年齢が隠せない体のパーツとして挙げられる「手」。夏の日焼けや冬の乾燥といったトラブルも気になります。いつでもどこでも手軽に行えるハンドマッサージで、美しい手肌と爪を手に入れませんか?
頭の休息にもおすすめのハンドマッサージ、お休み前に行えば心地よい眠りも期待できます!
エジプトには紀元前2500年ごろの医師の墓に、手や足をもんでいる様子を描いた壁画が残されています。またあのクレオパトラも足のマッサージを受けていたとの記述があり、これらは初期のリフレクソロジーと言われています。
20世紀初頭になり、アメリカ人医学者ウィリアム・フィッツジェラルドによって、リフレクソロジーの基となるゾーン・セラピーが考案されたことが、現代リフレクソロジーの起源です。
患者がベッドの柵などに手足を押し付けていたことから、これを観察し医学的に研究したところ、痛みを和らげる効果があることがわかり「ゾーン・セラピー」として体系化したのです。
その後、リフレクソロジー(Reflex [反射]+logy [学問]=Reflexology [反射学])と名づけられヨーロッパを中心に医療代替セラピーとして世界中に広がりました。近代医学のように、不調に対して手術や薬などで「治す」という概念ではなく、人間に本来備わっている「自然治癒力」を活性化させ、心身を健康な状態に導く手助けを目的としています。
足裏は「第二の心臓」と呼ばれているのに対し、手は「第二の頭脳」と言われ、脳と密接に結びついています。手の平や甲に存在する、身体の各臓器組織に影響を与える反射区を刺激することで、脳の疲れの改善や身体のバランスの調整が期待できます。
特に脳への働きかけが大きいので、足のリフレクソロジー以上のリラックス効果や心地よい眠りが期待できます。
ご自宅で行う場合は、ぜひ手浴(しゅよく)も取り入れてみてください。アロマオイルを入れると香りでもリラックスできておすすめです。またご家族などにやって差し上げる場合は、相手に痛くないか確認しながら行いましょう。
ケガや病気をお持ちの方が行う場合は、必ず事前に主治医の判断を仰いでください。高齢者に行う場合は、施術は10分以内で優しくタッチすること。またご家族に行ってもらうのがベストです。
かんたん手浴
洗面台や洗面器に40~42度くらいの熱めのお湯を張り、5~10分手首の上までつけます。 その間に指を曲げたり、引っ張ったり、ツボを刺激しながらマッサージします。 アロマオイルを1~2滴入れるのもいいでしょう。
お悩み別おすすめアロマオイル | |
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緊張や寒さによる
体のこわばりや肩こり |
ラベンダー、ローズマリー、ゼラニウム、マージョラム、 ジュニパー、イランイラン、ジャーマンカモマイル |
ストレス | ラベンダー、ジャーマンカモマイル |
不眠 | ラベンダー、マージョラム |
風邪 | ラベンダー、ユーカリプタス、ティートリー |
紫外線や乾燥は、手肌の乾燥だけでなくシミやシワの原因にもなります。顔に比べて手の皮膚は新陳代謝のスピードが遅く、一度シミやシワができると戻しにくいと言われています。夏は日焼け止めをしっかり塗り、冬は手洗い後など水分をしっかり拭き取って、こまめにハンドクリームで保湿しましょう。
ハンドリフレクソロジーは、お仕事の合間や電車の中でも手軽に行えます。最近では、高齢のご両親にやってあげたいと勉強される男性もいらっしゃいます。また養護施設などにボランティアで伺うと、子供たちが本当に喜んでくれるんです。
私自身は、以前勤めていた会社で多忙を極めて心身ともに参っていた時に、友人の薦めでリフレクソロジーを始めました。すると眠れないことが多かったのですが、いつの間にか気にならなくなっていたんです。
ハンドリフレクソロジーは、自分自身の体調を知るきっかけにもなりますし、周囲の人たちを癒してあげることもできる素晴らしいトリートメントです。ぜひたくさんの方に知っていただきたいですね。
ハンドリフレクソロジーを行う時は、お好きなハンドクリーム等をたっぷり手に馴染ませてから行ってください。すべりをよくして摩擦からお肌を守り、また血行の良くなったお肌にクリーム等の成分が浸透するので美肌にもおすすめです。
