年齢が上がるにつれてお肌のくすみやたるみが気になっているのに、メイク方法は昔から変わっていない、ということはありませんか? 今回は年齢からくる悩みをカバーしながら、若々しくナチュラルに仕上げる、大人のためのメイクテクニックをご紹介します。
年齢を重ねた肌は、水分保持力が低下し乾燥しやすくなる、皮膚表面が薄くなり表情シワが深くなる、代謝の遅れから古い角質が剥がれにくくなり肌がゴワつく、弾力が低下し、たるみがでてくる…などさまざまな悩みが出てきます。
これらを化粧品で解決しようとしても、潤いを保持する力が弱まっていると、化粧品の効果が現れにくいのです。まずは基本のお手入れを見直してみましょう。
例えばメイク落としは、ミルクタイプや柔らかいクリームタイプなら、肌をゴシゴシ擦らず優しくマッサージもでき、メイクを浮かせて落とせるので肌の負担が少なくて済みます。
洗顔料は、キメ細かい泡になるまでしっかり泡立て、手と肌の間に常に泡の層があるのを意識しながらマッサージするようにします。化粧水や乳液、クリームも、手の平で優しく包み込んで浸透させるなど、お手入れをする時は肌に優しく触れることを心がけましょう。
長年の表情癖によるシワや重力によるたるみを隠そうと、カバー力の高いベースメイクを選ぶと、さらに目立ってしまうことになりますので、実は逆効果なのです。
このような悩みがある場合は、光をうまく利用することをおすすめします。下地は、光の効果で顔にできた影を目立たせなくさせるもの、かつ保湿力の高いものがいいでしょう。お持ちの製品の最適な使用量を守り、丁寧に顔全体になじませることが大切です。
ファンデーションは、肌のツヤを引き出すものがおすすめです。今はツヤ感を引き出すさまざまなタイプのファンデーションが発売されていますので、お店で質感を確認してから購入しましょう。ただし、ツヤ感のあるものでも、つけすぎには注意してください。特にシワのできやすいところには、ごく薄くつけることがポイントです。
アイシャドウは、ベージュやブラウン系をベースに、それに合わせられる色を2~3色持っているといいでしょう。ローズ系など、赤みのある優しい色合いなら、女性らしく仕上がります。
アイシャドウだけでなく、ファンデーションやチーク、口紅にも当てはまることですが、お店で試す時は実際に顔につけてみましょう。商品の見た目と、肌にのせた時の色の出方は違うので、顔で試してから購入すれば失敗しないで済みます。例えばチークの色で迷ったら、左右の頬に一色ずつつけてみて、顔色が冴えて、血色良く見える方が似合う色です。
メイク直しのコツもご紹介します。明らかに崩れている場合は、思い切って一度拭き取りましょう。この時、ファンデーションスポンジのきれいな部分を使うと肌に余計な刺激を与えないのでおすすめです。それから保湿力が高くツヤを引き出すリキッドタイプでカバーすれば、粉っぽくなりません。また、皮脂が浮いてテカって見える場合は、ティッシュを軽くあてて、余分な皮脂を吸い取ってから、パウダーでカバーしましょう。
結婚式やお子さんの入学式など、きちんとした場に出る時は、服装も素材の良いものを選ぶと思います。メイクも同じで、「素材=肌」を整え“きちんと感”を出すことがポイントです。
まずは、疲れをカバーするやや明るめの肌作りが重要です。ややマットな質感に整え、首から浮かない程度の明るさにします。眉はやや長めに、曲線を意識して描くとやわらかく落ち着きのある、上品な印象になります。眉は顔の印象を大きく変えてしまうパーツです。眉が短いと子供っぽい印象になり、眉山に角を作ると男性的になりますので注意しましょう。アイシャドウは1~2色にとどめ、口もとは輪郭をしっかり取り、上品に仕上げます。これらのポイントを押さえることで、“きちんと感”を出すことができます。
