眠りなサイエンス
睡眠博士ねねNene
vol. 15健康習慣をおさらいしよう!
世界屈指の長寿国、日本。いつまでも健康で元気でいるためには、若いうちから生活習慣を整えて、将来に備えることが大切です。そこで今回は、生活習慣病を予防する「一無・二少・三多」というユニークな指針とともに、必要な対策について見直してみたいと思います。
「一無・二少・三多」でメタボ対策
超高齢社会を迎えた日本では、「健康寿命」をいかに伸ばしていくかが大きな課題です。寝たきりを予防して、元気で長生きを目指すためには、少しでも早い段階から生活習慣を見直して、より健やかな暮らしを実践することが大切です。
そこで医療機関や行政から、さまざまな「健康習慣」や「指針」が提言されていますが、今回は日本生活習慣病予防協会の池田義雄博士が掲げる「一無・二少・三多」を取り上げてみたいと思います。
生活習慣病には、肥満や高血圧などさまざまな病が含まれますが、「一無、二少、三多」は、とりわけメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の発症を減らすことが明らかになっています。肥満は睡眠時無呼吸症候群を引き起こす原因にもなりますから、お腹まわりが気になる方は特に、取り入れてみてください。
心身の健康には、コミュニケーションも大切
【二少】= 少食・少酒の勧め
【三多】= 多動・多休・多接の勧め
「一無・二少・三多」の中身を紐解いていきましょう。
「一無」は「無煙・禁煙の勧め」です。
たばこが体に良くないことは、みなさま十分にご存じだと思います。暴飲暴食もしかり。
「二少」が示すのは、「少食・少酒の勧め」。
少な目の食事と少しのお酒です。食事は腹七~八分目、お酒は日本酒なら1日1合程度が目安です。
「三多」は、「多動・多休・多接の勧め」。
「多動」は運動習慣を表していますが、池田博士は激しい運動は必要なく、1日20分程度の歩行と10分程度の体操または筋トレでいいとしています。「多休」は1日6~8時間の睡眠による休養です。
注目してほしいのは、最後の「多接」です。これは、たくさんの人や物事に接して、創造的な生活をしましょうということだと言います。確かに趣味や楽しみを持っている人は、いくつになってもイキイキとしていますね。積極的に出かけたり、人と会ったりすることの重要性を感じます。
飲食のタイミングに気を付けて
ここからは睡眠に的を絞って、食事や運動との関わりを踏まえた、健康維持の具体策を見ていきましょう。
まずは食事です。前述したように、食事もお酒もほどほどに抑えることが大切ですが、摂る時間にも注意しましょう。睡眠中は消化活動が低下するので、寝る直前までものを食べていると、胃が炎症を起こしたり、その結果眠りが浅くなったりするケースがあります。また寝酒は、寝つきこそ良くなるものの、アルコールの利尿作用によって中途覚醒が起きるなど、睡眠の質は低下してしまいます。
飲食は、眠る3時間前までに済ませるように心がけましょう。残業でどうしても食事の時間が遅くなってしまうといった場合は、うどんなど脂質が少なく消化の良いものを選ぶといいでしょう。
またカフェインの覚醒作用は3~4時間、高齢者の場合はさらに長い時間持続すると言われています。コーヒー、紅茶、緑茶の他、ココアや栄養ドリンクなどにも、カフェインが多く含まれていますので、飲むタイミングに注意が必要です。夕方以降は、なるべく飲むのを控えるようにしましょう。
「適度な運動」ってどれくらい?
快眠に欠かせない、健康維持の必須要素として挙げられる「適度な運動」。具体的にはどの程度の運動が必要なのでしょうか?
睡眠との関連で言えば、運動を行う時間がポイントです。睡眠直前の運動は、体温の大幅な上昇を招いて交感神経を優位にするため、寝つきの妨げになってしまいます。体温の低下とともに眠気はやってきますので、夕方にウォーキングなどの運動を行うのが理想ですが、仕事をしている方は実際には難しいですね。夜間に運動をする場合は、ストレッチやヨガなど、心身をリラックスさせて副交感神経を優位にするものがおすすめです。
「ぐっすり.com」では、寝る前におすすめのストレッチとヨガをご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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(参考サイト:日本生活習慣病予防協会)
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