※現在、こちらの動画は公開しておりませんのでご了承ください。
手肌をキレイにするハンドリフレクソロジーです。
このテクニックは、血行を促進して手肌を美しくします。
- 左手を机に置き、右手の手の平を左手の甲にぴったりと密着させる。
息を吐きながら体全体を使って、円を描くように手の甲をやさしく3周マッサージしたら、そのまま指先へ流す。
これを5セット行う。 -
<ポイント>
手の甲には呼吸器系の反射区※があります。深い呼吸をしながらマッサージして、しっかり酸素を取り入れましょう。※反射区(はんしゃく)とは 手の平や足裏にある、内臓や各器官につながるといわれる末梢神経が集中している場所です。「ツボ」が1つの点であるのに対して、「反射区」は面で1か所ずつの範囲が大きいのが特徴です。手の平に存在する、身体の各臓器組織に影響を与える反射区を刺激することで、身体のバランスを整える効果が期待できます。
- 左手の手の平のつけ根から中指に向かって、親指で押し流す。指の腹を使ってしっかり流す。
- 続けて、薬指、人差し指、小指に向かって同様に行います。
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最後に、親指に向かって行う。
親指に行う場合は、握手をするように手を包み、親指を使って流す。 - これを3セット行う。
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<ポイント>
手の平には内蔵の反射区が集まっています。しっかり刺激して、内臓の血流を良くすることで、肌細胞に必要な栄養を十分に行き渡らせ、お肌のターンオーバーを促します。特に、右手の小指側には肝臓の反射区があるので特に念入りに行うとよいでしょう。
- 左手の人差し指を握り、人差し指の付け根を円を描くように親指の腹で3回しっかりともんだら、息を吐きながら指先へ流す。
- 続けて、中指、薬指、小指も同様に行う。
- これを3セット行う。
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<ポイント>
血行が良くなり肌がきれいに見えるようになります。また、手の平の人差し指から小指までの4本の指の付け根には、首の後ろから肩、背中にかけて張っている「僧帽筋」の反射区があるので、肩こりも和らぎます。 - ①~③まですべてをまず左手に行ってから、右手にも同様に行う。
爪を元気にするハンドリフレクソロジーです。爪は、もともと皮膚の一部が変化してできたもので、髪、皮膚、爪の主成分はタンパク質です。傷みの原因は、老化や栄養不足、ストレスや疲れも影響しますので、このテクニックで、疲労を回復し、爪への栄養補給をスムーズにしましょう。
- 手首の血管を圧迫しないように、左手首から指3本分空けた位置に右手の手の平を添える。
息を吐きながらじっくり圧をかける。 - 肘側に位置をずらしながら、3か所を押していく。
- これを3セット行う。
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<ポイント>
このテクニックで、一気に血流を促し、老廃物や疲労物質を流していきます。また、腕の内側を刺激することで、自律神経系に働きかけストレス解消にもつながります。
- 右手の4本指で左手の親指をつかみ、右親指で、左親指のつけ根のふくらんでいるところを10回しっかりもみほぐす。息を吐きながらゆっくり行う。
<ポイント>
胃腸に働きかけ、栄養補給しやすい状態を作ります。
- 息を吐きながら親指から順に爪の脇をつまんでいく。
- これを5セット行う。
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<ポイント>
爪の横にはいろいろなツボがあります。ここを押すことで、ストレスを和らげ、栄養を身体に巡らせ、疲労を軽くするといった効果が期待できます。特に人差し指の爪の親指側は、胃腸のツボなので栄養補給や消化吸収に働きかけます。 - ①~③まですべてをまず左手に行ってから、右手にも同様に行う。
疲れをリセットするハンドリフレクソロジーです。このテクニックは、脳の疲れをリセットして良い睡眠につながります。広範囲のマッサージは、すべりの良い「テルネス」プロテクトローションがおすすめです。
