羽毛ふとんのパイオニア 東洋羽毛工業が提供する睡眠情報サイト
  • 東洋羽毛公式SNS|X(旧Twitter)
  • 東洋羽毛公式SNS|Instagram
  • 東洋羽毛公式チャンネル|youtube
美容と睡眠
コラム

美容コンサルタント美羽Miu

vol. 32まさに「寝る子は育つ」。子どもの睡眠を守る5つのポイント

日本では、昔から「寝る子は育つ」と言われます。この言葉のとおり、子どもの健やかな成長のためには良質な睡眠と充分な睡眠時間が必要です。とくに小さな子どもは、一緒に暮らす大人の生活リズムに影響を受けやすいため、大人がしっかり睡眠リズムをコントロールして、子どもの睡眠を守ることが大切になります。
今回は、子どもの睡眠が持つ大切な役割や、成長を妨げないために気をつけるべき睡眠関連のポイントについて紹介します。

子どもにとっての睡眠の役割

子どもにとっての睡眠の役割 睡眠は、大人にとってももちろん非常に欠かせないものですが、脳や身体が成長中の子どもにとっては、より大切です。

骨や筋肉の発達を促す成長ホルモンは、睡眠中(とくに入眠後すぐに訪れる、深いノンレム睡眠の最中)に最も多く分泌されます。また、新しく覚えたことは睡眠中に記憶や技術として定着しますし、脳と身体の疲労回復も睡眠中に行われます。

成長ホルモンの分泌、記憶や技術の定着、脳と身体の疲労回復。睡眠が担っているこれらの役割は、子どもの成長にとって重要なものばかりです。

睡眠不足が続けば、大人でも心身に悪影響が出ますが、子どもにとってはより顕著なものとなります。子どもが慢性的な睡眠不足に陥ると、居眠りや遅刻、体調不良、意欲の喪失、イライラ感といった問題を抱えやすくなり、学校生活に影響が出ることも少なくありません。また、落ち着きがなくなり多動傾向が現れたり、肥満やうつ病のリスクが高まったりすることも、最近の研究により判明しています。



子どもには、大人より多くの睡眠時間が必要

子どもには、大人より多くの睡眠時間が必要 子どもには、大人より多くの睡眠時間が必要です。アメリカ国立睡眠財団(NSF)が公表した「推奨する睡眠時間」によると、一般的な1日あたりの睡眠時間は、新生児(0〜3ヶ月)で14~17時間程度、乳児(4〜11ヶ月)で12〜15時間程度、1〜2歳で11〜14時間程度、3〜5歳で10〜13時間程度、6〜13歳で9〜11時間程度とされています。

上記はあくまでも目安であり、必要な睡眠時間には個人差があるため、一概に「この時間を守るべき」ということではありません。ただ、生活様式の多様化やデジタルデバイスの登場により、子どもの睡眠時間は全体的に不足傾向にあります。とくに日本は、世界の中でも子どもの睡眠時間が短い国として知られています。

もし、子どもに、朝起きるのがつらい、日中眠そうな様子や集中力の低下といった睡眠不足の兆候が見られる場合は、上記を目安に「必要な睡眠時間を確保できているか」を再考してみましょう。



子どもの睡眠をより良く保つポイント

子どもの健やかな成長を守るためには、「睡眠の質の向上」と、「充分な睡眠時間の確保」の両方が必要です。具体的には、次のようなポイントに気をつけていきましょう。


早寝早起きを心がける

昼夜を問わず眠ることが必要な赤ちゃんは別ですが、それ以外の子どもにとっては、やはり「早寝・早起き」が健康を守るポイントです。起床と睡眠のリズムが整うと、様々な体のリズムをコントロールしている体内時計が整います。毎朝の起床時刻から、年齢に応じて必要な睡眠時間を逆算し、夜は適切な時刻に就寝させるようにしましょう。


朝ごはんの習慣をつける

朝ごはんの習慣をつける 睡眠リズムを整えるためには、朝ごはんを食べることも重要です。朝ごはんを食べることで、栄養を得た脳と身体がしっかり目を覚まします。体内時計も整いますし、日中を元気に過ごすエネルギー源も得られます。朝ごはんは、できるだけ毎朝しっかりと食べる習慣をつけましょう。


夜のゲームや動画視聴を控える

スマホやタブレットといったデジタルデバイス。これらの画面から発する光には、脳を覚醒させる波長(ブルーライト)が含まれています。デジタルデバイスを使うと目がぱっちりと覚めてしまうため、布団に入っても寝付きにくくなる場合があります。とくに子どもは、身体が小さい分、目と画面の距離が近づきやすく、ブルーライトの影響も大人より受けやすいと言われています。「就寝1時間前にはゲームや動画視聴をしない」といったルールを設けて、夜の睡眠リズムを守りましょう。

寝室環境を整える

睡眠の質を良くするためには、できるだけ静かで落ち着ける環境が必要です。たとえば、子どもが寝ている横で親が音を出してテレビを見ていたり、寝室がこうこうと明るい環境だったりすると、子どもの睡眠の質はどうしても低下してしまいます。寝室は、できるだけ暗くし、静かな環境を整えてあげましょう。


病気の兆候があれば、すぐに小児科へ相談を

睡眠時無呼吸症候群や、ムズムズ脚症候群、概日リズム睡眠障害など、睡眠にまつわる病気はたくさんあります。これらは「大人がかかるもの」と思われがちですが、じつは子どももこうした病気にかかることがあります。とくに近年は、ライフスタイルの変化により、子どもにも睡眠にまつわる病気のリスクが増えています。 大きないびきや日中の居眠り、「寝付けない」といった訴えなど、子どもの睡眠に関して「何か変だな」と思うことがあれば、かかりつけの小児科へすぐに相談しましょう。




【監修】東京ベイ・浦安市川医療センター CEO / 医師 神山 潤 先生

睡眠、特にレム睡眠を脳機能評価手段の一つとして捉える臨床的な試みに長年取り組む。
旭川医科大学、UCLAでは睡眠の基礎研究に従事。米国から帰国後、日本の子どもたちの睡眠事情の実態(遅寝遅起き)に衝撃を受け、社会的啓発活動を開始している。


【主な著書】
・朝起きられない人のねむり学 一日24時間の賢い使い方
・眠りは脳と心の栄養! 睡眠がよくわかる事典 早起き・早寝で元気になれる
・睡眠で人生が劇的に変わる生体時計活性法 (講談社+α新書)
他多数