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睡眠博士のぐっすり眠りなサイエンス

 » 赤ちゃんやお子さんのより良い睡眠のために

第3回で「睡眠不足が脳と体の成長に与える影響について」と題して、成長過程における眠りの役割などをご紹介しました。今回は、赤ちゃんやお子さんにとって、睡眠がいかに大切であるかについてお話したいと思います。

解説者プロフィール
ぐっすり睡眠博士こと 金子 勝明
東洋羽毛工業株式会社 営業企画課所属
睡眠健康指導士、睡眠環境・寝具指導士の資格を持ち、商品開発、営業企画、睡眠の研究など幅広く手掛けるなんでも系社員!睡眠講座の要請を受け、講師として全国各地を飛び回り、自身睡眠不足になりながらも、日夜睡眠の大切さを訴える。

日本の親は子どもの睡眠に無頓着?

秋の不調は冬眠準備!?2011年に世界17の地域で、0~36か月の子どもの睡眠についての調査が行われました。その結果、子どもの睡眠に問題があると認識している親の割合は、欧米豪で約26%、アジアでは約52%でした。ところが日本は20%弱とアジアの中では非常に低い割合だったのです。しかし、この数字に安心してはいけません。日本の子どもは、睡眠時間が最も短いことも明らかになったのです。つまり、現実には子どもが睡眠不足であるにも関わらず、それを認識していない親が多いと考えられます。

子どもは眠くなれば自然に眠るもの、と思っているなら、それは大きな間違い。親や周囲の大人が、眠る習慣をしつけることが非常に大切なのです。

赤ちゃんは昼夜のメリハリをつけましょう

このコーナーでも何度かお話していますが、人には体内時計が備わっています。約25時間周期で動く体内時計は、1日の24時間周期とのズレを朝に光を浴びることでリセットしています。

赤ちゃんは昼夜のメリハリをしかし生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ体内時計がうまく働いていません。生後1か月頃から機能するようになり、3~4ヶ月で昼夜の区別がついて、6か月ほどで睡眠のリズムがほぼ整います。

体内時計が整っていない時期は、意識して昼と夜を区別することがポイントです。お昼寝の時に部屋を暗くしてしまったり、反対に夜泣きをした際に部屋を明るくしてしまったりすると、体が昼夜を勘違いしてしまいます。昼はお散歩に出かけて日光を浴びる、夕方以降は暗く静かな環境で過ごさせるなど、光をうまく利用してメリハリのある暮らしを作りましょう。

お風呂でスキンシップはいいけれど…

育メンという言葉がすっかり定着して、お子さんをお風呂に入れるのを楽しみにしているお父さんもいらっしゃると思いますが、ここで質問です。何時にお風呂に入っていますか?仕事から帰宅して、夕飯を食べて一息ついて…もう9時を回っていませんか?

3歳未満のお子さんは、夕方にはお風呂を済ませて、7時頃には暗い部屋で寝かしつけるお風呂でのお子さんとのスキンシップは、非常にいいことだと思いますが、夜遅くの入浴は赤ちゃんにはNG。体が温まり過ぎると眠気が起きにくくなってしまいますし、明るいお風呂で遊んでは体が目覚めてしまいます。

3歳未満のお子さんは、夕方にはお風呂を済ませて、7時頃には暗い部屋で寝かしつけることをおすすめします。共働きなどで時間配分が難しい方も多いと思いますが、お子さんが小さいうちは、大人が赤ちゃんの生活ペースに合わせるように心がけてください。

生活リズムが整った人は、人生の満足度も高い

幼児~高校生までどの年代でも、睡眠が足りていない子どもは、キレやすい、無気力、さらに学力低下といった傾向が見られます。また夜更かしの子どもたちは、早起きができなくなり、結果として朝ごはんを食べないケースも多く見られます。エネルギー不足によってますます元気が出ず、勉強やクラブ活動などのやる気が起きないのも当然です。反対に、子どものころからリズムの整った生活を送ってきた人たちは、その後、希望の大学や会社に入り、満足度の高い暮らしをしているという調査結果もあります。

テレビゲームやスマートフォンなど、ブルーライトを浴びながらの夜更かしは、睡眠時間が減るテレビゲームやスマートフォンなど、ブルーライトを浴びながらの夜更かしは、睡眠時間が減るだけでなく、睡眠の質も下げてしまいます。お子さんの将来のためにも、睡眠習慣とともに生活リズムそのものを整える手助けをしてあげましょう。

「早寝」より「早起き」を心がける

子どもは親の生活習慣に大きな影響を受けます。事実、睡眠文化研究所が行った調査によると、親が夜更かしで睡眠時間が短いほど、子どもも夜更かしであることが明らかになりました。お子さんの睡眠習慣を整えるためには、まず親が自分たちの生活パターンを見直す必要があるようです。

「早寝早起き」ではなく「早起き早寝」出張や旅行で明日は早起きをしないといけないからと、いつもより早く寝ようと思っても、なかなか寝付けなかったという経験はありませんか?夜更かし続きのお子さんに、いきなり早寝をしなさいと言っても、簡単に寝られるものではありません。そこで、ご家族みんなで、早起きから始めてみませんか。「早寝早起き」ではなく「早起き早寝」です。毎朝の起床時間を今より早くすることで、少しずつ夜に眠気が起きる時間も早まり、睡眠時間全体が前倒しされていきますよ。ぜひ、試してみてください。

[参考文献]
・渡辺 博 [編]『子供の保健』(改訂第2版 新装版)中山書店、2016
・齊藤万比古・市川宏伸・本城秀次 [監修]、大川匡子
[編]『睡眠障害の子どもたち』合同出版、2015
・三池輝久『子どもの夜ふかし 脳への脅威』集英社、2014
・神山 潤 [監修]、清水悦子 [編著]『赤ちゃんにもママにも優しい 安眠ガイド』かんき出版、2013
・堀 忠雄・白川修一郎・福田一彦 [監修]、日本睡眠改善協議会 [編]『応用講座 睡眠改善学』ゆまに書房、2013
・川島隆太『元気な脳が君たちの未来をひらく』くもん出版、2012
・神山 潤『ねむり学入門』新曜社、2010/『子どもの睡眠』芽ばえ社、2003
・神山 潤 [監修]、睡眠文化研究所 [編]『子どもを伸ばす「眠り」の力』WAVE出版、2005