コラム
美容コンサルタント美羽Miu
vol. 5何時に布団に入ってる?あなたに最適な「睡眠時間」と「時間帯」を教えます
充分な睡眠時間を確保することは、健康にとっても美容にとっても大切です。では、いったい何時間眠れば充分と言えるのでしょうか?
また、俗にいう「睡眠のゴールデンタイム」は、本当に効果的なのでしょうか?
今回は、あなたの睡眠をより質の良いものに変える「睡眠時間」と「時間帯」についてご紹介します。
「睡眠時間を削ってはいけない」最大の理由
「質の良い睡眠をとっていれば、時間は短くても大丈夫」というのは間違いです。睡眠の質をいくら上げても、肝心の睡眠時間が足りないままではあまり意味がありません。
なぜなら、睡眠の持つ働きは、寝入ってからの経過時間で徐々に変化するためです。
睡眠の持つ働きとは、疲労回復、傷んだ機能の修繕、身体にとって良いものを取り入れて悪いものを排出するなど、心身のメンテナンス全般。この全てを一気に行うことはできません。
たとえば何かを作る工場でも、「原料の加工」「製造」「箱詰め」「出荷」のように、段階ごとに工程が分かれますよね。睡眠も同じなのです。
眠りについてから3時間ほどは深い眠りが訪れやすく、主に脳を休める働きをします。時間が経過して後半に入ってくると、今度は身体を休めるための眠りにシフトし、身体機能の修復をしていきます。
睡眠時間が短くなると、後半の役割がごっそり削られてしまいます。眠りの後半が削られると、免疫機能を低下させてガンにかかりやすくなったり、脳の中の老廃物を排出しきれず認知症にかかりやすくなったりすると言われています。
睡眠では質を上げるとともに、充分な時間を確保することも大切なのですね。
何時間眠ればOK?ベストな睡眠時間とは
◆「ベストな睡眠時間」には個人差がある
「じゃあ、いったい何時間寝たらいいの?」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。その答えは、じつは人によって異なります。
必要な睡眠時間には、生まれつき個人差があります。また年齢によっても異なり、多くの場合では年をとるにつれ必要な睡眠時間は自然と短くなっていきます。
9時間以上眠る必要のあるロングスリーパー型の人、6時間未満でも充分と言われるショートスリーパー型の人も、ごく少数ですが存在します。
▼ロングスリーパーとショートスリーパーについては、こちらの記事もご参照ください。
『ショートスリーパーとロングスリーパーのメカニズム』
長く眠れば眠るほど良いというものでもありません。
研究によれば、睡眠時間が平均7時間半程度の人が最も長生きであるという結果が報告されています。つまり、短すぎる眠りも長すぎる眠りも、どちらも寿命を縮めてしまうのです。
重要なのは、自分にとって最適な睡眠時間を把握して、それをキープすることです。
◆あなたの「隠れ睡眠不足」をチェック
自分にとって最適な睡眠時間を知るには、まず「睡眠が足りているか?」をセルフチェックしてみましょう。
・昼間、強烈な眠気に襲われることはありませんか?
・通勤電車で、乗るとすぐに居眠りをしてしまいませんか?
・電車などで立ったまま眠ることはありませんか?
・夜いつのまにか寝てしまう、いわゆる「寝落ち」をしていませんか?
上記のうち1つでも頻繁に起きているのであれば、たとえ自覚がなくても立派な睡眠不足に陥っている可能性が高く、注意が必要です。
◆自分にとってベストな睡眠時間を知る方法
まずは7時間の睡眠をキープし、1週間続けてみましょう。
1週間後、「寝不足ぎみだな」「昼間も眠いな」と思ったら睡眠時間を30分追加し、さらに1週間過ごします。
反対に「充分寝た感じがする」「頭がスッキリするな」と感じたら、睡眠時間を30分減らして、次の1週間を過ごします。
これを繰り返して、「睡眠不足」と「充分寝た」の境界線、つまり自分が最も快適に活動できる睡眠時間を探っていきましょう。
いつ寝ればいい?睡眠に適した時間帯とは
お布団に入る時間帯を工夫することで、疲労回復・機能修繕といった眠りの効果をより実感することができます。一番良いのは、夜10時〜翌2時の間に「眠り始めの3時間」をできるだけ重ねることです。人間の眠りが最も深くなるのは、眠りに入ってから3時間の間です。これは美容と健康に不可欠な「成長ホルモン」の分泌が最も活発になる時間帯です。 成長ホルモンは、子どもの成長に役立つだけではありません。成人の場合は筋肉・骨・皮膚・爪・髪などを補強し、免疫力を高める働きがあります。また、脂肪を分解してくれるという、美容・健康に嬉しい役割を担っています。 成長ホルモンは、さらに時間帯によっても分泌量が変わりますが、が、一日のうちで一番多く分泌されるのが入眠してからの3時間なのです。 つまり、時間帯によって分泌の量が変わるというよりは、いかに入眠してからの3時間に深い良い眠りができるかどうかということなのです。そのためには、眠る前の準備がとても大切になってくるのです。
ですから、「眠り始めの3時間を夜10時〜翌2時にできるだけ重ねる」というのが美容と健康にとって最も効率よく、理想的と言えます。
ゴールデンタイムに寝られなくても大丈夫
とはいえ、なかなか夜10時、11時には「なかなか寝られないよ」という人も多いでしょう。無理をしてまでゴールデンタイムにこだわる必要はありません。ですが、少なくとも「朝起きて、日中は活動して、夜は休む」というリズムを崩さないよう気をつけましょう。夜勤の人が身体を崩しやすいのは、体内時計のリズムが狂ってしまうためです。人間の体温変動や自律神経は、じつは体内時計の働きのおかげで適切にコントロールされています。体内時計のリズムが狂うと、冷え症、のぼせ、自律神経失調症、うつ病、睡眠の質の低下などを招いてしまいます。
仕事で夜中に働く人は、その勤務体制によって特別な対処が必要ですが、それ以外の人は改善が可能です。
夜できるだけ早く休み、朝早く起きて朝食をしっかり食べること。日光をしっかり浴びて適度に身体を動かすこと。こうすることで体内時計は整い始めます。体内時計が正しく動くようになれば、「朝はスッキリと目が覚め、夜は自然と12時前に眠くなる」というリズムができてくるのです。
充分な睡眠時間を確保し、できれば10時・11時、遅くとも12時までには布団に入ること。
この時間帯に布団に入れるよう逆算して夜を過ごすことがポイントになります。
本来の生体リズムにできるだけ従う形で眠るようにしましょう。
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