今回は、仕事や家事、育児に追われて、運動をする時間が取れない方に実践していただきたい、家事をしながらできるエクササイズをご紹介します。楽しくダイエットしながら家事をこなしていきましょう。疲れにくい体づくりにもなりますので、ぜひ試してみてください。
※ 周囲に障害物がなく、足元が安定した場所で行ってください。
家事をしながらできるエクササイズの一番のメリットは、やはり時短だと思います。仕事や家事、育児に追われて、現代人は運動不足になりがちです。運動のためにわざわざ時間をつくって、きつい腹筋を5回、10回やるよりも、日々の生活の中でダイエットできたら、きっと女性も男性もうれしいですよね(笑)。それが一番の利点かなと思います。
ご紹介しているメニューにはスクワット系の動きが多いですが、スクワットはキング・オブ・トレーニングとも言われて、運動の中でも特に全身を鍛えられて良いとされています。股関節の屈伸運動を日常に取り入れていくことで、お尻周り、股関節、足腰、それと体幹を鍛えるだけでなく、ケガをしにくい体づくりにもつながります。
全部のメニューを一気にやるのは大変ですから、その日に行う家事に合わせてメニューを取り入れていただけばいいと思います。ですができれば、「1.キッチンで足痩せエクササイズ」は、お尻と股関節を使うので毎日行っていただきたいですね。
「3.洗濯物たたみで柔軟ストレッチ」も、たくさんのバリエーションがあるので、日課として洗濯物をたたんでいる時もたたんでいない時もやっていただけたら、体が変わっていくと思います。
「4.掃除機&モップがけで姿勢改善エクササイズ」でご紹介している、お腹を上に引き上げてストレッチする動きも、掃除機をかけていない時にも意識していただくと、猫背の改善になっておすすめです。
一方、「5.床拭きで脂肪燃焼スクワット」は、カエル座りができない方が結構いらっしゃいます。これは足首・すね・お尻の硬さなどの影響が考えられます。この動きは色々な関節を使うので、できるようになるのが理想ですが、無理にやろうとすると後ろにひっくり返ってしまうことがあるので、無理せず行ってください。
お家の中で家事をしてこまめに動くだけでも、歩数が結構伸びるものです。最近はスマートウォッチなどを身につけていると、1日の歩数が分かるので、こういったものを活用するのもいいですね。スマートフォンと連動して、消費カロリーや体重、心拍数、体脂肪率まで記録できるものもあります。すると、今日はこれだけしか動いてないから、じゃあポストに郵便物を出しに行こうとか、イライラすると心拍数が上がっていることに気づいて、ちょっと落ち着こうと思ったり(笑)。運動や体調が目に見える形になると、モチベーションアップにとても役立つので良い手段だと思います。
最近では、洗濯はドラム式洗濯機で乾燥まで済ませて、お掃除もお掃除ロボットでという方も、いらっしゃるのではないでしょうか。便利な世の中ですよね(笑)。ですがその分、動く機会が減っているケースもあると思います。だからこそ、日常の姿勢を意識したり、その分の空いた時間を有効に使ったりしていただきたいですね。
運動をすることで、脳の血流が増えて認知機能の面でもいいと言われています。また心の病に対しても、運動を取り入れることで心が落ち着いていくと言われています。やる気が出ないとか、ストレスを感じやすいとか、色々な人に運動は大事だなと思います。そういった意味でもご紹介しているエクササイズは、誰と比較するでもなくご自分のペースで、ご自宅で体を動かせるのでおすすめです。
運動を取り入れて習慣にするまでがちょっと大変ですよね。私自身は、老後も元気なおばあちゃんでいたいという目標があります。60代70代になっても、お友達と旅行に行ったり一人でも遊びに行けたり。目の前の目標ではなくて、少し長い目で見て、将来自分がどうありたいかをイメージすると、運動に対する意識も変えられるのではないでしょうか。
1.キッチンで足痩せエクササイズ
キッチンで家事をしながら足痩せエクササイズです。
料理や食器洗いをする時は、骨盤が前に出ないように、お腹にしっかり力を入れて凹ませるようにして立ちましょう。片足体重にならないように左右均等に体重を乗せます。
