眠りなサイエンス
睡眠博士ねねNene
vol. 13仮眠や昼寝を効率よく取るコツ
午後の打ち合わせや授業は、ぼーっとして集中できない…そんな経験はありませんか? 実はお昼過ぎの時間帯は、誰でも眠気が起きやすいのです。そこで今回のお話は「仮眠(昼寝)」のススメです。しかし、あくまでも脳のリフレッシュが目的ですので、夜の睡眠をしっかりとることが大前提です。
昼寝で認知機能と創造性をUP!
私たちには、睡眠と覚醒を1日周期で繰り返すリズムに加えて、半日の12時間周期で働くリズムも備わっています。この2つのサイクルから、夜中の2時~4時頃と昼の2時~4時頃の1日2回、眠気の波が現れるのです。昼食後についウトウトしてしまうのは、この生体リズムによるもの。とはいえ仕事中であれば、思わぬミスやトラブルの原因になりかねませんから、午後の眠気のケアは重要です。そこで注目したいのが「仮眠(昼寝)」です。
NASAの研究によると、会話や読み書き、計算などの基礎となる「ワーキングメモリー」という認知機能が、仮眠によって向上することがわかっています。企画の立案といったクリエイティブな作業は、もっとも脳が冴えている午前中に行うとよいと言われています。また、昼寝をすることで、その状態を午後にも再現しやすくなるからです。昼寝は、眠気の解消だけでなく、午後のパフォーマンスの向上にも有効な手段なのです。
仮眠は「15時までに20分以内」がコツ。
仮眠や昼寝といっても、やみくもに寝てはいけません。ポイントは、熟睡しない程度の長さ、かつ夜の眠りに影響しない時間帯です。基本は「15時までに20分以内」と覚えておいてください。
深いノンレム睡眠に入ると目覚めがスッキリせず、かえってパフォーマンスが落ちてしまいます。また仮眠が長すぎると、夜の寝つきが悪くなってしまうので気をつけましょう。
仮眠をする際は、横になると深く眠ってしまうことがあるので、座った姿勢で休むのがおすすめ。デスクワークの方は、机にうつぶせになったり、椅子の背もたれに寄りかかったりして休んでみてください。最近は、うつぶせ用枕などいろいろな仮眠グッズが発売されているので、活用するのもいいでしょう。
1分間目を閉じるだけでも脳をリフレッシュ!
20分も時間が取れない、すぐに眠れそうにない、人目が気になる…といった方は、1分ほど目を閉じてリラックスしてみましょう。20分の仮眠ほどではありませんが、脳のリフレッシュが期待できます。これなら電車の中や、あるいはトイレの個室などでも、実践できそうではありませんか? 可能なら1分間、視覚情報をシャットアウトして、全身の力を抜いて、深く呼吸してみてください。
脳は熱を発しやすい器官です。休まず使い続けたらオーバーヒートしてしまうことは、容易に想像がつきますね。睡眠は脳の疲れを回復するためのものです。多忙な時ほど、仮眠で脳をクールダウンしましょう。
コーヒーは仮眠前。目覚め後は軽い運動を。
眠気覚ましにコーヒーや紅茶を飲むなら、タイミングは“仮眠前”がおすすめです。カフェインの効果が現れるのは、摂取後30分ほど経ってからなので、仮眠の少し前に飲むとカフェインの覚醒作用と目覚めが重なり効果的です。
ここでひとつ注意です。カフェインの効果は3~4時間、長い人は8時間ほど続くと言われているので、10時頃に摂取すると、昼過ぎまで作用が続いて仮眠しにくい状態になってしまうことがあります。疲れや睡眠不足を感じている日は、コーヒーを飲むのは朝だけにして、昼寝に備えるのもコツです。
一方、目覚めた後は、軽い運動やツボ押しなどをすると、交感神経が刺激され活動モードに切り替えやすくなります。
ぐっすり.com「美活お役立ち動画」のコーナーでは、簡単な運動やツボ押しなどをご紹介していますので、ぜひ参考になさってみてください。
仮眠は、習慣化することで次第に楽に眠れるようになると言います。毎日の生活サイクルに取り入れて、午後の活動もシャキッと頑張りましょう。
【手軽にできる運動やツボ押しを動画でチェック!】
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