- 左右の手で互いに二の腕の内側を握る。体温を感じながら、息を吐いて優しく触れる。
肘側に位置をずらしながら、3か所を握る。 - これを3セット行う。
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<ポイント>
腕の内側に触れることで自律神経に働きかけ、心をリラックスさせることができます。
- 手の平の小指側の一番下のあたりに親指を当てて掴む。
- 手の甲を内側に折り畳むようにしながら、親指をぐっと手の平に入れ込む。
親指の位置を上にずらしながら3か所、同様に行う。
- 続けて、親指側も3か所、同様に行う。
人さし指の一番下あたりに親指を当てて掴む。
- 手の甲を内側に折り畳むようにしながら、親指をぐっと手の平に入れ込む。
親指の位置を上にずらしながら3か所、同様に行う。 - これを3セット行う。
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<ポイント>
内臓機能を活性化させ、身体をリラックスさせていきます。
- 親指を握り、息を吐きながら指先に向かって引く。
- 続けて、人さし指、中指、薬指、小指も同様に行う。
※この時、小指から握ることを意識すると、力を入れやすくなる。
- これを3セット行う。
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<ポイント>
肩の疲れをとり、指先まで引くことで脳の疲れもリセットでき、良い眠りにつながります。 - ①~③まですべてをまず左手に行ってから、右手にも同様に行う。
冷えを予防するハンドリフレクソロジーです。このテクニックは、内臓の血流を促し、手足だけでなく内臓の冷えを予防します。
- 手首の血管を圧迫しないように、左手首から指3本分空けた位置に右手の手の平を添える。
手の平全体を使って、肘に向かってじっくり押し流す。
- 息を吐きながら5回行う。
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<ポイント>
手首から肘までを刺激して、腕から肩甲骨までの血流を促進することで老廃物が排出され、全身のめぐりがよくなります。
- 猫の手のように、右手を軽く握り、左手の手の平の下側に当てる。
- 左手の手の平の下側に、右手の第二関節が当たるように手首を少し持ち上げたら、指の付け根まで一気に流す。
- 息を吐きながら3回行う。
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<ポイント>
手の平から指先にかけて一気に流し出すことで内臓と指先の循環をよくしていきます。
- 右手で左手を握り、指先までしぼるように流す。隙間ができないようにしっかり握って行う。
- 息を吐きながら3回行う。
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<ポイント>
指先までしっかりと流して、女性に多い指先の冷えを予防します。 - ①~③まですべてをまず左手に行ってから、右手にも同様に行う。
- 三上絢愛さん プロフィール
- 一般社団法人JHA 日本ハンドリフレクソロジー協会 理事・認定講師、
ジェンヌ式マナー認定講師、日本メンタルデザイン学院認定メンタルデザイナー
青山学院大学卒業後、金融システム会社にて顧客向インストラクター、銀行員向研修担当。その後大手外資系企業を経てハンドリフレクソロジー講師となる。ハンドリクレクソロジーによって、手のしびれや心臓の痛み等自身の体調不良を改善した経験を持つ。現在は、ジェンヌ式マナー講師の経験を活かしたハンドリクレクソロジー講座を行い、より若々しく女性らしく輝かせるためのレッスンは丁寧で楽しいと数か月先まで予約が埋まっている。
ハンドリフレクソロジー専門学院ホームページ https://hand-school.com
‐免責事項‐
ご紹介しているエクササイズにつきましては、効果を保証するものではありません。
また実施する際は、ご自身で体調管理のうえ、無理せず行ってください。
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