「朝だ、起きよう」「そろそろ昼かな、お腹が空いた」「もう夜だ、眠いなあ」……こうした生活のリズムを司っているのが「体内時計」と呼ばれる機能です。
私たちの誰もが持っている体内時計ですが、じつは1種類ではなく2種類存在するということはあまり知られていないようです。
今回は体内時計の機能と役割に加えて、健康な生活に体内時計を活かす3つのコツをご紹介します。
体内時計とは?
体内時計とは、人間が生きるために必要なさまざまなリズムを調節する機能のことです。
朝が来れば自然と目が覚め、昼間は心も体も活発になり、夜になれば自然と眠くなる。
当たり前のように思えるこのリズムは、体内時計があってこそです。
体内時計が正しく機能しないと、こうした体のリズムが狂ってしまいます。
そうすると、不眠、うつ病、のぼせ、冷え症、自律神経失調症、といった心身の不調に繋がることも……。
これらを防いで健康的な毎日を送るためには、体内時計のリズムを整えることが不可欠です。
夜の明るすぎる照明や夜中についつい眺めてしまうスマホなど、現代社会は体内時計の調子を狂わせる原因にあふれています。
それらすべてを取り除くことは難しいかもしれませんが、できる範囲で「体内時計を整えよう」と意識することが大切です。
体内時計が整うと、夜は心地よくぐっすり眠れて、朝はパッと元気に起きられる、そんなリズムができあがっていきます。
あなたの中にも2種類の体内時計がある
この体内時計、最近の研究で、じつは1種類だけではないことがわかってきました。
私たちの体には、体内時計が2種類存在しているのです。
ひとつは、「脳時計(親時計)」と呼ばれるもので、脳の中の視交叉上核という部分にあります。
もうひとつは「抹消時計(小時計)」と呼ばれるもので、全身の細胞ひとつひとつに組み込まれています。
脳時計は全身にある抹消時計たちの司令塔のような役割です。脳から細胞へ、体内リズムに従った行動をするように司令を出しています。
オーケストラに例えるなら、脳時計が指揮者で、抹消時計が演奏する人たちです。
指揮者と演奏する人たちとが息を合わせてぴたっとリズムを一致させることで、いい音色(つまり健康的な体のリズム)が奏でられます。
夜ぐっすり、朝スッキリ過ごす3つのコツ
2種類の体内時計をそれぞれ正しく機能させ、ぴたっと息の合ったリズムを奏でてもらうにはどうしたら良いのでしょうか?
日常で心がけやすい3つのコツをご紹介しましょう。
1.朝日を浴びる

体内時計のリズムを整えてくれるのは、朝の光です。 朝起きてすぐに太陽の光を感じることで、脳の中にある脳時計がリセットされ、リズムを整えることができます。 朝起きたら、真っ先に朝日を浴びる習慣をつけましょう。窓のそばに行ってカーテンを開け、そこで5分ほどゆっくりするだけでOKです。 日当たりが良くないお部屋でも大丈夫。窓から外を眺めて太陽の光を目に入れるだけでも、効果的ですよ。
2.朝ごはんを食べる

食欲がわかない場合は、ゆで卵やバナナ、ヨーグルトだけでもOKです。 食べ物を消化しようと胃が動くことで体が目覚め、体内時計のリズムも整います。
3.夜は強い光を避ける

ところが、暗いはずの夜に不自然に強い光を浴びると、脳が「まだ昼間なのだ」と勘違いして、体内時計が混乱してしまいます。 夜遅くに買い物に行き、コンビニなどで強い蛍光灯の光を浴びたり、スマホやテレビの明るい画面をじっと見つめていたりすると、眠りのリズムが大きく乱れてしまうのです。
体内時計を整えるためには、夜と朝のメリハリをつけるのが効果的です。 夜は暖色系などの明かりのもとで過ごし、朝は明るい太陽の光をたっぷり浴びましょう。そうすることで、体のリズムが自然な形に整っていきます。 メリハリを意識した生活で、快適な毎日を過ごしましょう。
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