さらに、できる方は、かかとをつけて、つま先正面の「気をつけ」の姿勢で内ももも意識して立つと、内転筋や骨盤底筋が鍛えられます。
立ち姿勢を注意するだけで姿勢の改善やぽっこりお腹の引き締めに効果的です。
電子レンジの温めや煮込みを待つ間などには、つま先を45度開いて、ひざを軽く曲げて、くっつけるという動きを10回から20回行ってみましょう。
内もものシェイプアップにつながります。次に、片足を真横に持ち上げてみましょう。お尻や太ももの引き締めに効果的です。
さらに足ひとつ分後ろに持ち上げると、お尻の外側の筋肉も鍛えられます。
各10回程度行いましょう。
1回1回足を下ろさずに、バランスを取りながら行いましょう。
反対も同様に行います。
2.洗濯物干しで
消費カロリーアップスクワット
洗濯物を干しながら消費カロリーを上げるハーフスクワットです。
洗濯物は正面の床に置きます。
足を骨盤幅に開いて、つま先を正面に向けて立ち、かかとはできるだけ床に着けたまま、背骨を真っすぐにして、ひざを90度程度曲げてしゃがみ、洗濯物を取ります。そのまま、立ち上がり、背すじを伸ばして干しましょう。かかとも上げると、さらに消費カロリーがアップします。
お腹の力が抜けないように力を入れて引き上げ、少しお尻の穴を閉めることでお腹痩せにつながります。
続けて、足をワイドに開いて、つま先は斜め45度でハーフスクワットをすると、さらに腰周りや足周りの筋力強化につながります。
立ち上がった時に、背中も伸びて背筋にも効いてくるので、しっかり上に伸ばしながら洗濯物を干してみてください。
下半身の大きな筋肉を鍛えることで基礎代謝が上がり、ダイエット効果が期待できます。
干し終わったら、最後にしっかり手を上に持ち上げてバンザイ。
背すじを気持ちよく伸ばしましょう。お腹を伸ばすだけで、気分もスッキリします。
洗濯物を取り込む時には、ついでにタオルを使った肩ストレッチで肩や腰周りをほぐしましょう。 フェイスタオルを肩幅よりも広めに持ちバンザイ。
バンザイの姿勢からひじを曲げて下ろします。
10回程度繰り返しましょう。
腕を下ろす時、ひじを体の横に引き締めることで、肩こりの改善につながります。
続けて、バンザイのまま体を横に倒します。
左右交互に何回か繰り返します。次に、腕を前に伸ばしたら、体を左右に振ってツイスト。骨盤は正面に向けたまま、肋骨を左右に動かすイメージでウエストをしっかりツイストしていきましょう。
腰に痛みがある方は、勢いで動かないように。まずは真横を向くくらいから始めてください。
3.洗濯物たたみで柔軟ストレッチ
洗濯物をたたみながら姿勢の改善と柔軟ストレッチです。
まず、正座でたたんでみましょう。
正座は骨盤がしっかり立つのでおすすめです。
背骨を真っすぐに持ち上げて骨盤を立てることで、骨盤の歪みを整えて、姿勢の改善に効果的です。背すじを伸ばしてひざの上でたたんだら、右側に置きます。次にひざの上でたたんだら、左側に置き、左右交互に動かしましょう。
背筋が動いていることを意識しながら繰り返します。
今度は、長座でたたんでみましょう。
足を伸ばして、背骨を持ち上げます。
足の裏側から背筋のストレッチです。洗濯物を横から取って、ももの上でたたんだら、反対側に置きます。これを繰り返します。
たたんでいる合間に、すねや足の甲、つま先まで触れると、さらにストレッチ効果が高まります。
次に、片足ずつ伸ばして柔軟性を高めましょう。
片足を曲げて、伸ばした足は少し横に広げます。
坐骨を床につけた姿勢で、正面で洗濯物をたたみます。洗濯物を正面でたたんだら、足を曲げた側に置きます。次に正面でたたんだら、足を伸ばした側に置きましょう。これを繰り返します。
30秒程度を目安に片側を行ったら、足を入れ替えます。
簡単に見えて股関節周りが硬い方は、お尻が浮いてしまうと思いますが、しばらくすると楽になってくるので諦めずに続けてみてください。
片足開脚が楽にできる方は、両足を開いた姿勢で行ってみましょう。まずは狭い幅に開いて正面でたたみます。
洗濯物を正面でたたんだら、左右に置きます。
