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睡眠博士のぐっすり眠りなサイエンス

 » いびきが起きる原因と解消法

前回に引き続き、今回も読者の方からの眠りに関するご質問にお答えしていきます。

いびきの原因は何なのでしょうか?またいびきを治す方法はありますか?

解説者プロフィール
ぐっすり睡眠博士こと 金子 勝明
東洋羽毛工業株式会社 営業企画課所属
睡眠健康指導士、睡眠環境・寝具指導士の資格を持ち、商品開発、営業企画、睡眠の研究など幅広く手掛けるなんでも系社員!睡眠講座の要請を受け、講師として全国各地を飛び回り、自身睡眠不足になりながらも、日夜睡眠の大切さを訴える。

answer1肥満、扁桃腺肥大、飲酒…いびきの原因はさまざま

まずはいびきのメカニズムについてお話しましょう。いびきを引き起こす原因の代表として、肥満、扁桃腺やアデノイド(咽頭扁桃とも言う、鼻とのどの間にあるリンパ組織)の肥大、鼻中隔湾曲症(鼻の左右の仕切りの軟骨の湾曲)、下顎の小ささ、飲酒、喫煙がありますが、加えて口のまわりの筋肉の衰えも一因と言われています。 仰向けで眠ることで重力によって舌や舌の付け根(舌根)がのどの方に落ち込んだり、首まわりが脂肪によって圧迫されたりすると、気道が狭まり、吸気が通る度にのど周辺が振動して雑音が起きます。これがいびきです。

普段あまりいびきをかかない人でもお酒を飲んだ後はいびきをかくことがあります普段あまりいびきをかかない人でも、お酒を飲んだ後はいびきをかくことがあります。これは飲酒によってのど周辺の筋肉が緩んで、舌根などが落ち込みやすくなるためです。また睡眠薬にも筋弛緩作用があることから、お酒と同様にいびきの原因になるとも言われています。

口の筋力低下や口呼吸にも注意口の筋力低下や口呼吸にも注意

顔にはたくさんの筋肉がありますが、口の周りにある筋肉が衰えると、口をきちんと閉じていられずに、睡眠時だけでなく日中もポカンと口を開けた状態になってしまうことがあります。
唇と舌は動きが連動していて、口を開けたまま眠るとつられて舌も落ち込みやすくなるそうです。つまり睡眠中も口を閉じていられる筋力をつけることも、いびきの改善と防止のカギと言えるのです。

バッハが作曲した不眠改善の変奏曲またいびきをかく人の多くは口呼吸をしています。鼻呼吸の場合は、鼻毛や鼻の分泌物によって、空気中の雑菌などがある程度除去されますが、口呼吸ではそれができないばかりか、のどの粘膜を乾燥させてしまいます。のどが炎症を起こして腫れ、さらに気道を狭めるという悪循環になりかねません。口呼吸は、感染症にかかりやすいなど、いびき以外のデメリットもあるので、鼻呼吸の習慣をつけましょう。鼻炎などで鼻呼吸が難しい人は、まずはそちらの治療が先かもしれませんね。

answer3酸素の供給が減ると重大な病気にも

専門医に相談されることをおすすめ一時的ないびきや寝始めの頃だけに起きるようないびきであれば、さほど心配する必要はありません。しかし、気道が完全にふさがれて肺に空気を送れなくなる無呼吸が発生している場合は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)ということもあります。また無呼吸ではなくても、気道が狭まって必要な酸素量が確保できなくなると、血圧が上昇して脳に酸素が供給されなくなり、高血圧や脳梗塞、脳障害、脳卒中といった重篤な病気を引き起こす危険性も高まります。大きないびきを一晩中かいているようであれば、一度専門医に相談されることをおすすめします。

十分な睡眠時間を取っているのに日中に強い眠気が起きるといった症状のある方は注意一人暮らしの方は、ご自身のいびきに気づきにくいと思いますが、十分な睡眠時間を取っているのに目覚めがすっきりしない、日中に強い眠気が起きるといった症状のある方は、注意が必要です。

成長に影響を及ぼす子供のいびき成長に影響を及ぼす子供のいびき

十分な睡眠時間を取っているのに日中に強い眠気が起きるといった症状のある方は注意大人だけでなく子供もいびきをかきます。中にはSASと診断されるケースもあります。原因としては、扁桃腺やアデノイドの肥大によるものが多い傾向ですが、近年は、肥満の子供が増えていることから、肥満に起因するいびきも見られるようになっているようです。
成長期の子供にとって、睡眠中の酸素の供給が減ることは発達障害を引き起こす可能性があります。しかし、親が子供のいびきを重要視しないで放置していることも多いようです。
ひとつの目安として、お子さんがいびきをかいていたら、胸を観察してみてください。呼吸に合わせて胸が凹んでいたら、狭くなった気道を無理に吸気が通ろうとするあまり、胸郭が変形したとも考えられます。速やかに病院に行きましょう。

いびきの程度に合わせた対策をいびきの程度に合わせた対策を

肥満の人は減量を軽いいびきなら、枕を低くしたり横向きに寝たりといった簡単な工夫で改善することがありますが、まずは、肥満の人は減量を、喫煙者は禁煙を、そしてお酒の量を減らすなどの対策が挙げられます。口まわりの筋肉をつけるには、トレーニンググッズがいろいろと発売されているので、取り入れてみるのもいいと思います。
扁桃腺肥大や鼻中隔湾曲症は、手術で症状を治すことでいびきも改善されることがあります。さらにマウスピースを使って下顎を前に出して気道を開く方法や、SASの人には持続的陽圧呼吸治療法という鼻にマスクをつけて眠る方法などがありますが、これらは医師の指導のもとに行います。ご自身の状態に合わせた改善策を検討してください。

たかがいびき、されどいびき。いびきは自分では把握できないものです。ご家族や一緒にお住まいの方が気にかけて、心配な点がある時は医師に相談することをおすすめします。いびきは睡眠の質を低下させ、日中のパフォーマンスに影響を及ぼすばかりか、重度になるとSASという命にかかわる状態にもなります。放置せずに対策を取りましょう。

[参考文献]
・白濱龍太郎(監修)『図解 睡眠時無呼吸症候群を治す!最新治療と正しい知識』日東書院本社、2015
・大川匡子『睡眠障害の子どもたち 子どもの脳と体を育てる睡眠学』合同出版、2015
・内山 真『睡眠のはなし』中央公論新社、2014
・巽 浩一郎『「いびき」はからだの「赤信号」』保健同人社、2009
・岩田 誠『新・病気とからだの読本〈10〉のど・歯の病気と全身の症状』暮らしの手帖社、2006
・來生 哲(監修)『放っておくと恐ろしいことになる いびき 睡眠時無呼吸症を治す』旬報社、2005
・太田保世『いびきと睡眠障害』東海大学出版会、2005
・秋広良昭・細川壮平『立ち読みでわかるいびきの本-鼻呼吸が健康体をつくる』三和書籍、2004
・鈴木俊介『危険ないびきが生活習慣病を招く!』小学館、2004