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睡眠博士のぐっすり眠りなサイエンス

 » ショートスリーパーとロングスリーパーのメカニズム

年齢を重ねるとともに必要な睡眠時間が減っていくように、人それぞれ適した睡眠には違いがあります。その他、生まれ持った遺伝子レベルでの眠りの特性もあるようです。今回は、眠りの“長さ”に関するお話です。

解説者プロフィール
ぐっすり睡眠博士こと 金子 勝明
東洋羽毛工業株式会社 営業企画課所属
睡眠健康指導士、睡眠環境・寝具指導士の資格を持ち、商品開発、営業企画、睡眠の研究など幅広く手掛けるなんでも系社員!睡眠講座の要請を受け、講師として全国各地を飛び回り、自身睡眠不足になりながらも、日夜睡眠の大切さを訴える。

ショートスリーパーとロングスリーパーとは?

ノルアドレナリンの量が少ないと不眠になりやすく、多いと眠りは深くて短くなる睡眠時間が6時間未満でも熟睡感を得られる人は「ショートスリーパー(短眠者)」、9時間以上必要な人は「ロングスリーパー(長眠者)」と呼ばれています。いずれも人口の5~10%程度で、約9割の人はどちらでもない「バリュアブルスリーパー」だと考えられています。 短眠と長眠の理由は、まだはっきりと解明されていませんが、カリフォルニア大学が短眠の家系の人を調べたところ、睡眠をコントロールする「DEC2」という遺伝子に変異が見つかったそうです。また脳内の覚醒物質ノルアドレナリンの量と関係するとの説もあり、医学博士の高田明和氏は著書『4時間快眠法』の中でこう書かれています。 「ノルアドレナリンの量が少ないと不眠になりやすく、多いと眠りは深くて短くなるのです。(中略)つまり、ノルアドレナリンが多い人はショートスリーパー、少ない人はロングスリーパーという傾向があるのです」

短眠者ナポレオンの睡眠の真相

ショートスリーパーの代表と言えば、ナポレオンやエジソン、ロングスリーパーではアインシュタインが挙げられます。

ナポレオンは51歳で亡くなっていますが、晩年はいろいろな病を抱えていたとも言われるナポレオンは、毎日3時間睡眠だったという伝説を残していますが、実際には仮眠を取っていたと言われ、本当に1日3時間しか寝ていなかったかというと疑問が残ります。またナポレオンは51歳で亡くなっていますが、晩年はいろいろな病を抱えていたとも言われ、死因は胃がんとする研究発表もあります。

アメリカ疾患管理センターが、アメリカの14の州に住む45歳以上の約4万5000人を対象に行った調査によると、対象者の約1/3は睡眠が6時間未満の短眠生活者でした。そして、その人たちは心臓疾患や脳卒中、精神障害などを有する比率が高いことがわかったのです。自分は少ない睡眠時間でも大丈夫と思っていても、その影響は少しずつ蓄積され、いずれ病気などのかたちで表出する可能性があるのです。

睡眠時間はどこまで減らせるのか?

睡眠時間が不足したり質の良い睡眠が取れていなかったりすると免疫力も低下女性は特に、寝不足による肌荒れを感じたことがあると思います。睡眠中の体内では、成長ホルモンが分泌され、疲労回復や組織のダメージを修復するといった重要な活動をしています。睡眠時間が不足したり、質の良い睡眠が取れていなかったりすると、当然そうした活動は不十分になり、免疫力も低下してしまいます。

フロリダ大学のウェッブ教授は、アメリカ空軍の協力のもと3時間睡眠を8日間続ける実験を行いました。すると視覚に関わる作業でのミスが増えることがわかったのです。空軍という過酷な任務に限らず、多くの人が視覚を必要とする仕事をしています。機械を操作したり乗り物を運転したりする業務では、視覚の不調は大事故につながりかねません。

睡眠不足は、心身の疾患のみならず、パフォーマンスの低下といった、さまざまな支障をきたすことが、改めてご理解いただけたのではないかと思います。

寝過ぎても寿命を縮める!?

睡眠時間が7時間程度の人がもっとも長生き近年、国内外で実施された2つの調査の結果、睡眠時間が7時間程度の人がもっとも長生きであることが判明しました。それより長くなればなるほど、また短くなればなるほど、寿命は短くなっていたのです。つまり睡眠時間は長過ぎても良くないのです。

ロングスリーパーは、寝つきが悪く、浅い睡眠を繰り返す傾向があると言います。レム睡眠とノンレム睡眠のバランスが悪くなり、結果として睡眠の質が落ちている状態が続くことが、寿命にまで影響するのではないでしょうか。

反対に、ショートスリーパーはレム睡眠が少なく、ノンレム睡眠の長さはロングスリーパーと大きな差がないことから、短時間でも身体を回復できる深い眠りをしていると考えられるのです。 これらのことから、睡眠は「長さ」以上に「質」が重要だということが伺えます。

眠りにも人それぞれ個性がある

前段で7時間睡眠の人がもっとも長生きだと書きましたが、これはあくまで平均値です。必要な睡眠時間は年齢とともに減っていき、20代では約7.5時間、40代では約6.5時間、60代以上では6時間程度です。眠りには、ショートスリーパー、ロングスリーパーといった遺伝子レベルの違いだけでなく、年齢による違いもあるのです。

「早寝早起き」ではなく「早起き早寝」また、女性は40歳ごろから、男性は55歳ごろから、自身の睡眠に不満を感じる人が多くなる傾向があります。しかし実際に眠りに問題があるわけではなく、若いころと比べて眠っていられる時間が短くなったと気にしてしまうケースが少なくありません。試しに、「睡眠時間」ではなく「睡眠効率」をチェックしてみてください。下記の計算式から、値が85%以上なら効率良く眠れているという目安になります。

なにより、日中の活動に支障がなければ、さほど心配する必要はないでしょう。適切な睡眠は人によって異なることを覚えておいてください。

睡眠効率(%)=睡眠時間÷おふとんの中にいた時間×100

[参考文献]
・三橋美穂『脳が若返る快眠の技術』KADOKAWA、2015
・岩田アリチカ『なぜ一流の人はみな「眠り」にこだわるのか?』すばる舎、2015
・櫻井 武『睡眠障害のなぞを解く』講談社、2015
・岡島 義『4週間でぐっすり眠れる本』さくら舎、2015
・西多昌規『脳と体の疲れをとる仮眠術』青春出版社、2014
・山本恵一『“睡眠満足度”があなたの年収を変える!眠りの技法』サンクチュアリ出版、2014
・武宮正樹『脳は休ませると10倍速になる』宝島社、2014
・菅原洋平『睡眠の3鉄則』主婦と生活社、2014/『睡眠の超技法』祥伝社、2013
・古賀良彦『睡眠と脳の科学』詳伝社、2014
・内山 真『睡眠のはなし』中公新書、2014
・坪田 聡『睡眠は50歳から「老化」する』大和書房、2013
・高田明和『4時間快眠法』かんき出版、2010
・遠藤拓郎『4時間半熟睡法』フォレスト出版、2009