コラム
美容コンサルタント美羽Miu
vol. 7寝落ちは立派な危険信号!睡眠負債のセルフチェックと解消法
「睡眠負債」という言葉を聞いたことがありますか?
日々の睡眠不足が積み重なったもので、脳や身体に大きなダメージを与えてしまう恐れがあり、最近注目を浴びています。睡眠は毎日の積み重ねなので「自分は大丈夫」と思っているあなたも、日中眠くてたまらないことがあったり、布団に入るとすぐ気絶するように寝入ってしまったりすることがあるなら、知らないうちに睡眠負債が溜まっているのかもしれません。
今回は、睡眠負債のチェック方法や解消法をご紹介します。
がん・認知症のリスクが高まる、睡眠負債とは?
睡眠は、脳や身体の疲労回復やダメージ修復といった働きを担っています。
睡眠時間が短かったり、睡眠の質が悪かったりすると、疲労回復やダメージの修復が完了せず、疲れや不調が残ったまま脳や身体を起こして活動しなければなりません。
これが一晩だけならそんなに問題ありません。翌日の夜にしっかり眠ることができれば、前夜の分まで回復できるでしょう。しかし、よく眠れない日が何日も続いてしまうと「睡眠負債」が溜まって、脳や身体に不調が現れてきます。
睡眠負債は、恐ろしいリスクを秘めています。マウスを使った実験では、睡眠を邪魔され続けたマウスは免疫細胞に異常をきたし、体内のがん細胞が増加したという研究結果があります。また、アルツハイマー型認知症の原因物質の一つで、脳の活動によって脳内で生じるアミロイドβを脳からうまく排出することができず、認知症リスクがアップするという研究結果も出ています。
睡眠負債のサインはどんなもの?
「最近どうも疲れがとれない。年のせいかなぁ」なんて思っている方も、ひょっとしたら睡眠負債が溜まっているのかもしれません。睡眠負債によく見られる兆候は、次の4つのサイン。あなたは心当たりありませんか?
(1)朝スッキリ起きることができない
朝ごはんを食べる時間がないほどギリギリまで寝てしまったり、目覚めたときに疲労感が残っていたり。そんな日が続いているなら、日々の睡眠時間が足りていないのかもしれません。
(2)午前10時〜11時頃に強い眠気がある
最適な睡眠時間を取っており、ぐっすりと眠れていれば、午前10時〜11時頃は脳の働きが活発になり、目が冴えている時間帯です。それにもかかわらず眠気が強いのであれば、日々の睡眠時間が足りていないのかもしれません。
(3)寝落ちしてしまう
布団に入った瞬間、意識が途切れるように寝落ちてしまう。また布団の中でスマホを見ながら、いつのまにか寝落ちてしまう。これは睡眠負債の危険信号の1つです。とくにスマホを見ながら寝落ちする人は、要注意。スマホを見るというのは本来、脳を覚醒させて目が冴えた状態にする行為です。それにも関わらず寝落ちしてしまうのは、脳や身体が睡眠に飢えている証拠と言えます。
(4)待合室や電車の中で寝てしまう
本来、人は安心できるリラックスした環境でなければ眠ることなどできません。役所や病院の待合室、電車の中やバスの中といった場所は、周囲に知らない人がたくさんいると、本能的には危険を感じる場所のはず。それなのに座るといつも寝てしまうのなら、それは脳や身体が睡眠に飢えていることの証かもしれません。
休日の寝だめは逆効果。睡眠負債の解消法は?
睡眠負債を解消するためには、日々の生活習慣を変えていくことが大切です。
朝は毎日同じ時刻に起きて、きちんと朝食を摂り、できるだけ太陽の光を浴びましょう。
昼間は活動的に過ごしましょう。身体を動かすことが大切です。また昼寝をする場合は20分以内で、15時までにしましょう。
夜はゆっくり過ごす時間をつくり、身体を活動モードからリラックスモードに切り替えましょう。好きな香りや音楽を楽しんだり、お風呂でぬるめのお湯に浸かったり。ハーブティーを淹れてゆっくり味わうのもおススメです。また、部屋の明かりを暗めの暖色系にすることも大切です。
ちなみに最近の研究で、休日の寝だめは睡眠不足をほとんど解消できないどころか、逆に睡眠不足を助長させてしまうことが分かっています。休日だけ長く寝るという不規則な生活は、睡眠のリズムを崩し、かえって夜の睡眠の質を下げてしまうので注意しましょう。とは言っても「休みの日ぐらいゆっくりと寝ていたい」という方は、休日と平日の「睡眠中央時刻」のズレを2時間以内にすることをおススメします。
睡眠中央時刻とは、眠りに落ちる時刻と朝目覚める時刻のちょうど中間にあたる時刻のことです。たとえば「0時に就寝して6時に起床する6時間睡眠」の場合、睡眠中央時刻は3時です。「23時に就寝して7時に起床する8時間睡眠」でも睡眠中央時刻は3時となり、変わりません。睡眠中央時刻のズレを小さくすることが大切です。
睡眠負債を解消するために、毎日の習慣や休日の眠り方を工夫していきましょう。
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