コラム
美容コンサルタント美羽Miu
vol. 38春夏秋冬で変わる睡眠の特徴とは?季節ごとの快眠のコツを解説
日本では、春夏秋冬の季節ごとに気候や気圧、日照時間の長さが変化します。こうした季節の変化は、私たちの生活リズム、とくに睡眠にも大きな影響を与えます。
今回は、季節ごとの変化が睡眠へ与える影響と、それぞれの季節に応じてぐっすり眠るための対策をご紹介します。
春の睡眠の特徴と快眠ポイント
春は動植物が目覚めを迎え、人間の身体も自然と活発になる季節です。日照時間がだんだん伸びるとともに気温や気圧が激しく上下することで、自律神経や体内時計が乱れやすくなり、睡眠リズムを崩してしまうことがあります。
また、日本では春が新生活のスタートと重なります。環境の変化による精神的なストレスも自律神経に負担をかけ、睡眠の質の低下や、寝付きの悪さ、中途覚醒といった不調を招きやすくなります。
春の快眠の対策ポイント
朝日を浴びることで体内時計を調整し、睡眠覚醒リズムを整えましょう。朝日はセロトニン(いわゆる幸せホルモン)の分泌を促し、これが夜になるとメラトニン(睡眠ホルモン)に変わります。朝起きたら日光を浴びてセロトニンの分泌を促進するとともに、体内時計を調整して、夜に自然と眠くなるよう準備を整えましょう。また、春の睡眠の質を高めるためにはストレスのコントロールも欠かせません。ストレスを溜め込みすぎないよう、身体を軽く動かしたり、趣味に没頭する時間を確保したりすることを心がけましょう。心身をリラックスさせる習慣(瞑想、ヨガ、深呼吸など)を日常に取り入れるのも効果的です。
夏の睡眠の特徴と快眠ポイント
日本の夏の特徴は、なんといってもその独特の蒸し暑さです。高温多湿な環境下では適切な体温調節が難しくなり、睡眠が妨げられることがあります。
また、1年で最も日が長い夏は、仕事やプライベートで夜遅くまで活動する機会が多くなる季節です。睡眠リズムが崩れてしまうと、朝起きるのが苦痛になったり、夜なかなか寝付けなくなったりしてしまいます。
夏の快眠の対策ポイント
夏はとくに、寝室を涼しく維持することを意識しましょう。夏の寝室では、「温度が25〜28℃、湿度が40~60%」に保つのが快眠にとって理想的と言われています。エアコンや除湿機を効果的に使って環境を整えてみてください。日の出とともに気温がぐんぐん上昇しますので、朝ゆっくり眠りたいという人は厚めのカーテンをしっかり閉めて、エアコンをずっとつけたままにしましょう。反対に日の出ぐらいの時間帯に起床したい人はカーテンを少し開けておく、またはレースのカーテンにして朝日が部屋に入るようにしましょう。
また、寝具やパジャマは吸湿性と通気性に優れた素材を選びましょう。とくに綿や麻などの自然素材は、汗をしっかり外へ逃し、睡眠中の快適さをキープしてくれます。
秋の睡眠の特徴と快眠ポイント
秋は温度と湿度が快適な日が多く、過ごしやすい季節といえます。日の入りがだんだん早くなることから、夕方からメラトニンが分泌されやすくなります。睡眠不足になりがちな夏が終わり、眠りやすくなるので「睡眠の秋」と言うことができます。
ただし、台風や低気圧が訪れやすくなるなど、気圧が激しく変動しやすいのもこの時期の特徴です。気圧の変動は自律神経の負担につながり、睡眠に悪影響を及ぼすことがあります。
秋の快眠の対策ポイント
秋の過ごしやすい気候を利用して、運動する習慣を取り入れることもおすすめです。適度な運動は体温の自然な変動を促し、夜のスムーズな寝付きにも繋がります。できれば日中までに、遅くとも夕方前に軽いジョギングやウォーキングを行うことで、睡眠の質を向上させましょう。また、自律神経を整えるためにリラックスを心がけましょう。お風呂でお湯に浸かったり、お風呂のあとにストレッチしたり、就寝前にリラックスして副交感神経を優位にしましょう。
冬の睡眠の特徴と快眠ポイント
冬は日照時間が短くなり、気温もぐっと低くなります。日照時間が短いとセロトニンが減少し、気分が落ち込むなど抑うつの症状が出やすくなります。抑うつ状態では睡眠に悪影響が出る恐れがあり注意が必要です。
また、身体が冷えると興奮を司る交感神経が活発になるため、寝付きに悪影響が出たり睡眠の質が低下したりする場合があります。
冬の快眠の対策ポイント
冷え込む冬の季節に気持ちよく眠るためには、寝具の中を温めておく必要があります。冷たい寝具に入ってしまうと交感神経が刺激され、寝つきが悪くなってしまいます。ただし、電気毛布などを使って温めておくのは問題ありませんが、就寝後は電源を切るようにしましょう。ぐっすり眠るために、眠っている間は体温を下げる必要があります。電気毛布を点けっぱなしだと、体温を下げることができず、ぐっすり眠れません。また、外出することが減ってしまいがちな季節です。家の中にこもってしまうと活動量が減って睡眠にも影響してしまうことも…。日照時間が短くなる分、積極的に朝日を浴びる工夫をして、睡眠と覚醒のリズムもしっかりと整えていきましょう。
【監修】東京ベイ・浦安市川医療センター CEO / 医師 神山 潤 先生
睡眠、特にレム睡眠を脳機能評価手段の一つとして捉える臨床的な試みに長年取り組む。
旭川医科大学、UCLAでは睡眠の基礎研究に従事。米国から帰国後、日本の子どもたちの睡眠事情の実態(遅寝遅起き)に衝撃を受け、社会的啓発活動を開始している。
【主な著書】
・朝起きられない人のねむり学 一日24時間の賢い使い方
・眠りは脳と心の栄養! 睡眠がよくわかる事典 早起き・早寝で元気になれる
・睡眠で人生が劇的に変わる生体時計活性法 (講談社+α新書)
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