温暖化の影響でしょうか、年々暑さが長引いているような…。薄着の期間が延びて、ますますウエストラインや二の腕のタプタプが気になります。ペットボトルダンベルを使って、気になる部分を引き締めスッキリとしたメリハリボディへ!さらに筋力をアップして太りにくい体を手に入れましょう。
食事で摂取したエネルギー量をすべて消費できれば、基本的に太ることはないんです。摂取したエネルギーは、大きく分けて「基礎代謝※1」「活動誘発性体熱産生※2」「食事誘発性体熱産生※3」という形で消費されます。中でも消費量の約60%~70%は基礎代謝です。
基礎代謝の約40%は、骨格筋いわゆる筋肉が消費しています。体を動かしていなくても、筋肉はエネルギーを熱に変換してエネルギーを消費するんです。ですから筋肉量を増やすことは、基礎代謝を上げることにつながり、結果としてエネルギー消費量が増え、太りにくくなると言えます。
加齢にともなう筋力の低下は避けられませんが、筋力トレーニングは何歳から始めても、その効果は期待できますから、ぜひみなさんにも取り組んでみてほしいと思います。
※1基礎代謝:体温維持や呼吸など生命維持に必要なエネルギー消費。24時間動かなくても、基礎代謝分のエネルギー量は消費される。
※2活動誘発性体熱産生:身体活動(仕事や家事、運動など)を行うことで消費されるエネルギー。
※3食事誘発性体熱産生:食事にともない消費されるエネルギー(食物の分解、消化や吸収など)。
筋力トレーニングは、コレステロール値の改善や糖尿病の予防と改善が期待できます。また、運動全般に言えることですが、心肺機能の向上、生活習慣病の予防や改善、骨粗しょう症の予防などの効果も期待できます。
それと、気分転換やストレス発散となるため、精神的な健康にもつながると考えられます。以前、高齢者の方の運動指導を行ったのですが、体を動かすと心地よい疲労感からみなさん笑顔になるんです。適度な運動は、どの年代の人にとっても大切なものだと改めて感じました。
一方、筋力トレーニングの効果を上げるためには、疲労回復や筋肉の成長、細胞を修復する役割を担っている成長ホルモンが欠かせません。成長ホルモンは睡眠時に分泌量が増加するので、睡眠の質も大切になります。
今回ご紹介しているエクササイズ程度でしたら問題ありませんが、寝る直前にあまり激しい運動をすると、かえって覚醒してしまうので注意が必要です。
エクササイズの前は鍛える筋肉をよく伸ばしておくと効果的です。また運動後も、ストレッチやマッサージを行うと疲れが残りにくくなります。
運動中は、筋肉に力を入れる時に息を吐くことを意識し、呼吸を止めずに行います。呼吸をすることで筋肉に酸素が運ばれ力が発揮できます。呼吸を止めてしまうと、力んで血圧が急激に上昇して非常に危険です。また、一定のスピードで行うことで関節への負担を減らすことができます。
まずは自分のペースで少しずつ実施してみてください。エクササイズは継続することで効果が現れます。好きな音楽に合わせて行うと、リズムも一定になり回数が重ねやすくなるのでおすすめです。
運動には慣れがあるので、一定期間続けたら、回数を増やしたり負荷を上げたり工夫してみてください。「以前は1セットで疲れていたのに、2セットできるようになった」など、自分の筋力や体力が高まっているのを感じることも大切だと思います。
500mlのペットボトル2本に水をいっぱいに入れます。もう少し負荷をかけたい場合は水の代わりに砂を詰めたり、筋力のある人は1Lのペットボトルを使用したりしてもよいでしょう。
エクササイズの回数は、始めは少ない回数から行い、慣れてきたら回数を増やしていきましょう。
1つのエクササイズを15~20回程度繰り返せる重さが目安です。
・水を入れたペットボトル500mlの重さ:約500g
・砂を入れたペットボトル500mlの重さ:約800g
・水を入れたペットボトル1Lの重さ:約1kg
エクササイズの注意点
・筋肉に力を入れる時に息を吐くことを意識し、呼吸を止めずに行う。
・一定のスピードで行う。
・肘や腰、ひざ関節のケガを防ぐために急な動きや無理な動きは控える。
首から肩、背中までつながった僧帽筋という大きな筋肉を鍛えることで、シャープな肩のラインをつくり、背中の上部をスッキリさせます。
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- 1両手にペットボトルを持ち、足を肩幅くらいに開いて立つ。
- 1両手にペットボトルを持ち、足を肩幅くらいに開いて立つ。
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- 2 手の平は下向きで、肘を伸ばしたまま、息を吐きながら、腕を横に広げる。耳の高さまで上げ、息を吸いながらゆっくり下ろす。 これを10~15回行う。
