眠りなサイエンス
睡眠博士ねねNene
vol. 11目覚めに体がイタイのはこんな理由かも?
朝起きると、なんだか首や腰が痛い・・・ そんな経験はありませんか? 敷きふとんや枕、そしてご自身の体調などが影響し、同じように眠っているつもりでも、睡眠は日によって変わっていきます。そこで今回は、眠りや寝具と体の痛みについてお話してみたいと思います。
きちんと寝返りを打っていますか?
朝目覚めた時に感じる体の痛みの一因に、筋肉の緊張が挙げられます。筋肉が緊張し硬くなると、筋肉内部の血管や神経が圧迫され、またリンパ液などの流れも滞ってしまいます。
同じ姿勢のまま眠っていると筋肉がこり固まってしまいますから、予防のために人はある行動をとっています。寝返りです。人は一晩で20~30回も寝返りをしていると言われ、それによって血液やリンパ液といった体液の循環を促し、寝具と密着している部分の体温上昇を防ぐほかに、体のゆがみの調整までしているという説もあります。
しかし寝具が体に合っていないことから、きちんと寝返りが打てず、痛みやだるさ、熟睡感を得られないといったトラブルを起こしているケースがあるのです。
体重を分散できない寝具は首・肩・腰に負担
硬さが合っていない敷きふとんやマットレスを使うと、肩や腰に体重が集中してかかり、筋肉が圧迫されて痛みの原因になります。
また硬すぎる寝具は、仰向けに寝た際、おしりの出っ張りによって体が反った状態になってしまい、腰痛を引き起こしたり、すでに腰痛のある場合は悪化させたりすることもあります。反対にやわらかすぎても、敷きふとん(マットレス)におしりが落ち込んでしまいます。その無理な体勢を支えようと首まわりに負担が掛かり、首や肩の痛みにつながっていくのです。
体圧(体重による圧力)を分散し、体全体で自重を支えられるとともに、背骨のS字カーブを自然に保てる寝具が理想です。
朝の頭痛は枕と敷きふとんの相性が原因かも
自然な姿勢を保ったりスムーズに寝返りをしたりするには、枕も自分に適したものを使うことが大切です。ではどんな枕が最適なのか?それは個々の体型によって異なるので一概にコレとは言い難いのですが、いくつか目安をご紹介しましょう。
まず仰向けの状態で、顔が約5度うつむくようになること。そして、敷きふとんと首のすき間を埋める高さにすることで、首や肩への負担が少なくなると言われています。枕の高さは敷きふとんの硬さによって変わります。敷きふとんが柔らかいと、体が沈み込んで枕が高くなります。枕を選ぶ際には、敷きふとんとセットで考える必要があるのです。
枕は高すぎても低すぎても首を圧迫し痛みの原因になります。寝起きに頭痛がする方も、枕と敷きふとんの相性を見直してみはいかがでしょうか。
睡眠中の寒さで肩こりに
冬場に外出すると、寒さで体に力が入り肩や首が凝ってしまうことはありませんか?
しかし日中に限らず、夜寝ている間も寒さから無意識に体を縮めてしまうことがあります。また体が冷えると血行不良になりやすく、さらにこりを加速させることに。肩口は冷気が入りやすいですから、掛けふとんで首もとまでしっかり覆って暖めることが大切です。肩まわりをカバーするアイテムも販売されているので、活用してみるのもいいでしょう。
また重すぎる掛けふとんは、寝返りの妨げになります。軽いおふとんは物足りないと感じる方もいらっしゃいますが、筋力が弱いと寝返りがしにくい場合がありますから、おふとんの重さにも目を向けてみてください。
ストレッチで腰痛スパイラルを予防!
そもそも仰向け姿勢になることがきつい方もいらっしゃるでしょう。それは、長時間のパソコン作業などで猫背になり、体の前側の筋肉が縮んでいるからかもしれません。しかし上向きが辛いからと言って、横向きばかりで寝ていると、さらに筋肉が凝り固まるという悪循環に陥ってしまいます。
胸やお腹の筋肉、股関節などを緩めて、ご自身の姿勢を整えることも、目覚めの痛みを予防するポイントです。また寝返りを打つには適度な筋力が必要です。加齢とともに筋力は落ちていきますから、適度に運動をして筋力をつけておくことも大切です。
東洋羽毛の睡眠情報サイト「ぐっすり.com」では、
さまざまな体操やストレッチもご紹介していますので、ぜひ取り入れてみてください。
【快適な睡眠と目覚めに、おすすめエクササイズ】
・快適な睡眠へ導く、3分間ストレッチ
・目覚めすっきり!おふとんの上でできる簡単ストレッチ
・初心者でも安心!リラックスヨガで毎日ぐっすり
- vol. 1寝つきの悪さの原因と対策
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- vol. 4睡眠不足が脳と体の成長に与える影響について
- vol. 5睡眠で分かるカラダ不調のサイン
- vol. 6欧米と日本の睡眠習慣の違い
- vol. 7寝つきと寝起きのひと工夫
- vol. 8いびきが起きる原因と解消法
- vol. 9寝坊の原因と解消法
- vol. 10赤ちゃんとお子さんのより良い睡眠のために
- vol. 11目覚めに体がイタイのはこんな理由かも?
- vol. 12良い目覚めと悪い目覚めの違い
- vol. 13仮眠や昼寝を効率よく取るコツ
- vol. 14睡眠不足のリスク
- vol. 15健康習慣をおさらいしよう!
- vol. 16睡眠障害とは?