羽毛ふとんのパイオニア 東洋羽毛工業が提供する睡眠情報サイト
  • 東洋羽毛公式SNS|X(旧Twitter)
  • 東洋羽毛公式SNS|Instagram
  • 東洋羽毛公式チャンネル|youtube
美容と睡眠
コラム

美容コンサルタント美羽Miu

vol. 34快眠のカギは寝室・寝具にあり。睡眠の質をUPする「睡眠環境」を整えよう

元気な日常のためには、良質な睡眠をたっぷりとることが大切です。とはいえ、「ふとんに入ってもなかなか眠れない」「ちゃんと寝ているつもりなのに疲れがとれない」といった悩みを持つ人もたくさんいるでしょう。

良質な睡眠のためのポイントは、大きく分けて2つあります。1つめは、日常の行動や習慣といった「生活習慣」。もう1つは、寝室や寝具などの「睡眠環境」です。

「生活習慣」について知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
睡眠の質を落とす「NG生活習慣」とは?よく眠るための簡単セルフチェック
今回は、寝室や寝具など「睡眠環境」を整えるコツを分かりやすく解説します。

一流のパフォーマンスは睡眠から

一流のパフォーマンスは睡眠から アスリートからビジネスマンまで、世界の名だたる著名人の中には「睡眠を大切にしている」という人が少なくありません。一流として活躍する彼らは、プレッシャーのかかる場面や「ここぞ」という場面で安定したパフォーマンスを求められます。
そんなパフォーマンスを支えるものこそが、良質な睡眠です。睡眠は、脳と身体の疲労を取り除き、全身の細胞の修復を活性化させ、高い能力を発揮するための地盤を整えてくれます。

「寝付けない」「夜中に目が覚める」「眠りが浅くなる」は良質な睡眠がたっぷりとれないということに繋がります。たとえ充分な睡眠時間を確保していたとしても、結果的に睡眠不足と同じ状態になってしまい、日中の眠気や集中力・パフォーマンスの低下を招いてしまうのです。



睡眠の質を低下させるNG環境をセルフチェック

寝室や寝具の状態は、睡眠の質を大きく左右します。あなたの睡眠環境について、次のようなことはありませんか?

暑さ・寒さを我慢している

寝室や寝床内(ふとんの中)は、暑すぎても寒すぎても眠りにくくなります。「エアコンが苦手だから」といった理由で暑さ・寒さを我慢してしまうと、睡眠の質が下がることはもちろん、熱中症や感冒といった体調不良の原因にもなりかねません。寝室や寝床内は、適切な温度を保つことが大切です。


寝室の湿気や乾燥が気になる

ジメジメ、蒸し蒸しとした部屋の中では、寝苦しくてよく眠れないものです。とはいえ、寝室が乾燥しすぎているのも、喉や肌の不調につながる恐れがあります。寝室では、温度だけでなく湿度にも注意することが大切です。


寝室が明るくて寝付きにくい

夜間に明るい光を浴びると、自然な眠気を誘う働きのある「メラトニン」という睡眠ホルモンの分泌を妨げてしまいます。このため、一般的に明るい場所で人は寝付きにくくなります。就寝中の寝室を適度な暗さにすることはもちろん、夜間はできるだけ明るい光を浴びないように気をつけましょう。


寝室で、騒音や話し声などが気になる

ワイワイガヤガヤ……とまでは行かずとも、窓の外から聞こえる騒音や、隣人の生活音、家族が見ているテレビの音など、「うるさい」と感じる環境でもなかなか寝付けませんよね。騒音は眠りの質を低下させてしまいます。上質な睡眠のためには、できるだけ静かな環境を作る工夫が大切です。



睡眠の質をUPさせる睡眠環境のポイント

ではいよいよ、睡眠の質をUPさせるためのコツについて見ていきましょう。意識したいポイントは、「温度」「湿度」「光」「音」の4つです。


温度(暑さ・寒さ)

温度(暑さ・寒さ) 睡眠に最も適した温度(室温)は、「夏は25~28℃、冬は16~20℃」と言われています。エアコンなどを活用して、朝まで適切な温度をキープしましょう。また、寝床内(ふとんの中)の環境も大切です。良い寝床内環境のポイントについては、次の項で解説しますので、ぜひそちらも読んでみてください。


湿度(ジメジメ・乾燥)

快眠に適した湿度は、「夏は40~60%、冬は50%以上」と言われています。とくにジメジメしやすい夏場や梅雨の時季は、エアコンや除湿機を活用して湿度を適切に保ちましょう。また、冬場など乾燥が気になるときには、加湿器を使ったり、室内に濡れタオルを干したりといった工夫をするのがオススメです。


光(暗さ)

睡眠に最も適した理想的な明るさは、「0.3lx(ルクス)」であるとされています。これは「晴れた日の月明りが入る程度」の明るさです。この基準に照らし合わせると、一般的な家庭の天井にある常夜灯(豆電球)は、睡眠の質を低下させる可能性があるため、できれば消した方が良いでしょう。環境的に寝室の暗さを確保しづらい場合は、アイマスクを付けて寝ると効果的です。


音(静けさ)

音(静けさ) 音の面では、寝室の静けさとして理想的なのは「40㏈(デシベル)以下」の環境です。これは「図書館」や「昼の静かな住宅街」の静けさであり、かなり静かな環境であることが分かります。騒音や家族の声などが気になるときは、耳栓を使って音を遮断すると良いでしょう。 また、「無音ではかえって寝付きにくい」と感じるときは、ごく小さな音量で静かな音楽(ヒーリングミュージックなど)を流しながら寝るのもオススメです。この場合、眠りについた後は音楽が止まるよう、タイマーをかけておきましょう。



寝床内(ふとんの中)の環境も大切

良い睡眠をとるために、寝室と同じくらい大切にしたいのが「寝床内環境」です。寝床内環境とは、掛けふとんと敷きふとんの間の空間、つまり「ふとんの中」の環境のこと。ふとんの中の温度や湿度については、「あまり意識したことがない」という方も多いのではないでしょうか。

睡眠に最適な寝床内環境は、「温度33℃(±1℃以内)、湿度50%(±5%以内)」と言われています。この目安を参考に、おふとんの中の温度は寝室全体よりも少し暖かく保ちましょう。また、湿気がこもりすぎないように寝具や寝間着は吸湿・透湿・放湿性に優れたものを選ぶと良いでしょう。

とくに寝具の機能性は、ぐっすり眠るためのキーポイントになります。上述した吸湿・透湿・放湿性のほか、手触りの良さや使用感、掛けふとんであれば軽さ・柔らかさ、敷きふとんであれば適度な硬さなどを重視して選ぶのがオススメです。

寝床内環境で意識したいポイントについては、こちらの記事も読んでみてくださいね。
寝苦しいのは寝床内環境のせいかも?ふとんの中の温度・湿度を快適に整える4つのポイント




【監修】東京ベイ・浦安市川医療センター CEO / 医師 神山 潤 先生

睡眠、特にレム睡眠を脳機能評価手段の一つとして捉える臨床的な試みに長年取り組む。
旭川医科大学、UCLAでは睡眠の基礎研究に従事。米国から帰国後、日本の子どもたちの睡眠事情の実態(遅寝遅起き)に衝撃を受け、社会的啓発活動を開始している。


【主な著書】
・朝起きられない人のねむり学 一日24時間の賢い使い方
・眠りは脳と心の栄養! 睡眠がよくわかる事典 早起き・早寝で元気になれる
・睡眠で人生が劇的に変わる生体時計活性法 (講談社+α新書)
他多数