ファッションに合わせたメイクや、ご自身のチャームポイントを活かしたメイクができている方は素敵ですよね。ご自身の魅力を把握した上でメイクができればよいのですが、雑誌などの情報を鵜呑みにしてしまうと間違ったメイクに陥りやすいです。最近は太眉が流行していますが、ご自身の顔ならどのくらいの太さが良いのか、色味はどうするかなど、研究されるともっと素敵なメイクになるのではないでしょうか。
40代からのベースメイクは、イキイキとした潤い肌に見せるために、ツヤ感を引き出すタイプのリキッドファンデーションがおすすめです。厚塗りにならないように、リキッドファンデーションを薄くのばしてナチュラルに仕上げます。気になるクマやシミは、コンシーラーでピンポイントにカバーすると良いでしょう。
もし、メイクがキレイに仕上がらないと感じたら、化粧用具を見直してみましょう。汚れたスポンジやブラシでは、薄くのばしたり、キレイにぼかしたりできません。週に1回は用具もメンテナンスして、若々しい美肌メイクを楽しみましょう。
年齢が上がると、眉毛が薄くなり、眉と目の間隔も変わってきますので、補正しながら若々しい印象に仕上げます。
- 1眉頭と眉尻の位置に印をつけておきます。
★下がり眉になると、顔全体が下がって見え、たるみが強調される原因になります。眉頭と眉尻の高さを揃えることがポイントです。
- 2眉山の位置は、驚いた表情を作り筋肉が盛り上がる部分の下が良いでしょう。ここにも印をつけておきます。
★眉山が大きくずれると表情に違和感が出るので注意してください。眉山の高さを出しすぎないように描くと引き締まった表情になります。
- 3眉よりも薄めの色調のアイブローペンシルでラインをふんわりと描き、薄くなぞってから形を整え、色を足していきます。この時、ご自身の眉毛の生えている方向を意識して描いていきます。
★眉が薄い方は、ペンシルだけでは濃く仕上がってしまうことがあるので、パウダータイプのアイブローを、専用ブラシを使ってやわらかく描くとよりナチュラルに仕上がります。
40代は、目の輪郭が緩み、目力が弱くなるので、ベージュのアイシャドウでまぶたのくすみをおさえて明るく透明感を引き出しつつ、透けるようなブラウンで目まわりを引き締めていきます。
- 1まずは明るいベージュをチップに取り、まぶたの中心から全体に広げてなじませ、くすみをおさえます。下まぶたにも一筋入れることで、涙袋を引き立ててクマをすっきり見せることができます。
- 2次に透明感のあるブラウンで、目もとの緩みを引き締めます。二重の幅を目安に目尻から入れていきます。
★パールやラメがたくさん入ったものでギラギラさせると、小じわやくぼみが目立ってしまいます。また皮膚の薄いまぶたに何色ものせると、余計に疲れて見えるので注意しましょう。
加齢によるたるみから、まぶたが下がり、アイラインがうまく引けなくなったり、にじみやすくなるという悩みをカバーしてナチュラルに目力をアップするテクニックをご紹介します。
- 1まずはティッシュや綿棒で目もとを軽くおさえます。さらにフェイスパウダーをほんの少しつけたパフで目もとを軽くおさえると、アイラインがにじみにくくなります。
- 2アイラインの色は、目もとを優しくナチュラルに見せるブラウン系で仕上げていきます。まぶたを斜め上に軽く引き上げ、ペンシルタイプのアイラインで、まつ毛の間を優しく埋めるように描いていきます。
- 3目尻を仕上げる時は、鏡をまっすぐ見て目尻の方向が横に伸びるようにペンシルアイライナー入れると若々しい仕上がりになります。
- 4リキッドアイライナーはペンシルの上に重ねるとナチュラルに目力がアップします。
★この時、リキッドのみで仕上げるとラインだけが目立ってしまうので気を付けましょう。
- 5下まぶたのアイラインは、目尻から1/3程度の場所まで自然に描きます。目のまわりをぐるっと囲んでしまうと、目が小さく見えてしまいます。
★ナチュラルな仕上がりのブラウン系に対し、ネイビー系のアイライナーを使うと、白目をクリアに見せる効果があります。ネイビー系のペンシルアイライナーの上から、ブラウンのリキッドアイライナーをプラスすると目もとになじみやすくなります。
