちょっと難しいので、フェイス用に調合された市販のオイルを使うといいでしょう。まずは自分の好きな香りや目的にあったオイルを取り入れてみてください。
古来、あん摩の摩は「なでる」という意味で、マッサージはギリシャ語の「マッシー=揉む」が語源です。なでたりさすったりすることで人は癒しを感じることができるのです。ぜひリンパドレナージュとアロマオイルを使ったマッサージで、心地よくおやすみください。
眠りと美容におすすめのアロマオイル(精油)
- ラベンダー :自律神経のバランスの調整、不眠、肌荒れ、ニキビ
- パルマローザ :神経過敏、不眠、イライラ、不安感
- ゼラニウム :鎮静、更年期、ホルモンバランスの調整、ふっくらと元気な肌に
- フェンネル :小じわ
- フランキンセンス :ハリ
- プチグレン :ニキビ
希釈していない精油は、直接肌につけない、飲まないが基本。また少ないオイルで無理にマッサージをするとシワになってしまうので、皮膚がスムーズに動く量で。ベタつきが気になる時は、ティッシュで軽くおさえてから化粧水などで整えておやすみください。
※発熱時、急性炎症、血栓症、重度の心臓病および活動性のがん、飲酒直後、妊娠中、甲状腺機能亢進症、低血圧・高血圧などの場合は、使用を控えてください。
- 竹内恵美さん プロフィール
- 鍼灸あん摩マッサージ指圧師、フランシラナチュラルセラピストスクール 日本校校長。フィンランドでナチュラルセラピー全般をヴィルピ・コルミエ女史に師事。2003年「フランシラ・ナチュラルセラピー」を日本に紹介し、ショップ、サロン、ナチュラルセラピスト養成スクールを展開。近年は、高齢者介護や緩和ケアにおける医療用リンパドレナージュ、アロマセラピーの普及に取り組んでいる。
「フランシラ」ホームページ:www.frantsila.jp