ももの裏、ひざの裏、ふくらはぎといった硬くなりやすい筋肉が伸びるのでおすすめです。
次に、両足の幅をだんだんと広げてみましょう。
開脚がきついと感じる方は、お尻の下にクッションなどを挟んで行ってみてください。
4.掃除機&モップがけで
姿勢改善エクササイズ
掃除機やモップをかけながら姿勢を改善するエクササイズです。
モップなどで床掃除をする時は、体に対してモップを横方向に動かして、肩甲骨を動かしましょう。
掃除をしながら姿勢と肩こりを改善していきます。足を少し広げて骨盤は正面に向けたまま、肩を横方向に動かして、背骨をねじるように動かしましょう。
片側だけでなく、左右両方を均等に行いましょう。
掃除機やモップを前に動かす時は、同時にお腹をしっかり上に伸ばしてストレッチしましょう。 お腹の筋肉を伸ばすことで背すじも伸びて猫背の改善につながります。
お腹が丸まらないように、胸を張り背すじを伸ばします。左右両方を均等に行いましょう。
さらに、足を肩幅より広めに開いて、つま先は正面に向けて立ち、掃除機やモップを両手で前に持ちます。
前に出すと同時にお尻を引いて、ひざを90度程度、曲げてスクワットします。
横移動しながら、お部屋の端から端までスクワットしてみてください。
腰を落とす深さは、深ければ深いほど負荷はかかり、ダイエット効果が期待できますのでチャレンジしてみてください。
5.床拭きで脂肪燃焼スクワット
床拭きをしながら脂肪燃焼スクワットです。
床拭きは、カエル座りで両手を雑巾に置きます。骨盤から背骨まで真っすぐに伸ばして、かかとは浮いても構いません。
背すじをキープしたまま、お尻を真上に上げて、前へ雑巾がけしていきます。
続けて、ひざを90度程度曲げて、左右1歩ずつ前へ進み両足を揃えたら、またお尻を真上に上げて雑巾がけを続けます。
この動きは下半身だけでなく、肩や二の腕、腹筋を鍛える効果も期待できます。次は、カエル座りの姿勢のまま、片足ずつ前に出して進んでいきましょう。ひざを床に着けずに繰り返すことがポイントです。
太ももの裏、お尻、背中をストレッチしながら鍛えることができます。
本気で掃除をすることで、カロリー消費も上がりますし、床もきれいになって一石二鳥です!
床拭きが終わったら、ストレッチでお尻とももの裏を伸ばします。手を床についたまま、ひざをのばして前屈。
きつい方は、ひざを軽く曲げて前屈しましょう。
続けて、ひざを左右交互に曲げてほぐします。
最後に、足を開いて前屈するストレッチ。
ももの裏、ひざ裏、ふくらはぎの伸びを感じましょう。
6.窓拭きで全身スクワット
窓拭きをしながら全身スクワットです。
窓拭きは、縦方向に行いましょう。
足を腰幅に開いて立ち、かかとを上げ、全身を伸ばして、窓の上から下に向かって拭きます。しっかりしゃがんで股関節の屈伸運動を意識しましょう。そのまま、さらに上に向かって拭いたら、横にずれて拭いていきましょう。
股関節が曲がったり伸びたりすることで、骨盤周り・お尻周りの筋肉が鍛えられます。体を左右対称に使うことで歪みの改善も期待できます。この動きは、全身を使うので、血の巡りが良くなり、疲れにくい体づくりにもなります。
水拭きの後に、乾拭きも同じ方法で行ってみましょう。
窓ガラスもきれいに仕上がります。
- 先崎 かすみ さん プロフィール
ACSM(ピラティスインストラクター。バランスボール運動指導士。「SKピラティス・SUPレンタルスクール」代表。出産後、お腹とお尻の筋肉がなくなり、体力低下を感じる。子育てでの猫背姿勢・運動不足から、骨盤の歪み、尿漏れが気になりピラティスを始めて改善。慢性的な肩こりもなくなっていき、体型が産前より引き締まり、初めてダイエットが必要ない体になる。自身の経験を基に、インストラクターを志し現在に至る。マタニティ向けのクラスにも力を注いでいる。
SKピラティスHP
‐免責事項‐
ご紹介しているメニューにつきましては、効果を保証するものではありません。
また実施する際は、ご自身で体調管理のうえ、無理をせず行ってください。
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