腕の裏側にある上腕三頭筋を鍛え、気になる二の腕をシェイプしましょう。
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- 1両手にペットボトルを持ち、足を肩幅くらいに開いて立つ。
- 1両手にペットボトルを持ち、足を肩幅くらいに開いて立つ。
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- 2 両手を上に曲げ、ペットボトルを耳の高さまで上げる。
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- 3 ②の状態から左右交互に腕を上に伸ばす。息を吐きながら伸ばし、吸いながら下ろす。 左右交互で1回として、10~15回行う。
★注意点★
腕を伸ばす際、関節への負担をやわらげるために肘を伸ばしきらないように注意しましょう。
ヒップを形成する大臀筋を鍛え、引き締まったヒップラインをつくります。
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- 1両手にペットボトルを持ち、足を肩幅くらいに開いて立つ。
- 1両手にペットボトルを持ち、足を肩幅くらいに開いて立つ。
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- 2息を吸って背筋を伸ばし、息を吐きながら片足を大きく前へ踏み出す。
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- 3 腰を落とし、後ろの足のかかとを上げ、膝は床につけず浮かせる。
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- 4 息を吸いながら、踏み出した足を元に戻す。 反対の足も同様に行い左右交互で1回として、6~10回行う。
★注意点★
足を前へ踏み出す際、足を大きく踏み出しすぎると腰に負担がかかってしまうので、体を支えられる程度に足を踏み出すようにしましょう。また、膝を深く曲げ過ぎると負担がかかるので、後ろの足の膝が床に付かない程度に行いましょう。
お腹まわりの筋肉の中でも、正面にある腹直筋と、その左右にある腹斜筋の両方を鍛えて、女性らしいくびれのあるウエストをつくります。
- 1 2本のペットボトルを床に肩幅より少し広めの間隔に置き、つま先がペットボトルの間に来るぐらいの位置に、膝を軽く曲げて座り、手は後ろにつく。
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- 2足を上げ、ペットボトルの位置を基準にして足を左右に振る。足を振る際に息を吐く。 これを6~10往復行う。
★注意点★ 背中を反らせて行うと腰に負荷がかかって、腰を痛める原因になるので反らさないように注意しましょう。
背中の中心の脊柱起立筋を鍛えて、美しい後ろ姿ときゅっと引き締まったヒップをつくります。
- 1床にうつぶせになり、腕を伸ばした先に、ペットボトルを肩幅より少し広めの間隔に置く。
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- 2両足を揃えて床から上げ、上体を持ち上げ、両手をあごの下に置く。
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- 3息を吐きながら腕をペットボトルに向けて伸ばし、吸いながらあごの下にもどす。
これを10~15回行う。
- 3息を吐きながら腕をペットボトルに向けて伸ばし、吸いながらあごの下にもどす。
★注意点★
このエクササイズは、腰に少なからず負荷がかかるため、痛みのある方は控えましょう。
- 長谷川千里さん プロフィール
- 東京女子体育大学、東京女子体育短期大学 講師。大学院修了後、高等学校、大学の助手、非常勤講師を経て、2011年より女子栄養大学助教。2014年より現職。健康づくりを目的とした運動や教育ダンスに関する研究などに取り組んでいる。ダンスの動きを中心として、健康づくりのための運動を雑誌等で紹介するとともに、行政主催の運動教室等における、中高年への健康運動等の講義・実技指導を担当。さらに健康づくりのイベント等において、運動指導やデモンストレーションを実施するなど、幅広く活動中。
‐免責事項‐
ご紹介しているエクササイズにつきましては、効果を保証するものではありません。
また実施する際は、ご自身で体調管理のうえ、無理せず行ってください。
ケガ・体調不良などにつきましては、当コンテンツ制作者は一切の責任を負いかねます。