コラム
美容コンサルタント美羽Miu
vol. 39夜ぐっすり、朝スッキリ♪睡眠の質を上げる日光浴のコツ
普段なにげなく浴びている日光。
この日光と睡眠の間には、とても密接な関係があります。じつは日光は、私たちの体内時計を調整し、質の高い睡眠をもたらすのに欠かせない要素なんです。今回は、日光がどのように睡眠に影響を与えるのかを分かりやすく解説し、睡眠の質を向上させるための日光浴のコツをご紹介します。
日光と睡眠のメカニズム
日光は私たちの体内時計、すなわちサーカディアンリズム(概日リズム)に大きな影響を与えます。体内時計は24時間より少し長い周期で、私たちの睡眠・覚醒サイクル、ホルモン分泌、体温調整などをコントロールしています。
セロトニンとメラトニン
朝起きると、脳内でセロトニンという神経伝達物質の分泌が始まり、日光を浴びると分泌が促進されます。セロトニンは「幸福ホルモン」とも呼ばれ、脳の感情を制御する部位に作用して、不安感の軽減やストレスの制御をする働きがあります。セロトニンは、夜になるとメラトニンというホルモンの原料として使われます。メラトニンは「睡眠ホルモン」とも呼ばれ、眠気を誘発し、質の高い睡眠をサポートするホルモンです。日中に十分なセロトニンが生成されると、睡眠を促すメラトニンがしっかり分泌されて、寝付きがスムーズになり睡眠の質も高まります。
体内時計のリセット
睡眠の質を高めるためには、体内時計のリズムを整えることも大切です。朝に日光を浴びると、目から脳の視交叉上核に伝わり体内時計が調節され、私たちの体は「朝が来た」と認識するのです。
ここで大切なのが、「朝」に日光を浴びること。体内時計の周期は24時間より少し長いため、日光を浴びずにいるとどんどん後ろにズレていってしまいます。睡眠を含め健康的なリズムで生活するためには、毎朝日光を浴びて体内時計を調節するのが大切です。
睡眠の質を上げる日光浴のコツ
睡眠の質を向上させるために、まずは朝の日光浴を意識しましょう。日光には覚醒効果もあるので、1日のスタートもすっきりスムーズになります。
また、昼間もできるだけ日光を浴びることが大切です。可能であれば、仕事の合間に窓際で休憩する、ちょっと外に出て散歩するなど、こまめに日光浴ができるよう工夫してみてください。
「日光浴」というと晴れている日を連想するかもしれませんが、セロトニン分泌に必要な明るさの光は曇りの日でも降り注いでいます。お天気にかかわらず、毎日の日光浴を習慣にするのがおすすめです。
運動を取り入れる
日光浴と運動を組み合わせることで、体内時計を調整する効果を高められます。最近、ちょっと夜更かし朝寝坊が続いてリズムが乱れているなと感じているなら、朝早く起きて、外で散歩やジョギングをしてみてはいかがでしょうか。睡眠の質を下げないために注意するポイント
日光はセロトニンの分泌に役立つ反面、浴びすぎると日光に含まれる紫外線が皮膚にダメージを与える恐れがあります。強い日差しが気になるときや長時間日光を浴びるときは、日焼け止めや帽子、衣類、サングラスなどを活用してお肌を保護しましょう。とくに5月〜8月にかけては、紫外線が強くなりますので、曇りの日でも注意が必要です。
また、日光だけではありませんが、明るい光には見るだけで目が覚める覚醒効果があります。朝ならスッキリ目覚めることに役立ちますが、夕方から夜にかけては寝付きを悪くする原因となる恐れがあるので、注意しましょう。
夜は、コンビニやスポーツジムなど明るい光を浴びる場所に行くことをできるだけ避け、スマートフォンやパソコンなど画面から光を発する機器の使用を控えることが大切です。お部屋の明かりも、就寝前は暖色で暗めの照明を取り入れると、寝付きが良くなりぐっすりと眠りやすくなります。
日光浴は、睡眠の質を向上させるための心強い味方です。適切な日光浴で質の良い睡眠を手に入れ、日々を元気に過ごしましょう。
【監修】東京ベイ・浦安市川医療センター CEO / 医師 神山 潤 先生
睡眠、特にレム睡眠を脳機能評価手段の一つとして捉える臨床的な試みに長年取り組む。
旭川医科大学、UCLAでは睡眠の基礎研究に従事。米国から帰国後、日本の子どもたちの睡眠事情の実態(遅寝遅起き)に衝撃を受け、社会的啓発活動を開始している。
【主な著書】
・朝起きられない人のねむり学 一日24時間の賢い使い方
・眠りは脳と心の栄養! 睡眠がよくわかる事典 早起き・早寝で元気になれる
・睡眠で人生が劇的に変わる生体時計活性法 (講談社+α新書)
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