コラム
美容コンサルタント美羽Miu
vol. 6寝苦しいのは「寝床内環境」のせいかも?布団の中の温度・湿度を快適に整える3つのポイント
いつもなんとなく寝苦しい。寝ても疲れがとれないどころか、寝る前より身体がぐったりしている……。そんな悩みをお持ちのあなたは、一度お布団の中の環境「寝床内環境」を見直してみると良いかもしれません。
布団の中の温度や湿度は、お部屋全体とは違うもの。今回は、心地よく深く眠るために大切な「寝床内環境」のつくり方をご紹介します。
「寝床内環境」とは?
寝床内環境とは、その名のとおり「布団の中の環境のこと」です。
寝ているときに私たちの身体を包み込んでいる、掛け布団と敷布団の間の空間。この空間を快適に保つことは、健康な睡眠を守るために欠かせないものなのです。
厚生労働省のホームページ『e-ヘルスネット』によると、眠りに最適な寝床内環境は「温度33℃(±1℃以内)、湿度50%(±5%以内)」とされています。
人は暑すぎても寒すぎてもよく眠れませんし、湿度が高すぎても乾燥しすぎていても身体に悪影響があります。布団の中を「温度33℃前後、湿度50%前後」の状態に保つことで、ぐっすり眠れて心も身体も回復できるのですね。
では布団の中をこの状態に保つにはどうしたら良いのでしょうか?
Point1.部屋との温度差を小さくする
まず気をつけたいのが、寝床内とお部屋との温度差です。とくに秋〜冬にかけては「布団の中が温かいから部屋は寒くても大丈夫」と油断してしまいがち。ですが通常、首から上はお布団の外に出ています。身体が温かいのに顔は冷たいという状態は、自律神経のバランスを崩してしまう恐れがあるため避けたいところ。
お部屋の温度は諸説ありますが「夏は25〜28℃、冬は16~20℃」が適温と言われています。エアコンを上手に活用して、布団の中と外とで極端な温度差をつくらないように心がけましょう。乾燥が気になる場合は濡れタオルを干すと、程よくお部屋の空気が潤います。
Point2.「敷布団」や「マットレス」の選び方
敷布団やマットレスなど身体の下に敷くものを選ぶときは、「硬さ」「柔らかさ」「耐久性」の3点に注目しましょう。
敷布団やマットレスが硬すぎると、体圧を強く感じやすくなり、身体の凸部分に痛みやうっ血が出る恐れがあります。
かと言って、柔らかすぎてもいけません。柔らかすぎる敷布団では背骨が曲がりすぎてしまい、腰痛の原因に。寝返りもうちづらく、長時間同じ姿勢をとることになってしまうため、身体の疲れがとれるどころか筋肉が固まってしまいかねません。
敷布団やマットレスは、硬すぎず柔らかすぎないものを選ぶことが大切です。しかし骨格には男女差・個人差があるため、快適な硬さ・柔らかさは人によって異なります。
寝具の専門店では、寝ているときの姿勢や身体の凹凸による「寝姿勢圧」を測定できるところもあります。睡眠中の疲れや肩こりなどが気になる方は、一度ご自身の寝姿勢圧を測ってみることをおすすめします。
Point3.「掛け布団」の選び方
掛け布団を選ぶときのポイントは、「保温性」「吸湿・透湿・放湿性」「柔らかさ」「軽さ」の4点です。●保温性
人間の身体にとって「寒さ」は大きなストレスです。ストレスを感じるとそれに対抗するため興奮を司る交感神経が活発になり、眠りを妨げてしまいます。
●吸湿・透湿・放湿性
人は一晩でコップ1杯分もの汗をかきます。大量の汗が布団の中にこもってしまったら、ムレてしまって快適には眠れません。まるで呼吸をするように、湿気を外へ逃がしてくれる掛け布団が理想的です。
●柔らかさ
睡眠中の安心感は布団の手触りで決まります。ゴワゴワして肌触りの悪い布団は、寝ている最中の私たちに「気持ち悪い」という感覚を与え続けます。心身の疲れを癒やすためには、柔らかく手触りの良い掛け布団がベストです。
●軽さ
掛け布団で最も大切なのが、軽さです。その理由は2つあり、1つは毛布の重みで全身の毛細血管が圧迫され、血流が悪くなること。もう1つは寝返りをうつのに力が要ることです。 健康な人で、一晩に20〜30回の寝返りをうつと言われています。重たい毛布を頑張って持ち上げながら寝返りをうつのは、眠りながら筋トレをしているような状態です。これでは疲れてしまいますよね。
冬場は毛布を何枚も重ねて寝る、という方も多いかと思います。でも上記3つのポイントを踏まえると、これはあまり良い方法とは言えないようです。
ポイントを満たす掛け布団として理想的なのは、やはり日本人にとっておなじみの「羽毛布団」です。空気の層が温かさと適度な湿度を保ち、軽やかに優しく眠りを守ってくれます。
理想は「羽毛布団+薄手の寝間着」
羽毛布団を使うのであれば、寝間着はできるだけ薄手のものがおすすめ。というのも、羽毛布団の機能性は直接肌に触れているときに最大限発揮されるためです。
一番心地よさを感じられるのは「羽毛布団+裸」で眠ること。さすがにそれは現実的ではないものの、身体と羽毛布団との間にはできるだけ他のものを挟まない方が良いと言えます。
ですから、もしも毛布を1枚加えるのであれば、羽毛布団と身体の間に挟むのではなく「羽毛布団の上に毛布を乗せる」ことが大切です。こうした方が羽毛布団の機能性が損なわれずにすむ上、温かい空気を寝床内にキープできます。
寝間着には通気性の良い薄手で天然素材のパジャマが最適です。ジャージやスウェットは部屋着としては優秀ですが、化学繊維の素材のものだと吸湿性が悪く、衣服内が蒸れやすくなりますので寝間着にはあまり向きません。これらの素材は通気性が悪く、寝ている間にかいた汗で身体を冷やしてしまう恐れがあります。
見逃されがちな「お布団の中の環境」。心地よく眠るために、ぜひ一度ご自身の寝具をチェックしてみてくださいね。
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