まつ毛が短くなりビューラーがうまく使えない、マスカラがまぶたについてしまう、といった方におすすめのテクニックです。
- 1ビューラーで挟める範囲のまつ毛を軽く上げます。
★この時、無理に引き上げると、まつ毛が抜けたり、切れたりしてしまうので注意しましょう。根本から2~3回に分けて上げていきます。
- 2マスカラ下地をつけて、半乾きの状態の時に、人差し指の側面でまつ毛を固定しながら乾かします。
★マスカラ下地には、まつ毛のカールをキープしたり、まつ毛をトリートメントしたりする効果があります。
- 3仕上げに、ロングボリュームタイプのマスカラをつけます。ヘッドが小さいと、端の細かいまつ毛にも塗りやすくおすすめです。ここでも塗った後に指で固定するとさらに効果的です。
口角が下がり、口もとのラインが緩んでくる40代は、口まわりや唇のくすみをカバーし、輪郭をしっかりとってハリのある唇に見せることがポイントです。
- 1肌より明るめのコンシーラーでリップラインの一回り外側に上昇ラインを引き、指で軽くなじませます。
★上昇ライン:口角を上向きに描くライン
- 2頬を軽く上に引き上げながらリップライナーでオーバーリップ気味にふっくらとした形に輪郭を描き、唇の内側に向かってぼかします。
- 3唇の色よりもワントーン明るい色をリップブラシで縦シワに埋め込むように塗ったあと、全体に広げていきます。
- 4中央にのみグロスをのせ、ぽってり感をアップさせます。
- 5最後にリップブラシを両口角に差し込み、口角をアップさせて描くことでより若々しく印象づけます。
40代からは、入れ方と色選びがとても大切です。色は、肌なじみの良いサーモンピンクや桃色を選ぶと、血色の良さがアップしておすすめです。
- 1ブラシにチークカラーを取ったら、ブラシの表面に色が固まっているので、親指でブラシを押してブラシの中に粉を入れていきます。そして手の甲で色をなじませます。
★チークを入れる位置は、笑った時に盛り上がる頬の中心に、丸く入れると良いと言われますが、年齢とともに頬の位置は下がってきますので、高めに入れるのがポイントです。
- 2頬骨の上3㎝程度の広い範囲に、チークカラーを横に広げてぼかします。
- 3次に頬骨からこめかみに向かって斜めに入れることで、顔全体が引きあがり引き締った印象になります。
最後に、フェイスラインのたるみを引き締めて見せるシェーディングと、顔の中心に近い部分に明るさをプラスするハイライトで、メリハリをつけます。
- 1シェーディングは、毛先が斜めにカットされたブラシを使うとすっきりと入れられてよいでしょう。肌よりワントーン暗い色で、頬骨から顎のラインに、上から下へぼかすように入れるとナチュラルに仕上がります。
- 2全体のバランスを見ながら、ツヤ感のあるハイライトを目の下、鼻筋、あごにふんわり入れて透明感や明るさをプラスします。
★ブラシは小さめでやわらかいものを使うとピンポイントでハイライトが入れられます。
★ハイライトは入れすぎに注意してください。色はつかなくてもほんのり明るくなればOKです。
- 鈴木里奈さん プロフィール
- メイクアップスクール講師。
「Rina’sメイクアップスクール」代表。
「自らのコンプレックスを解消したい、きれいになりたい」という思いで大手化粧品会社に入社。ビューティアドバイザーとして働き、社内のメーキャップコンテストでは新人ながら300人中1位を獲得。その後、本部教育担当者となり、全国の店舗向け商品販売セミナーの実施、新入社員のコーチングを務める。独立後は、食や色彩コーディネートなど複数資格を取得し、外面だけでなく内面からの美しさを考えたアドバイスを中心にメイクと美容のコンサルティングを行っている。
「Rina’s Make up School」ホームページ
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